広域ケア開発研究部門

広域ケア開発研究部門

国際看護

国際看護
地域や文化の多様性を尊重し、グローバル社会が直面している健康課題の解決を目指した研究や実践活動を行っています。

グローバル化した世界で新しい健康支援のかたちを考える

私たちの住む世界は目まぐるしい変化の渦中にあります。情報通信技術や交通網の発達とその大衆化は、国家の垣根を超えたモノ・人・情報の行き来を急激に増幅させました。国際的な経済格差や少子高齢化は、労働者の国際移動や仕事の分業・効率化を促進させています。このような変化は、私たちの健康にも大きな影響を与えます。例えば、感染症の国際的な流行や国を超えた大気汚染、国際的なテロ活動などは、公衆衛生上の大きな脅威となっています。また、経済のグローバル化と産業構造の変化は、生活習慣病の世界的な増加や働く人々へのストレスを増加させる一因とも考えられます。

グローバル化がもたらす変化は、ネガティブなものだけではありません。健康に関する情報は、世界中どこからでもアクセスできるようになりました。IT技術は、一人ひとりに合わせた健康支援を、より多くの人に届けるツールとして定着しつつあります。グローバルヘルスのネットワークも強化され、国を超えた健康課題や健康危機に対して、国際協力活動を迅速に発動させることができるようになりました。また、Sustainable Development Goalsに象徴されるように、国際社会が共通の理念を掲げ、共通の目標に向かって政策を展開していく時代が到来しています。このような世界の中で、人々が自分らしく、健やかに生きていくために、看護には何ができるのでしょうか?

国際看護では、刻々と変化する世界、日本の未来を見据えて、国を超えた研究・実践活動を行っています。災害と健康危機管理に関するWHO協力センターとしてのネットワークを生かし、災害看護に関する研究の国際的な発信を行っています。また、地域疫学データを用いた国際共同研究を通じて、人々の心身の健康に影響を与える社会的要因の解明に取り組んでいます。海外からの研修生も積極的に受け入れ、災害看護や看護教育に関わる人材・知識の国際交流を図っています。

看護は、人々の苦しみに共鳴し、生きる力を守り育むことを得意としています。未知の経験に満ちた時代だからこそ、看護の知と技を世界共通の財産として、ひとりひとりの生きる力を中心に据えた新しい健康支援のかたちを模索していく必要があります。国際看護は、そのためのプラットフォームであり続けます。

過去の研究活動

平成26年度「国際まちの保健室」の在日外国人の健康支援活動に関する報告書(PDF)

その他過去の研究活動はこちら