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式辞など

平成29年度入学宣誓式 学長式辞

学長式辞

本日、兵庫県立大学に入学された学部1,329名、大学院468名、合わせて1,797名の皆さん、ご入学誠におめでとうございます。本学の構成員一同、心より歓迎し、大変喜んでいます。これまでの皆さんの努力に敬意を表しますとともに、皆さんを支えてこられましたご家族や関係者の皆様にも心からお祝いを申し上げます。

また、本日は大変お忙しい中、本年4月から私共の公立大学法人の理事長にご就任された兵庫県知事井戸敏三様、兵庫県議会議長藤田孝夫様をはじめ多数のご来賓にご臨席を賜っています。ご来賓の皆様方には厚く御礼を申し上げます。

本学の設立団体である兵庫県は、本年7月12日に県政150年目を迎えます。年号が明治と改まる慶応4年、西暦1868年に誕生し、初代の知事には伊藤俊輔、後の初代総理大臣伊藤博文が就任しました。
その後、明治4年の廃藩置県、二度にわたる府県統合を経て、明治9年に、ほぼ現在の姿の兵庫県が形成されました。旧国名で言えば、北から但馬、丹波、播磨、摂津、淡路の五国からなり、北は日本海、南は瀬戸内海と太平洋の三つの海に面し、地域により気候・風土が全く異なることから、日本の縮図と言われています。

このような多様性に富んだ兵庫県の誕生は、明治新政府が、同じ1868年に開かれた神戸港を発展させるために、後背地として豊かな農業国であった播磨や但馬などを組み入れたことに依ります。開港以来、ミナト神戸は文明開化のショーウインドー、日本近代化の象徴となり、国際都市として大いに発展しました。神戸港も今年開港150年を迎えています。

兵庫県は、元来古い歴史と豊かな産業に恵まれていますが、神戸開港が起爆剤となり、県民は進取の気象に富み、世界に開かれた文化が根付く、わが国屈指の先進的工業県になっています。

入学生の皆さんは、このようなバックグラウンドを持つ地で、兵庫県立大学を足場に世界に向けた新しい活躍の舞台に上がるための能力を磨こうとされています。私達は、そのことを心から歓迎すると共に、本学において、皆さんの青春時代が一層その輝きを増し、実り多きことを願っています。

太田学長

さて、兵庫県立大学は、平成16年、当時の神戸商科大学、姫路工業大学、兵庫県立看護大学の3県立大学が統合、発足して13年間が経過しました。歴史が一番長い神戸商科大学の設立から数えて88年になります。この間、経済界、産業界、学界、医療分野など各界へ多くの優秀な人材を送り出し、多数の先輩方が企業や大学などでリーダーとして活躍されています。これまでの卒業生は総勢70,222名にのぼっています。

本学は、現在6学部、14大学院研究科、4附置研究所、附属中学・高等学校を擁する全国屈指の公立総合大学となっています。本年4月には14番目の大学院研究科として、「減災復興政策研究科」を開設しました。阪神・淡路大震災の経験と教訓や20年以上に及ぶ復興の知見等を生かして、減災社会や復興に貢献する専門人材の育成を目指しています。本学は、これまで社会の進展やニーズに応えて、グローカルな視点に基づく新規な大学院研究科、専門職大学院、計算科学や放射光科学などの先端研究に特化した大学院研究科を設立してきています。これも、長い歴史と伝統の下で、経済、経営、工学、理学、看護学などの基盤的な学問分野をしっかり守り、発展させてきたからに他なりません。

この意味において、本学は、本来的に高い研究ポテンシャルと高度な教育推進能力を有しています。加えて、大型放射光施設SPring-8やスーパーコンピュータ「京」等の世界最先端研究施設の隣接地にキャンパスがあり、また、独自に中型放射光施設「ニュースバル」や口径2メートルの国内最大の「なゆた望遠鏡」など、多くの高度な大型研究施設・設備も保有しています。人と自然の博物館や淡路景観園芸学校、人と防災未来センターなど兵庫県施設とも連携しています。これら諸施設・設備の有効活用や関係機関との有機的連携ができる、先進的な教育研究環境も具備しています。さらに、各キャンパスは、先ほどご紹介しましたように国際都市神戸をはじめ世界に開かれた兵庫の各地に位置しており、多彩な兵庫県全体をキャンパスとして、特色ある教育研究のグローバル展開を図る適地にあると言えます。

このように恵まれたワクワクするような環境の中で、皆さんは学生生活を送ることになります。ここで、私から皆さんに考えて頂きたいことについていくつか話をさせて頂きます。

言うまでもなく、大学で皆さんが第一義的に取り組むべきことは勉学に励むことであります。大学は、学問の鍛錬の場であり、またその真理を究める場でもあります。このような意味において、ハイレベルで難解な内容を含んだ科目も沢山あります。学びを進める中で、皆さんの理解、能力が及ばない内容に出くわすことがあるかもしれません。しかし、そこで挫けず、課題として常に心に留めて、前へ前へと進んで下さい。その努力を続けていると、理解不能で苦しんでいた事柄が、ある日、他の講義や図書館で手にした書物などによって、突然霧が晴れるように理解でき、一気に展望が開けるものです。このようなブレークスルーの積み重ねが、学問を習得するということでもあります。辛抱して努力することが何よりも大事です。

また、何のために学ぶのかということもよく考えて頂きたいと思っています。最近の世界情勢をみると、連帯から分断へ向かう流れが加速しているように見受けられます。異文化の理解なくして多文化共生はあり得ません。皆さんは、将来、高度な専門知識をもつ職業人、いわゆる「知」のプロフェッショナルとなって日本の社会を、そして世界を支えていくことになります。そのような皆さんには、常に人類社会の幸福と発展に力を尽くすのだという高い志を持って、大学での勉学に励んで頂きたいと願っています。

第二に、多くの掛け替えのない友人と出会って下さい。一般に、大学時代に得た友人は生涯を通しての友になると言われています。教室や図書館などで出会う勉学の友、学部の枠を超え、ひとつの目的に向けて青春を共有する部活やサークル活動などで出会う友人、下宿など日常生活の中で助け合う友人、様々な形で多くの学友に出会うことでしょう。このような友人と、勉学のこと、社会のこと、政治のこと、あるいは、人生観や将来のこと、恋の悩み、もろもろのことを話し合い、議論して下さい。切磋琢磨することがお互いを成長させ、真の友情を深め、何物にも代え難い皆さんの大きな財産となります。

第三に、大学キャンパス内にのみとどまらず、ボランテイア活動や海外留学などにも目を向け、積極的に社会にかかわり、世界へ飛び出して下さい。いま社会は、若者の力を必要としており、積極的な関与を強く求めています。若い情熱に基づく正しい判断、批判の目を養って下さい。若い力が関与しない社会は、ダイナミクスを失い、いずれ衰退していく運命にあります。

学長式辞

ここに居られる学部入学生の中には、かなり多くの方が、昨年改正された公職選挙法の下で18歳選挙権を行使され、参議院選挙を経験されたのではないでしょうか。この選挙に18歳で参加された方は、選挙法改正の恩恵を受けた最初の世代として歴史に残ることでしょう。きっと、社会のこと政治のことを真剣に考えて投票されたことと思います。今後も、このことを忘れず、選挙には必ず参加するようにして下さい。

いま、世界は、情報通信技術、いわゆるICTのドラスティックな発展により、IoT、AIという言葉に象徴されるように、第4次産業革命に突入しています。あらゆるモノに、動物やヒトまで含めて、センサーを取り付け、そこから得られるビッグデータを、人工知能で分析、解析し、最適な生産活動、社会活動に繋げようとしています。人間関係まで含めて、社会の制度や在りようが大きく変わろうとしています。さらに、およそ4半世紀後には、地球上の全人類の知能を超える究極のコンピューター「AGI」(Artificial General Intelligence)が一般に普及するようになる、技術的特異点、いわゆるシンギュラリティに到達するという予測もあります。このような社会をリードし、その中で生きていく皆さんには、これからの社会の在りようについて積極的に考え、関与して頂きたいと強く思っています。

第四に、皆さんがこれから送る学生生活そのものに目を向けてみたいと思います。大学時代は、人生の中で他者からのコントロールをほとんど受けない唯一の時代であるといわれています。大学は皆さんをひとりの大人として扱い、全てを皆さんの自己責任で実行することを求めます。自己管理/自己規律をきちんと行い、学生生活を持続させなければ、途中で破綻してしまいます。自由であるだけに、余計に皆さんの責任は重大です。

加えて、学生としての品位、品格を保持することが大切です。兵庫県立大学の学生として、社会常識は言うに及ばず、学生の本分をわきまえて行動することが、地域住民の方々からも愛される、開かれた大学の第一歩となります。皆さん方一人ひとりが、本学の一構成員として、常に兵庫県立大学の名誉を背負っているということをいつも念頭において頂きたいと思います。

学生と卒業生は大学の宝であり、私達の同志でもあります。新たに加わって頂いた同志の皆さん、私達と一緒に、地域に愛され、世界に羽ばたく兵庫県立大学をさらに高めていこうではありませんか。

最後になりましたが、新入生の皆さんが、明るく、楽しく、未来を見据えて、活き活きとした学生生活を送られることを心から祈念して、私のお祝いと歓迎の言葉とします。

平成29年4月5日
兵庫県立大学長 太田 勲

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