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■ 「湿度」はどうもワカラン!
 「湿度」がどうにも解りにくいのは、温度(℃)と違って直感的に理解しにくいことにあります。その原因は、多分に「相対湿度(%)」の定義の解りにくさにあるようです。
そこのところを説明しましょう。
●空気が含むことのできる水蒸気(湿気)の量は温度が高くなると多くなる。
 湿度は空気に含まれる水蒸気(湿気)の量を表しますが、空気の温度が高くなると含むことができる量は格段に多くなります。
 つまり、温度が高いほど、たくさんの水蒸気を含むことが可能になるわけです。温度が10℃高くなると、およそ2倍の量を含むことができます。(右図)
●普段使っている「相対湿度(%)」は水蒸気の割合を示すもの。
 温度(℃)が高くなると、含むことができる水蒸気が多くなるわけですが、私たちが普段使っている湿度(正確には相対湿度)は、その温度で含むことのできる最大量に対して、実際に含まれている量の割合を示しています。
例えば、含むことができる最大量の半分しかなかったら50%ですし、ほどんど最大量であれば100%となります。(右図)
 相対湿度はあくまで割合(%)です。水蒸気の絶対的な重さ(g)を表しているわけではないことを誤解しないようにして下さい。
●湿度(%)が上がったり下がったりするのは、多分に温度(℃)が変動するからです。
 通常の空気中の水蒸気量(g)は、水蒸気を発生する原因(雨、加湿器、人の呼気など)や減らす原因(除湿器、吸湿剤など)がある場合を除いて、それほど増えたり減ったりはしません。
 例えば、晴天日の外気は、ほぼ1日中水蒸気の絶対的な量(g)は変動しません。昼間、気温が上がるので、相対的に湿度が下がり、夜間になると気温が下がるので、相対的に湿度が上がるのです。

 このように、相対湿度(%)は温度(℃)の影響を非常に強く受けるということを理解しておく必要があります。 >>>「結露の話へ」
●湿度(%)の変化は、「空気の地図」で考えることが大切
 温度(℃)は温度計で見るとおり、上がったり下がったりという直線的な変動ですが、相対湿度は、温度の影響も受けるので、平面的な変動を考える必要があります。
 このあたりがちょっと難しいんですね。ですから湿度(%)を見るときは、同時に温度も見て、頭の中で右の図のような空気の状態の地図(空気線図といいます)を思い浮かべて、その大体の位置を想像してみることが大切です。そうすると「結露」の防止などに非常に役に立ちます。