教育・カリキュラム

2015年度東南アジア研修実施報告②

経営学部は毎年東南アジア地域でフィールドワークを行っています。研修では現地学生との交流、企業訪問、観光地視察などを通し、近年経済成長著しい東南アジアの人々、文化、社会を自分の目で感じることができます。参加学生は帰国後もその経験を生かし、グローバル社会の一員として更なる挑戦を続けています。

こうした研修を実施できるのも、受け入れ先大学・企業からのご協力があってのことです。心より感謝申し上げます。

1.ベトナム研修

目的

ベトナム・ホーチミンにあるホーチミン大学日本語学科や日系企業を訪問し、交流を通じて①国際ビジネスの視点を持つこと、②異文化がビジネスに与える影響を理解すること、③実際のビジネスの中でどういう形で海外販売できる製品が開発されていくかを経験すること。

実施日程

2015年9月21日~9月25日(4泊5日)

引率教員

山口隆英

参加学生人数

16名(経営学部3回生山口ゼミ)

参加費

約20万円

研修内容

ホーチミン大学との交流ならびに現地日系企業訪問など

参加学生インタビュー


山口隆英先生(中央)と山口ゼミのみなさん
(左から:清水朋佳さん、加藤拓さん、大久保宏美さん、古川華子さん、金森祐樹さん、中津慶亮さん、鷲尾優さん、
奥野緋理さん、橋本恵里さん)
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街並みに親しみを感じました

全員が今回ベトナムへの渡航は初めてと伺いました。ベトナムの第一印象は?

金森:異文化へ飛び出す! ということで不安もありましたが、建物の雰囲気が日本に似ていたり、街並みに親しみが感じられて想像以上になじめた気がしました!

鷲尾:交通事情は日本とかなり異なっていました。道を走るのは車よりもバイクが圧倒的に多く、二人乗り、三人乗りは当たり前でした!

清水:気候でいうと、ベトナムは日本より湿度が高く感じました。一日中外で過ごすには日本以上に体力が入りました。

車やバイクが忙しそうに行き交うエネルギッシュなホーチミン市内
生春巻きをはじめ、ベトナム料理にも挑戦!

現地学生の日本語学習への意欲にびっくり

訪問先のホーチミン大学では日本語学科の学生さんとの交流があったそうですね

加藤:はい、日本語が話せる学生さんが多かったので安心しました! ベトナムでは日本の企業進出が盛んで、日本語学習の需要が高まっているようです。友達になった学生も「日本の企業で働きたいから日本語を学びたい!」と言っていました。

古川:私の話した学生も「将来日本で仕事をしたい」とか、「親に日本語を勉強しておきなさいと言われた~」と言っていました。

中津:英語、中国語、日本語、ベトナム語、の4か国を話す学生もいました! 将来は通訳者になりたいそうです。LINEやFacebookを交換して、日本に来たときは街を案内するよ! と約束しました。

ホーチミン大学日本語学科の学生さんとの交流の様子

スーパーマーケットを視察

日本語学科の学生さんと一緒に現地のスーパーマーケットに行ったそうですね

清水:はい、私たちのゼミは「神戸の伝統的銘菓がベトナム市場で受け入れられるためには何が必要か」をテーマに調査・研究をしてきました。現地では、ベトナム人の嗜好を調べるため、現地学生に日本のお菓子を試食してもらったり、アンケートを取ったりしました。反対に「日本で好まれそうなベトナムのお菓子は?」ということで、現地学生からスーパーマーケットを案内してもらい、現地のお菓子について教えてもらいました。

日本人が喜びそうなお菓子は見つかりましたか?

山口先生:ベトナムの学生さんは、日本人の好みに合わせて、というよりも、目の前の県大の学生さんをびっくりさせてあげたい、という気持ちから、ベトナムならではの珍しいお菓子、楽しいお菓子をたくさん紹介してくださったようです。

ベトナムの珍しいお菓子、実際に挑戦してみた学生さんは?

加藤:はい!

一同:おー!(笑)

いかがでしたか?

加藤:”緑色でバナナ味でスライムみたいな中に黄身あんの入ったお餅に似たお菓子”を食べました! いままでに目にも口にもしたことのないお菓子でしたが、意外においしかったです。ほかにも、激辛お菓子、ドリアン味のお菓子、などなど積極的に挑戦しました。刺激的な体験でした!

ベトナムのスーパーマーケットは、日本と違うところはありましたか

金森:入店時に全員荷物をクロークに預けました。万引き防止だと思います。

橋本:ベトナム人は日本人よりも果物をたくさん食べる習慣があるのではないでしょうか。果物売り場は色とりどりの果物が豊富に並び、果物の匂いに包まれていました。ここは日本でなく、ベトナムのスーパーなんだぁと実感しました!


大学近くのスーパーマーケットへ視察

現地学生イチオシのお菓子を恐る恐る?試食

このまま日本にいたら自分たちは甘えてしまう!

研修中、心に残ったエピソード、研修全体を通しての感想などがあれば教えてください

清水:日本からの観光客が多いためか、お店の店員の多くは私たちが日本人だとわかると日本語で話してくれました。言葉ではそこまで困らずに研修を終えることができて意外でした。

加藤:行きたいレストランの場所が分からず、現地の方に聞きまくりました。お互いが片言の英語だったため大変でしたが、最終的には隣の建物の名前を教えてもらい、たどり着けました。やっとありつけたステーキは想像していた味とはちょっと違っていましたが、思い出に残る経験ができてよかったです。

大久保:ベトナムで食べたアイスクリームの味が私の特別です。ココナッツとマンゴーの二つのフレーバーを選び、ナッツやチョコレートのトッピングをします。とてもおいしかったです。

奥野:私は日本人が経営するマンゴーカフェに行きました。日本で旅行会社に勤めていた先輩と後輩が二人でベトナムに来てカフェを始めたそうです。

なぜ、日本からベトナムに転職してきたんでしょうか?

奥野:日本で働いているときに「このまま日本にいたら自分たちは甘えてしまう!」と思ったんだそうです。

一同:へー!

奥野:二人は私たちに、転職に至る経緯やこの地でカフェを開店するまでのエピソードをすごく大切そうにたくさん話してくださって、とても印象に残っています。

そのほか記憶に残る出会いはありましたか

橋本:企業訪問させていただいたIVS社長、浅井さんとの出会いです。自己紹介で30分間ご自身のことについてしゃべりたおしておられたのが忘れられません(笑)。

山口先生:浅井さんからは学生時代アルバイト先でのベトナム人の同僚との出会いから、ベトナム語猛勉強の日々、ベトナムでビジネスを始め、今日に至るまでの経緯など、興味深い話をたくさん伺うことができました。


「このままじゃ私たちダメになる!」
日本人女性2人が始めたマンゴーカフェの様子(上)と絶品マンゴージュース!(下)

彼らに負けないように自分たちの課題に取り組み、勉強に励んでいきたい

今後の抱負があれば聞かせてください

石田:ベトナムの学生はとても勉強熱心で自分はまだまだと感じました。今後のゼミでは彼らに負けないように自分たちの課題に取り組み、勉強に励んでいきたいと思います。

永井:これからの将来、海外へ行き、その国の方と接する機会は必ずあると思うので、言葉だけではなく、その国の文化や歴史までしっかりと調べた上でコミュニケーションをしたいと思います。


石田悠貴さん(後列右から2番目)

永井千尋さん(左から3番目)

山口先生:今回の研修で学生は、現地大学や現地企業への訪問を通じ、ベトナムの流通事情や経済発展の状況について体感しました。また、現地でお世話になった様々な方との交流を通じ、国際的な友好関係のはぐくみ方、人と人とのつながりを作ることの大切さについても身を持って実感できたのでは、と思います。

山口先生、山口ゼミのみなさん、今日は貴重なお話をありがとうございました


AEONにて(前列左から3番目、担当青野さんと)

現地学生ともすっかり打ち解けました
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2.シンガポール・インドネシア研修

目的

日本企業の海外子会社のフィールド調査を行うことで新興国におけるマーケティング戦略を学ぶとともに、研修を通じてよりグローバルな視野を獲得すること。

実施日程

2016年1月7日~1月15日(7泊9日)

引率教員

原田将

参加学生人数

11名(経営学部3回生原田ゼミ)

参加費

約20万円

研修内容

現地日系企業訪問、淡水会ジャカルタ支部との交流など(本事業は学生主体の事業であり、学生が調査対象国や調査企業を交渉・決定)

参加学生インタビュー


原田将先生(後列右から2番目)と原田ゼミのみなさん
(前列左から:Pyon Yeramさん、井上ひかるさん、樋口歩実さん、三宅晃裕さん、富永雄斗さん
後列左から:出口優希さん、藤原あみさん、向井瑞萌さん、植田美紗代さん、内橋輝さん、岸田将英さん)
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日本語も英語も、通じない環境!?

東南アジア方面への渡航が初めてという学生さん(3/11名)、初の東南アジアはいかがでしたか?

富永:何から何まですごかったー!!

一同:ほんとです!(笑)

三宅:気候が全然違いました。現地は連日気温30℃超、みんな半袖。当たり前なのにびっくり。日本を出るまでは世界中誰もが僕たちと同じように生活していて、同じ時間が流れている、という感覚でいたんです。

植田:私はグアムや韓国には行ったことがありましたが、インドネシアでは英語さえ通じないこともあり、これは初めての経験。困りました!

富永:たしかに! タクシー運転手に全く英語が通じず、焦りました。

どうやって乗り切ったのですか?

富永:スマホを見せて「ここ! ここ!」と指さして(笑)。

内橋:また、道端に座っている人たちがたくさんいて驚きました。仕事している風でもなく、学校にも行っていない大人がたくさんいました。

樋口:インドネシアではスラム街も見ました。建物の様子、人々の姿から、現地で暮らす人々の生活水準の格差がはっきりと見て取れました。

藤原:空港からホテルへの移動だけでも、高層ビル群や高級住宅街を通ったかと思えば、スラム街も通ったり。日本では目にしない光景で、とても印象に残りました。


シンガポール「マリーナベイ・サンズ」前

インドネシア・ジャカルタ市街

シンガポールとジャカルタ。単純比較するのはよくない気がする

研修ではシンガポールとジャカルタ(インドネシア)の2都市を訪問されたんですね

原田先生:研修は「新興国市場における成功要因」をテーマに現地調査をするというものです。そのために事前調査を行い、企業へ質問票を送付しました。また、新興国であるインドネシアとの比較対象として、成熟経済にあるシンガポールも訪問しました。訪問国や企業の選択はすべて学生が決定しました。

岸田:シンガポールとインドネシア。経済発展の段階が異なる両者を比べるとおもしろそう、成長に必要なカギや法則が見つかりそう、ということでこの2都市を選びました。でも実際行ってみると、単純に両都市を比較するのは・・・ふさわしくない気がしました。

ふさわしくない?

岸田:それぞれに様子が異なっている。例えば、シンガポールは小さな都市で、政策や戦略が比較的コンパクトに行き届きそう。

向井:一方、インドネシアはいくつかの島々から成っています。

出口:それにシンガポールの人々は忙しい雰囲気でしたが、インドネシアはのんびり、マイペース。ニコニコとおおらかな印象でした。

植田:同じアジアの国でも、国民性や文化、習慣、地理的背景、全然違います。自国事情にあったそれぞれの発展の仕方、企業進出の仕方、があるように思いました。

シンガポール(左)とインドネシア(右)。両者の違いに直接肌で触れた9日間

戦略、と言っても、根本にあるのは「人」

企業訪問先や淡水会ジャカルタ支部OBの方々との交流で、印象に残ったことは?

植田:大塚製薬の坂東社長の「人がやっていないことをやろう、リスクを負わなければリターンはない」という言葉が忘れられません。大塚製薬は健康意識が日本ほど高くないインドネシアで、ラマダンの習慣や現地で流行するデング熱に注目。効率的な栄養補給の重要性を現地の人々へアピールする戦略を取った、とのことです。

富永:戦略と一言で言っても、根本にあるのは「人」だと感じました。工場で働く人々の心、消費者の心。これらをどう動かして成功に導くか。

三宅:パイロットでも人材育成をカギと考えているようでした。現地従業員への技術指導に、人件費の高い日本人をどのくらいの期間あてるべきか、慎重に検討されていると伺いました。

岸田:実際に現地で人々のエネルギーに触れると、やはり紙に書いた戦略だけでなく、関わる人すべての気持ち・情熱が大事だと感じました。

出口:ホンダの「ワンハートキャンペーン」もそんな取り組みのひとつだよね?

藤原:そうそう、現地の若い世代を惹きつけ、応援し、インドネシア社会とホンダが一体となって成長しようというもの。

原田先生:ホンダの井沼社長からは帰国後「夢や情熱を大切にがんばれ!」とのメッセージがびっしり詰まった応援メールをいただきました。また、ホンダの杉田さん、森下さん、大塚の坂東社長、パイロットの宇野さんなどからも激励のメールをいただきました。各訪問先で私たちを温かく受け入れて下さった皆様には大変お世話になりました。


PT. Amerta Indah Otsukaを訪問

Otsuka坂東社長を囲んでの食事会にて

PT. PILOT PEN INDONESIAを訪問

じゃかるた淡水会との会食

PT. Astra Honda Motorカラワン工場を訪問

PT. Astra Honda Motor旗艦店を訪問

「現地まで行きます。お話を伺えませんか」―自分たちの手で掴んだ研修

参加者のほとんどが昨年度(2年次のゼミで)インドネシア・バリ研修に参加されていたそうですね

井上:バリ島は外国人観光客向けに整備されていたと、今回ジャカルタで初めて気づきました。同じインドネシア料理も、バリでは食べれたのにジャカルタではあまり口に合わなかったり。2回目の研修でいよいよ本場を体験できた感じがしました。

植田:前回は旅行の手配はすべて先生でしたが、今回は航空券手配から訪問先との連絡調整まで全部自分たちで行いました。すべてを終えた今すごい達成感、そして仲間の一体感! です!

向井:企業にはまさに「お客様コールセンター」に電話をかけるところから始まりました。「県大でこんな研究をしています。現地まで行きます。お話を伺えませんか」って。飛び込みの一学生の話でもみなさん熱心に耳を傾けてくださり、真剣に取り次いでくださいました。各担当者から丁寧な返信をいただくたびに「返事来たー!!」とみんなで喜び合いました。現地で担当の方とお会いできたときの感動といったら! 2年次の研修とはまた全く異なる、すばらしい研修でした。


現地で地図とにらめっこ、みんなで相談

貴重な経験の数々(Otsuka坂東社長との議論の様子)

まず手を挙げてみてください!

最後に、研修を終えての感想や、1,2回生、県大受験を検討している高校生に向けてメッセージをお願いします

向井:現地駐在員の方、淡水会のOBのみなさん、どなたも目が輝いていました。仕事への情熱と誇りが強く伝わってきました。これまで持っていた働く日本人のイメージが大きく変わりました。

樋口:みなさん本当に生き生きと仕事をしておられました。海外で働きたい、海外に興味のある学生におすすめの研修です!

内橋:まず参加! ちょっとでも「いいな」と思ったら、とにかく手を挙げて、参加してみること。想像を超える経験が待っています! もっと「おかわり!」ってなります!

有田:リスクを取って新しいことをどんどんやってみよう! -インドネシアは日本にはない活気に満ちていました。新興国に関わるビジネスにぜひ挑戦してみたいです。そのための自分磨き、がんばりたいです!

三宅:別に海外好きだったり、将来海外で働こうという考えを持っていたりしなくてもいいのかも? この経験を日本社会の中で生かせないかな、敢えて日本で勝負してみるのはどうかな、僕はそんなふうにも思っています!

原田先生、原田ゼミのみなさん、今日は貴重なお話をどうもありがとうございました


有田絢音さん(一番左)

躊躇せず「おかわり!」

以下、本研修でお世話になった受け入れ先企業・じゃかるた淡水会の皆さま:
PT. Amerta Indah Otsuka
坂東義弘様、Ritawaty様、Pratiwi Juniarsih様
PT. PILOT PEN INDONESIA
Junus Halim様、Masanobu Kogure様、Junichi Uno様
PT Astra Honda Motor
井沼俊之様、Masahiko Ikegami様、杉田宏治様、上野仁士様、岩野央様、森下貴申様
じゃかるた淡水会
Heru Santoso様、橋本隆様、安宅尚司様、M. Arif Kurniawan様
(順不同、敬称略)
お陰様で無事全日程を終了いたしました。心より感謝申し上げます。

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