国際交流・留学

平成22年09月29日

国際交流だより 平成22年度第7号

食を通じてイタリア食科学大学の学生と交流

去る9月7日、イタリア食科学大学の学生16名とチューター2名の合計18名が本学・神戸学園都市キャンパスを訪問しましたのでその様子についてご紹介します。

この受け入れは、実践としての海外研修を重視するイタリア食科学大学が12日間にわたり、京都、神戸方面を訪れた際、経済学部・秋吉先生、木村先生が中心となり協力を行ったものです。

さて、このイタリア食科学大学はとてもユニークな大学で、“食科学”を専門とする大学として世界で初めてイタリアに設立されました。しかし、この“食科学”という言葉、聞き慣れない言葉ですが一体どんなことを学ぶのでしょう。今回の研修のコーディネーターである日本スローフード協会の石田国際部長から次のように伺いました。

「食について語れる人というのはもともと理系の人が多いんです。例えば醸造、肥料など、理系分野にかかわることが多かったからなんですが、そちらの分野だけに偏ってしまうと食を正しく見つめることができないと考えています。物の考え方、哲学や歴史、文化的要素など食には様々な要素が絡んでいる。最終的には『食というものを360度から見渡せる人を育てる』ことが目的なのです。」

【両校の学生が英語で自己紹介タイム】

その目的のとおり、現に学生たちは1年間のうち4カ月ほど海外研修旅行に出かけるそうです。世界中の生産者に出会い、生の声を聞き、実際の現場を見て食環境の問題意識について学ぶのだそうです。

この日、本学経済学部秋吉一郎教授よりツアーの説明を兼ねた兵庫県の食文化についてプレゼンテーションがありました。「そうめんはイタリアのカッペリーニのようなもの。ただ、違いは“しょうゆ”で食べるんですよ」等、日本の食をわかりやすいようにイタリアの食文化に例えながらの説明に学生たちも興味津津です。

【訪問先をスライドで説明】

【秋吉教授もイタリア語混じりで説明】

また同学部木村良夫教授からは、現在の日本の食生活の変化に伴う米の消費量の変化と問題について、そして同教授と秋吉教授が取り組まれている「Organic Rice Project(米の架け橋プロジェクト)」研究教育活動の報告がありました。
これは神戸市西区櫨谷町松本にある田んぼで地元営農組合の協力を得ながら米作りをする取り組みで、ポピーの花を田植え前の田に植えていること等を説明しました。
田植え前に花を刈って鋤き込むのですが、その際に有機酸が発生し、雑草の繁殖を抑えることができ、その上、美しい花でみんなを楽しませることができるのだそうです。

質問タイムには矢継ぎ早に様々な質問が飛び出しました。

「先ほどの説明で『ポピーの種は高いのですが・・・』とおっしゃっていましたが、種が高いのであれば、なぜそれを植えるのでしょうか。単に雑草を駆逐する為なのか、それともポピーの花は経済作物(=売るための花)として植えられているのでしょうか」
「手間がかかる上に種が高いのであれば、できる米は高く売れる品種ですか?例えば、古代米など普通の米とは違う品種で、高く売れるからこそ高価な種が購入できるのでしょうか。さもなければ、どうやって収益をだしていますか?」
「日本ではこのような有機農法生産者と従来の農法の生産者がいると思いますが現状は?また、政府の援助は?」

などなど、鋭い質問をどんどん投げかけてきます。このあたりがさすがは食科学大学の学生であり、独自の視線をもって「食」を見つめるという学校の教育が実を結んでいるのでは、と感じずにはいられませんでした。

【米の架け橋プロジェクトの現場にて】

その後、前出の西区の田んぼに立ち寄り見学したあと、垂水にある本学セミナーハウスへ。秋吉先生のゼミの学生も加わり、交流会の準備です。

この日は米粉を使ったお好み焼きと、イタリア野菜を使ったカレーを作ることに。
日本人学生が調理をしていると、やはりそこは食科学大学の学生たちです。「僕達もやるよ!」と参戦です。

【調理に加わるイタリア食科学大学の学生。三つ星レストランを辞めて入学したという学生も。】


【余った具材で巨大お好み焼きに挑戦する学生】

一緒に調理し、記念撮影をしたり・・・と両学学生ともに楽しんでいたようです。

レストランのシェフをやめ、Sustainable Agriculture(持続可能な農業)を学び農業プロデューサーになりたい、という学生は言います。
「日本に1週間すでに滞在しているけれど、いろんな発見があって、食だけでない食文化について考えさせられる。例えば「お箸」について。日本では自分のお箸をとるだけでなく、食事を共にする人に手渡すという心配りをみて素晴らしいと思った。食べることに関わる作法も学んでいきたいと思う。」

【交流会の様子。イタリアの歌を歌う学生も登場しました。】

卒業後は食にまつわるスペシャリストとして評論家、コンサルタント、プロデューサーやレストランを起業するなどいろんな夢がある学生たち。つかの間の交流でしたが、本学の学生も積極的なイタリア食科学大学の学生に刺激を受けていたようです。

※イタリア食科学大学は本学訪問後、龍野のヒガシマル醤油、姫路の田宴アート、夢前夢工房、神戸市中央市場、有馬温泉、神戸ビーフのマルヨネ、篠山の黒豆の館、立杭登り窯、神戸のUCCコーヒー博物館、酒蔵などを訪問しました。

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