平成27年12月11日
グローバル、という言葉を聞いて、何を想像しますか? 県立大学には卒業後、世界を舞台に活躍している先輩方がたくさんいます。
12月3日、経営学部・山口(隆)先生の授業で桂川融己さん(以下、桂川さん)がゲストとして講義をされました。桂川さんは県大の前身である神戸商科大学商経学部経済学科ご出身。卒業後日本企業で働いたのち、ミャンマーへ。現在はさらに次なるステップへ向け、準備万端!? とのことです。
なぜ、安定安心とも言われる日本での社会人生活を捨て、グローバル社会に飛び込んだのか? 今だから思う「学生のうちにしておきたかった経験」とは? 桂川さんに伺いました。
はい、テニスに学祭にバイトに走り回っていましたが、海外経験はなかったです。あ、でも卒業旅行は海外でした(笑)!
中小・ベンチャーを中心に就活。ただ最終的には「自信のある人になりたい」と感じ、そういった人が多くいる印象を受けた生命保険会社に入社を決めました。
実は転職前の会社でも、充実した生活を送っていました。根っからの仕事人間かもしれません(笑)。ただ、購読者20万人と言う日本最大級のビジネス系メルマガがあって・・・
そうですよ(笑)。購読開始、執筆者のセミナーに参加、参加者との横のつながりから刺激を受け・・・大きなきっかけです! しかもあのセミナー、3日で30万円もしたな(笑)。あと、入社時の上司に「せめて本を読め」と言っていただき、とりあえず買った本が心にビーンとか。
そうです。メルマガや本、予定不調和な生き方をしている人との出会いから「ASEANが熱い!」とか「予定不調和を楽しむ生き方に価値がありそう!」と感じました。一方で日本の会社にいると、20年後、30年後の自分が見えてしまいます。仕事内容、地位、給与。「今の生き方を続けて、いいの?」と疑問に思ったのです。
そうです。そして、ほんの1度でも舵を切ってみる。皆さん人生が180度変わることを期待して前に進むのかもしれません。が、そんなことはありません。たった1度なんです。そのたった1度の舵取りが、時間の経過を経て、途方もない差を生む。その1度を、逃したくないと思いました。
はい! いまの経験は2年で十分(笑)。これからはさらに自分の力(フリーランス)でASEAN内を飛び回りたいです。実はこの業界で、ミャンマーで、実務経験2年以上を持つ日本人はとても少数なんです。僕を含めて2名!
本当ですよ。後輩・同業他社のメンバーは僕が辞めると知って、敵が減り喜んでるはず(笑)。ただ僕はもう次のステップを見ています。例えば、(日本対ミャンマーなど)二国間の枠を越え、ASEANを横繋ぎにしたリサーチ・プラットフォーム。
はい、今、世界経済の中心は確実にASEAN地域にシフトしつつあり、企業間で熾烈な情報争いが繰り広げられています。「よい人材はどこにいるのか」「現地採用する際の最低・最高賃金の相場は?」など、企業にとって成功のカギとなり得るデータは無限に存在します。そこで、この業種ならタイのこの人材、ただ人件費がこのくらい、一方ベトナムとなると、また、ミャンマーの場合は・・・といった多角的なアドバイスが企業に向けてできたら、より貴重な存在になれるのでは、と。この2年で培ってきた僕だからこそ生かせる人脈や知識が絶対にあるはず。と、言いつつ、何をしているかは、本当にわかりません! 格好よく(?)夢だけ語ってますが、ノープランですので。(笑)
留学!(笑)
やっぱり大事です英語! 流暢であればあるほど、ビジネスチャンスは広がりますよ! ただ注意したいのは、海外に出て「意図をどう持つか」「その先に何を求めるか」わかった上で行くこと。留学先で得るものが随分変わると思います。また、行くからには数週間、数か月の短期ではなく、なるべく1年以上の長期。
例えば3か月だったら逃げ切れますけど、1年は立ち向かわないと過ごせないですから。ミャンマーにインターンに来る学生を見ていても同様に感じます。「覚悟」が違うんですよね。
自分が勝てそうな場所を見つけてください。ASEANでは、単純作業を請け負う日系企業のASEAN内移転が増えており(オフショア開発)、人件費が上がったので次の国へ、というこの焼け畑農業的流れには非常に危機感を感じます。逆に言えば、仕事がさらにシステム化され、効率化され、ロボットに取って代わられる時代が、「今」来ても、全然おかしくない。みなさん、異文化はもちろんのこと、人工知能やロボットと、どう共存していきますか? 競争できますか? 2025年、2035年、2045年を見据え、誰にでもできそうで、自分だけにしかできないことを見つけましょう! 僕は自分にこそできる仕事を追及し、どんな時代でも誰かの助けになれる自分でいたい、そう思っています。一緒にがんばりましょう!
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兵庫県立大学はみなさんのグローバル社会への挑戦を心から応援します。
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