平成28年2月8日
グローバル、という言葉を聞いて、何を想像しますか? 県立大学には身近にある様々な機会を利用し、グローバルな体験を得ることで、さらにステップアップを誓う仲間がたくさんいます。
経営学部3回生の新庄忍さんは2015年8月から、県大の学術協定校である韓国・東亜大学校に交換留学中。半年の交換留学をもうすぐ終えようとしている新庄さんに、東亜大学校での交換留学について振り返っていただきました。
私は高校3年生の頃にK-popにハマって以来、韓国への関心が強く、独学で韓国語を勉強してきました。大学1、2回生で授業の単位もほぼ取り終わっていたので、3回生の1年間はじっくりと自身のやりたいことに取り組む時間が増えます。そこで、留学に挑戦しようと決めました。学術協定校への交換留学なので、留学をしても4年で卒業できることも魅力的で、東亜大学校への留学を決めました。
平日は9時から13時まで、語学堂(東亜大学校の語学学校)でハングル語の講座を受けています。下校後に昼食をとり、午後からは友達と遊びに出かけたり、勉強や読書をしたりします。週に一度、夕方から東亜大学校のサークルに参加しています。
語学堂では、毎日50分授業を4コマ受講します。学期の初めにレベル振り分けテストを受け、初級1,2 中級1,2 高級の5クラスに振り分けられます。初級は午後1時から5時まで、中級・高級は朝9時から午後1時まで授業を受けます。リスニング、スピーキング、リーディング、語彙、文法など幅広く学ぶことができます。授業は堅苦しいものではなく、先生や友達と世間話をしながら楽しい雰囲気で学べる点が印象的です。
1クラスは12~14人ほどです。留学生の出身は主に東南アジアー中国、台湾、ベトナム、インドネシアが多いです。少数ながらキルギスタン、ラオス、ロシアから来た友達もいます。
どの国の友達もすごくフレンドリーで、すぐに仲良くなれます。共通言語である韓国語を通して多様な国の人と接することで、様々な考えや文化に触れられることがすごく刺激的で楽しいです。しかし逆に、文化面の違いなどで時々トラブルや誤解が起きることも。待ち合わせの時間になかなか集まらないことや、互いにつたない韓国語での意思疎通をする上で、理解しあえず誤解したまま約束をしてしまうなども日常茶飯事です。
最初は慣れませんでしたが、多様な価値観や対応があるのだなぁと慣れてきましたし、言葉の上達につれ、うやむやにしないように努力もしています。
テストは1学期に中間試験と期末試験の2回行われます。授業で学んだことを振り返るテストで、TOEICの韓国語版のようなTOPIK(トピック)という試験に似せて作られるので、TOPIK試験の対策にもなります。
毎学期(約10週)、1~2回ほど語学堂の行事があります。演劇大会や、漁体験、クリスマスパーティー、「外国人の日」という語学堂の生徒が東亜大学校のキャンパスで行う文化祭のようなことも体験できます。
韓国に来たばかりの頃は、釜山ということもあり、方言でかなり苦労しました。サークルの韓国人の先輩たちも手助けしてくれるし、よく遊んでもらっていますが、最初は方言を聞き取れず、うまくコミュニケーションがとれませんでした。今では方言にも慣れ、自然に会話ができるようになりました。
韓国に来る前は、韓国の大学の授業を聴いてみたいという強い気持ちがあり、授業選択の期間に一度教養の授業に参加してみました。しかし教授も独特の方言で話されるので、韓国に来たばかりの私にとっては難しかったのであきらめました。
東亜大学校の制度では交換留学生は医学部以外の学部は聴講できるようです。
石堂グローバルハウスというキャンパス近くの寮に住んでいます。石堂グローバルハウスは2015年の夏に完成した新しい建物です。綺麗なキッチンやランドリー、浄水器もあり、不自由なく生活できる寮です。
寮と語学堂は同じ建物内にあるので、とても便利です。朝はエレベーターが登校ラッシュと化しますが(笑)、14階の自分の部屋からは5分ほどあれば教室に行くことができます。
寮の近くにはコンビニとスーパーがあり、15分ほど歩けばナンポドンという繁華街があるので買い物も便利です。また東亜大学校の周辺には学生向けの食堂やカフェなどがあります。自炊、学食、外食いずれも可能です。
東亜大学が紹介してくれた韓国人学生のチューターに相談することが多いです。韓国語ではトウミといって、私の場合、突然病院を受診することになった時や、外国人登録証の申請の時にサポートしてもらいました。韓国入国前にトウミ本人から直接連絡があり、入寮の最初の段階から事細かに説明してくれます。
私のトウミは1歳年上の女子学生でした。お互い時間があるときは一緒にご飯を食べたりしていました。その他にもサークルで出会った韓国人の友達も、相談にのってくれますし、慣れないことやよくわからない韓国の習慣等があったとしても、語学堂の先生に尋ねると丁寧に説明してくださいます。
実際韓国に来る前は、空いた時間は自習などで韓国語の勉強を熱心にするつもりでした。しかし韓国に来て感じたことは、ここでしかできないことを精一杯しようということ。機会があればできるだけ遊びに出かけて、韓国人の友達と遊んだり、サークル活動に参加したり、勉強するにしても寮にこもってするのではなく、学校の図書館やカフェでするようにしました。
国際交流のサークルに参加しています。メンバーは韓国人もいれば、外国人留学生もいて、友だちができるきっかけになりました。活動は、韓国人と外国人が一つのテーマについて討論します。月に1回イベントもあり、一番心に残っているものは、東亜大学に初めて来る留学生向けの地図作りをしたことです。韓国料理、麺料理、辛い料理などグループに分け、学生が直接足を運び、おすすめしたい飲食店をピックアップし、地図を作りました。私も店回りと日本語翻訳という形で貢献することができました。韓国人と留学生で協力し話し合い、地図を完成させたことはすごく貴重な経験になりました。
基本的には似ていると思いますが、韓国の大学生はものすごく勉強します。アルバイトをしている学生もほとんどは週末だけで、大半の学生は夕方6時まで授業を受けています。試験前には2週間前から勉強を始め、課題も多いなか、直前には徹夜で勉強する学生も少なくありません。韓国の大学では相対的に学生を評価します。○○点以上がA+といった採点方法ではなく、学生全体の成績をみて上から1、2割がA+をもらえるような採点システムになっています。また、韓国はかなりの就職難で、就職活動する際に英語は勿論、第二外国語やその他の能力も問われるといいます。そのため韓国の学生は文理関係なく大学生活で様々なことを勉強し、留学にも積極的に挑みます。
韓国での留学を経験し、考えがかなり変わったように思います。就職に関しても安定志向だった私が、世界を舞台にした仕事に携わりたいと考えるようになりました。
留学生活を通して、私のぼんやりとした夢もはっきりとしたものになり、将来の人生計画もたてることができました。
帰国してから英語に取り組むつもりです。元々、英語の勉強はあまり好きでなかったのですが、韓国に来て改めて英語の大切さを感じました。ここでは韓国語を通して様々な国の友達と関わっていますが、一つの言語をツールとして様々な国の人々と対話することの楽しさと重要性を感じたからです。夢を叶えるためにも、外国語でもコミュニケーションがとれて世界で渡り合える人間になりたいです。
私は留学を通して、素晴らしい経験と友達を得ました。親元を離れて生活することで新たに学べることも多く、何よりも私の消極的な考え方を変えてくれました。6カ月という短い期間でしたが、生涯消えることのない大切な思い出です。両親からの援助、先生方や友達の理解を得て、今こうして無事に留学できています。もし機会があるならば、是非留学をしてみてください。きっと想像以上に大きなものを得て帰国できると思います。
新庄さんのグローバル体験、いかがでしたか。グローバルな体験のしかたや目的地は人それぞれ。経験した人の数だけ出会いがあり、学びがあり、活かし方があります。
国際教育交流センターでは年に2回、東亜大学校への交換留学派遣学生を募集しています。8月末留学開始の募集は3-4月頃、2月末留学開始は9-10月頃に募集しています。
本部・国際教育交流センター(学務課内)
高阪 Kotoe_takasaka@ofc.u-hyogo.ac.jp TEL 078-794-6683