博士前期課程(修士)

博士前期課程(修士)

専門分野と専門領域の概要

各専門分野は、その専門性を構築する複数の有機的につながった専攻分野からなり、 各専門分野の特性と専門領域は次のとおりである。
高度実践看護コース(CNSコース)は、高度実践看護師教育課程の認定を受けているコースである。

看護基礎科学分野

看護基礎科学分野は、がん看護学、看護病態機能学、感染看護学、生活機能看護学の4つの専門領域によって構成され、人間の身体の機能と病気やその症状をはじめとして、病者体験にせまり、人間の生命や死にまつわる健康問題に焦点を当てた看護を学ぶ。がん看護学専門領域は、高度実践看護コースと研究コースの両方のコースを設けており、看護病態機能学専門領域、感染看護学専門領域及び生活機能看護学専門領域はいずれも研究コースのみを設けている。専門領域は以下の4つである。

  • がん看護学専門領域

    がん看護学(高度実践看護コース)

    がん看護に関する高度な知識、技術を用いて、がんの予防や健康教育、診断、治療に伴う意思決定、がん治療中、治療後の場面において、医学的管理能力と生活調整支援能力を統合して発揮でき、がん患者が体験する症状、精神的苦痛の緩和や死にゆくプロセスを支える看護ケアの提供等ができる能力を修得する。
    さらに組織や行政の枠組みのなかでがん看護の質向上に必要な能力を養う。このコースは文部科学省がんプロフェッショナル養成プラン(大阪大学拠点)を実施中です。
    がん看護学(研究コース)
    がん患者や家族が直面する健康問題に関する知識を広く得て、予防、診断、治療、療養上の研究課題を整理、精錬し、研究的な手法を用いて、患者、家族の反応、政策を含む社会の反応の在り様を明らかにする研究能力の基盤を形成する。

  • 看護病態機能学専門領域

    人体の構造、調節機能を総合的に探求し、理解を深めるとともに生体の形態、機能、代謝やその病態の解析に必要な基礎的な方法及びその応用に関する研究方法を修得する。健康増進、生活習慣病の予防など人々の健康課題に探求的に取り組む能力や看護への応用能力を養う。また、看護ケアやストレスが生体に及ぼす影響について心理生理学的観点から評価する研究方法を修得する。

  • 感染看護学専門領域
    感染症(新興、再興)の出現、院内感染の問題に対応し、広く地域及び施設の看護活動において、感染症の診断、医療処置、感染者及び易感染のケア、感染管理並び感染対策などの感染看護に関する課題に探求的に取り組む能力を修得する。
  • 生活機能看護学専門領域
    日常の生活機能を高める看護に関する知識を広く得るとともに、理解を深めるための基礎的研究法を習得する。生活機能に関する健康課題に探索的に取り組み、看護実践に寄与する研究能力を修得する。
看護基礎開発分野

看護基礎開発分野では、人とケアを軸として、環境設計看護学、看護教育学の2つの専門領域をおいている。看護ケア対象者、看護ケア提供者および看護教育者において療養環境、ケア環境、看護実践教育環境を設計する力を育成し、対象者のQOL向上、看護の質の向上をめざした看護を専門的に学ぶ。いずれの専門領域も研究コースを設けている。

  • 環境設計看護学専門領域
    人間-環境系の理論を基盤とし、看護専門職として保健・医療・福祉における療養者を取り巻く環境(療養環境、および看護実践教育環境)に関する課題に焦点をあて、そこでの課題を分析、設計、開発、実施、評価の視点で取り組む。さらに新たな看護支援方法の開発や看護教育環境の設計に取り組む基礎的な能力を修得する。
  • 看護教育学専門領域
    看護教育学専門領域における高度な専門知識・理論、技術を学び、看護教育学専門領域での問題や教育方法について探索的に取り組む能力を修得する。看護学生を含む看護専門職者の個々人のあらゆるキャリア発達の過程の中で、その進展支援やキャリア開発の方向性を生涯学習の視点から、看護における教育の在り方やその本質を探究する。
生涯健康看護分野

生涯健康看護分野は、人間の成長発達過程を軸として、母性看護学、小児看護学、精神看護学、成人看護学、老人看護学の5つの専門領域によって構成され、それぞれ特徴ある健康問題を抱える人々への看護を専門的に学ぶ。いずれの専門領域にも、高度実践看護コースと研究コースが設けられている。専門領域は以下の5つである。

  • 母性看護学専門領域
    母性看護学(高度実践看護コース)
    移行の概念を基盤として、生産年齢にある女性や家族が遭遇する健康問題に対して、効果的に支援できるよう看護援助に必要な諸理論を学び高度な能力を修得する。
    母性看護学(研究コース)
    生産年齢にある女性や家族が遭遇する健康問題に関する知識を広く得て、移行の概念や看護の理論を背景に母性の健康問題や看護の課題に取り組む能力を修得する 。
  • 小児看護学専門領域
    小児看護学(高度実践看護コース)
    成長発達とセルフケア看護理論を基盤に小児の健康状態を捉え、環境の影響を考慮しながら、健康の増進、疾病や障害による小児の心身の反応に対し、高度な知識・技術を用い、適切に判断でき、必要な支援活動を創造し実践する能力を修得する。
    小児看護学(研究コース)
    成長発達とセルフケア理論を基盤に小児の健康課題について広く知識を得て、小児とそれを取り巻く状況に潜む健康問題や看護の課題を探求し、研究的に対応する能力を修得する 。
  • 精神看護学専門領域
    精神看護学(高度実践看護コース)
    個人及び集団のこころの健康についての理解を踏まえて、精神看護に関する諸理論と方法を学び、リエゾン精神看護もしくは精神障害者への看護のいずれかの分野において、医師をはじめ他職種との連携・協働のもとに高度の技能を発揮し、看護ケアを改善していく能力を修得する。
    精神看護学(研究コース)
    個人及び集団のこころの健康に関する高度な知識を広く獲得し、メンタルヘルス、もしくは精神障害者の健康問題や看護の課題に探索的に取り組む能力を修得する 。
  • 成人看護学専門領域
    慢性看護学(高度実践看護コース)
    成人の生活習慣や身体的要因に起因する健康問題とその支援方法について、慢性病者の包括的アセスメント、症状緩和、疾病予防のための教育的支援方法、社会資源の活用などの高度な知識・技能を用いて実践能力を修得する。
    成人看護学(研究コース)
    成人の健康増進、疾病予防、健康の回復・維持に関する高度な知識を広く得て、成人の健康問題及び看護ケア方法について探索的に取り組む能力を修得する 。
  • 老人看護学専門領域
    老人看護学(高度実践看護コース)
    老人の加齢過程や健康生活に関する問題に対して、高度な専門的援助を実践し、また看護方法の開発に貢献できるような老人看護に必要な理論とその活用、老人の健康評価の方法、看護ニーズの分析方法、サポートシステムの推進方法などを修得する。
    老人看護学(研究コース)
    高齢者の健康問題に関する知識を広く得て、看護理論や高齢者への深い理解を背景に、高齢者が直面する健康問題や看護の課題に探索的に取り組む能力を修得する 。
広域健康看護分野

広域健康看護分野は、組織看護学、地域看護学、国際地域看護学、災害看護学、在宅看護学の5つの専門領域によって構成され、個々人の健康問題、社会の中での健康、社会の中での看護の仕組み、さらには大きな健康被害をもたらす社会の現象に対する看護について学ぶ。
これら5専門領域にはいずれも研究コースを設けている。また、国際地域看護学専門領域・災害看護学専門領域(専門看護師教育課程申請中)・在宅看護学専門領域(専門看護師教育課程認定)には高度実践看護コースを設けている。組織看護学専門領域と地域看護学専門領域には次世代看護リーダーコースを設けている。
専門領域は以下の5つである 。

  • 組織看護学専門領域
    組織看護学(次世代看護リーダーコース)
    保健・医療・福祉のシステムとマネジメント、人材開発に関する諸理論と方法を学び、看護専門職として、保健・医療・福祉の組織的課題を体系的に分析し、課題解決に向けた方略を計画・実行すると共に、よりよい看護サービス提供に向けた新たなシステムを創造・発展させる能力を修得する。
    組織看護学(研究コース)
    看護専門職として、変革の続く社会の中で看護管理に関する幅広い知識を得て、自立的に意思決定することができ、また一個人として自己の組織化の重要性を認識し看護管理の課題に探索的に取り組む能力を修得する 。
  • 地域看護学専門領域
    地域看護学(次世代看護リーダーコース)
    行政機関、学校、職場等のヘルスケアシステムに位置付く看護専門職として、人々の生活の営みの中で起こる健康問題を評価・分析し、問題解決に向けた方策を計画し、自らの能力を開発・向上させるとともに、組織の一員として関係する人々と協働し、新たなサービスやシステムを創造・発展させる能力を修得する。
    地域看護学(研究コース)
    地域社会における健康問題の予防及びあらゆる健康レベルにおける社会生活の質の追究に関する知識・理解を深め、看護の基礎的な研究法を習得し、地域看護学の課題の探索と解明に取り組む能力を修得する 。
  • 国際地域看護学専門領域
    国際地域看護学(高度実践看護コース)
    国際的視野で、世界の健康問題をとらえる。プライマリ・ヘルスケアの概念を基盤にして、特定の国や地域の特性と保健政策・保健システム等を踏まえ、地域住民の健康促進や健康問題の解決に取り組むために必要な実践的な知識や技術について探求することで、将来、国際地域看護分野の専門家として、実践において必要とした高度な能力を修得する。
    国際地域看護学(研究コース)
    国際保健・国際地域看護に関する幅広い知識を得て、国際社会における地域住民の健康促進や健康問題の解決に関する研究手法を修得し、国際地域看護の課題に探索的に取り組む能力を養う 。
  • 災害看護学専門領域
    災害看護学(高度実践看護コース)
    世界の災害状況を踏まえて、さまざまな災害時における看護の役割を探求し、災害サイクル全般にわたって、ケアニーズの高い対象に対して的確にアセスメントと介入を行い、組織的に災害対応することができる能力を修得する。
    災害看護学(研究コース)
    災害時に生じる様々な健康や生活、人々の反応について看護学の視点から探索的に解明する能力を修得する 。
  • 在宅看護学専門領域
    在宅看護学(高度実践看護コース)
    在宅看護の利用者・家族に関連する高度な専門知識・理論、技術を学び、倫理的判断・医学的判断に基づく的確なニーズの把握、看護計画の立案、サービスの組み立て・提供および地域ネットワークの構築と社会資源の開発ができる高度な在宅看護実践能力を修得する。
    在宅看護学(研究コース)
    在宅看護領域における高度な専門知識・理論・技術を広く学び、基礎的な研究手法および、在宅看護学領域で探索が必要な課題について取り組む能力を修得する 。