□建築材料の熱・湿気特性 □ ただ今作成中!

 省資源・省エネのためには建築材料の力を最大限に引き出す必要があります。木材などの熱・湿気の特性を改善し、その利用や評価方法を研究します。

1.調湿について

 木材は呼吸をおこない、
調湿力に優れていると言われ、特別な能力があるような印象をもたれることがあります。しかし、吸放湿の視点からすれば、多孔質(表面及び内部に多くの細孔を有するもの)で湿気容量の大きい吸放湿性材料の一種にほかなりません。
 多孔質材料の「吸放湿力」というのは、ただ単に材料の吸放湿によって急激な
湿度変動を抑制する作用のことであり、材料自体には、例えば「相対湿度50 %に調節する」というような能力はありません。しかし、この「吸放湿力」は湿気の観点からは大変優れたものであり、しかも上手に使えば機械的なエネルギーを使うことのない省エネ的な能力があります。
 そのため積極的にその活用が検討されています。その具体的な例として、美術館や博物館においては急激な湿度変動を嫌う書画などの収蔵品のために、収蔵庫の壁・床・天井の全ての面を柾目のスギ板などで仕上げたり、また、含湿量に温度依存性がほとんど無いことから、一般的な居住空間でも表面結露防止のための材料としても使用を検討されています。 
もっと詳しい内容はこちら→著書:「熱と環境Vol.46」ダウ化工業