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with コロナ:妊産婦の生活での不安や悩みに助産師が答えます

新型コロナ感染症が流行するなか、妊産婦さんが抱える生活の中での「予防や備え」「授乳」「栄養」「運動」「睡眠・休息・娯楽」「母親学級」に関する不安や悩みについて、助産師が答えました。

予防や備えについて

Q:妊婦です。コロナを予防するには、日々の生活の中でどのようなことに気をつけたら良いですか?

A:一般的に、妊婦さんが肺炎にかかった場合には、重症化する可能性があるため、感染防止対策がとても重要です。緊急事態宣言が解除された今でも、【新しい生活様式】を実践していくことが大切です。妊婦さんの感染症対策は、一般的に成人に推奨されている対策と基本的には同じです。

新型コロナウイルス感染症予防として、
・厚生労働省「新型コロナウイルス感染症 (COVID-19)対策~妊婦の方々へ~
World Health OrganizationI’m pregnant. How can I protect myself against COVID-19.
World Health OrganizationCoronavirus disease (COVID-19) advice for the public.
厚生労働省「新しい生活様式」
などが紹介されています。

たとえば、
①十分な睡眠とバランスの良い食事をとり体調を整えましょう。
②水と石鹸でこまめに手を洗いましょう。(特にご帰宅をしたらまずは手や顔を洗いましょう。)
③不要不急の外出は出来る限り避けましょう。外出時、屋内にいるときや会話をするときは、症状がなくてもマスクを着用しましょう。密閉空間、密集場所、密接場、という3つの「密」が同時に重なるような場所を避けましょう。
④お部屋を換気しましょう。最低1時間に1回、5分から10分の換気が大切です。できれば、大きな窓を1カ所開けるよりも対角線上にある窓を2か所開けるほうが、より早く換気できます。
⑤人との間隔は、できるだけ2m (最低1m)空けましょう。
⑥ご自身とご家族のお熱を1日2回計るなど、健康観察を続けましょう。
⑦自分の目、鼻、口に触るのを止めること、触る前には必ず手を洗いましょう。 などが挙げられます。

妊婦さんがしっかりと感染予防をすることは、ご自身はもちろんのこと、赤ちゃんやご家族など大切な人の命を守ることにも繋がりますので、出来ることからはじめていきましょう。

 

Q:今妊娠9週なのですが、コロナのこともあり里帰り分娩をするか迷っています。

A:これまで、日本産婦人科学会・日本産婦人科医会では緊急事態措置が発せられた時には、帰省(里帰り)分娩を控えるようにお願いしていました。緊急事態宣言の解除後であっても、新型コロナウイルスの再流行やそれ以外の感染症流行に備えた「新しい生活様式」が求められています。現時点でも長距離移動は感染リスクの高い行為だと考えられていますので、妊婦さんの里帰り分娩はできるだけお控えいただきたいと思います。しかし、妊婦さんによっては育児サポートなどの側面や諸事情により里帰り分娩を余儀なくされる場合もあるかと思います。その場合は、個別に医学的安全性について、十分健診担当医や分娩医療機関とご相談いただいた上で判断して頂くことが、安全な妊娠・出産に繋がります。

詳しくは、公益社団法人日本産婦人科学会「妊婦の皆様へ」をご覧ください。

 

Q: 産後2カ月の赤ちゃんがいます。もし家族に発熱など新型コロナウイルス感染症が疑われる場合、日々の生活の中でどのようなことに注意をしたら良いでしょうか?

A:ご家族に新型コロナウイルス感染症が疑われる場合、家庭内でご注意いただきたいことの8つのポイントが、一般社団法人日本環境感染学会「家庭内でご注意いただきたいこと~8つのポイント~」で紹介されています。

たとえば、
①部屋を分けましょう。
②感染者のお世話はできるだけ限られた方で。
③マスクをつけましょう。
④換気をしましょう。
⑤手で触れる共有部分を消毒しましょう。
⑥汚れたリネン、衣服を洗濯しましょう。
⑦ゴミは密閉して捨てましょう。

感染が疑われるご本人は、外出を避け、相談・受診の目安にしたがって居住地域の帰国者・接触者センター(地域により名称が異なることがあります)にご相談ください。お子さんの感染のほとんどは家庭内で保護者からうつったものです。特に2歳未満のお子さんは、新型コロナウイルス感染症に罹った場合、比較的重症化する傾向がありますので、感染させないよう注意が必要です。そのため、ご家族やお子さんの熱を毎日測るなど、健康観察を継続してください。お子さんの場合は、発熱、乾いた咳など大人と同じ症状を認めることもありますが、鼻水や鼻づまりなどは比較的少ないとされています。一方、原因不明の発熱が続き、呼吸が苦しい、食べたり飲んだりできない、ぐったりしているなどの様子が見られるときは、さまざまな病気が考えられますので速やかに医療機関を受診してください。子どもは、正確に症状を訴えられないことに注意をしてあげてください。

お子さんについては、公益社団法人日本小児科学会「新型コロナ感染症に関するQ&Aについて」をご参照ください。

 

Q:1歳の息子の母親です。もし、今後私と夫がコロナに罹ってしまったら、子どもはどうすればよいのでしょうか?

A:厚生労働省は、両親が入院した場合の子どもの保護について、基本的には親族間で、という姿勢です。4月10日に自治体に向けて出した通知では親族等による保護が難しい場合には児童相談所への相談も想定となっています。

日本小児感染症学会理事長の尾内一信・川崎医科大学教授は、今からできる備えとして、両親が感染した場合のサポート役を親族間であらかじめ話し合っておくことをお勧めしています。その際は、まずは若い世代の人を検討し、祖父母に頼る場合は、周りが祖父母をサポートして疲れないよう気を付けるなどを伝えています。他にも、子どものアレルギー、平熱、体質や保育園等の連絡先などを紙にまとめておき、家族やサポート役と情報共有をしておくことが大切です。今のうちから、ご家族内で話し合いの機会をもつなどの備えをしておくと良いと思います。

詳しくはこちらをご覧ください。

朝日新聞DISITAL親が感染したら子どもは誰に?今から備えておくことは

 

授乳について

新型コロナウイルス感染症が流行する中、母乳育児について悩んでいる方もおられると思います。皆さまの住む地域の新型コロナウイルスの感染状況や最新の情報を医療者に確認し、ひとりで悩まずに、ご家族とかかりつけの医療施設の助産師や医師などの医療者とともに一緒に考えていきましょう。

Q:母乳で子どもを育てています。新型コロナウイルス感染症が流行していますが、授乳は続けた方がよいですか?

A:母乳は殆どの乳児にとって最良の栄養源です。それだけでなく、母親が持つ抗体が母乳を介して子どもに運ばれるので免疫力が高まります。母親が健康で母乳育児を進めている場合は、子どもの健やかな発育と将来の病気の予防のためにも母乳で育てましょう。

 

Q:新型コロナウイルスに感染した場合、母乳は続けられますか?

A:ユニセフ(UNICEF)、母乳育児医学アカデミー(Academy of Breastfeeding Medicine)、世界保健機関(WHO)および米国疾病管理予防センター(CDC)などの国際機関によると、正確なことはまだよくわかっていませんが、現時点で新型コロナウイルスに感染した女性の母乳からウイルスが検出されたという報告はありません。母乳のメリットを踏まえ、子どもにウイルスを撒き散らさないよう、手洗いやマスク着用など必要な感染予防策を行いながら母乳を続けてもよいとしています。ただし、子どもに触れることや咳を介して子どもにウイルスを感染させる可能性があるため、日本小児科学会日本新生児成育医学会などの国内の学会は、直接母乳を吸わせることを避け、母親が解熱し症状が消失すれば手洗い等を行った上で搾乳し、その搾乳した母乳を健康な人に哺乳瓶で与えてもらうことを勧めています。感染予防をおこなった上で授乳を続けるか、搾乳した母乳または人工乳(粉ミルクや液体ミルクなど)を健康な誰かから与えてもらうのかは、家族や医療関係者と相談して決めていきましょう。

 

Q:搾乳をしたり、哺乳瓶で母乳を与えたりする際に気をつける点はありますか?

A:新型コロナウイルスに感染した母親が搾乳器や母乳の保存容器、授乳の用具などに触れてウイルスが付着することにより、子どもや他の人へ感染させてしまう可能性があります。搾乳の手順はいつもと同じですが、授乳前の手指の消毒とともに搾乳の用具や容器も消毒し、常に清潔を保ちましょう。いつもしている清潔を保つ行為をより丁寧に、念入りにしていきましょう。

※母乳に関する最新の情報については、皆さま住む地域の新型コロナウイルスの感染状況や最新の情報を医療者に確認してください。

 

Q:子どもが哺乳瓶の乳首を嫌がります。他に授乳できる方法はありますか?

A:子どもが哺乳瓶の乳首を嫌がったり、災害のような緊急事態の時に哺乳瓶や乳首などが直ぐ手に入らなかった場合などには、スプーンやコップを使い授乳ができます。方法については動画でも確認できます。インターネットで「コップ授乳」「スプーン授乳」で検索すると授乳方法の動画を視聴できます。

紙コップ授乳
スプーン授乳とコップ授乳

 

Q:新型コロナウイルスに感染し、母乳を子どもにあげられない時期があったとしても、母乳を再開できますか?

A:新型コロナウイルスに感染し治療中で母乳を子どもにあげられない時期があったとしても、その間搾乳を続けていけば治療終了後に授乳がスムーズに再開できます。体調と乳房の張り具合をみながら目安として、乳房マッサージとともに、手か搾乳器を使いながら24時間で810回の搾乳を続けていきましょう。

 

栄養について

Q:夫と二人暮らしの妊婦です。新型コロナウイルスに感染しないためにはどのような食事を心がければよいでしょうか。

A:妊娠されている方は、免疫力を高めるために「妊産婦のための食事バランスガイド」を参考にバランスの良い食事がお勧めされています。

それに加えて、新型コロナウイルス感染症流行中の栄養のアドバイスとして
World Health Organization「COVID-19アウトブレイク中の成人への栄養アドバイス」
・日本栄養士会「新型コロナウイルスの状況下、今、栄養指導に必要な一般生活者へのアドバイス」
などが報告されています。

たとえば
①毎日、新鮮で加工されていない食品を食べる
・果物、野菜、豆類、ナッツ類、全粒穀物、および肉、魚、卵、牛乳などの動物性食品を摂取する。
・軽食には、砂糖、脂肪、塩分の多いものではなく、生野菜と新鮮な果物を選ぶ。
・野菜や果物には手を加えすぎない(重要なビタミンが失われてしまうことがあるため)。
・缶詰や乾燥野菜、ドライフルーツは、塩や砂糖が添加されていないタイプを選ぶ。

・水は生命にとって不可欠。血液中の栄養素や諸成分を運搬し、体温を調整し、老廃物の除去などにかかわり、関節のクッション機能にも関与する。
・毎日810カップの水を飲むようにする。
・摂取するのは水が最適だが、レモンジュース(水で希釈した無糖タイプ)、お茶などの飲み物、または果物や野菜をジュースとして飲むのも良い。ただし、過剰にカフェインを摂取しないよう注意する。また、甘味料で加工されたフルーツジュース、シロップ、濃縮果汁、炭酸飲料など、砂糖を含んでいる飲み物も避けること。

・飽和脂肪ではなく、不飽和脂肪を摂取する。飽和脂肪は、脂肪の多い肉、バター、パーム油、ココナッツオイル、クリーム、チーズ、ギー、ラードなどに含まれる。不飽和脂肪は、魚、アボカド、ナッツ、オリーブオイル、大豆、ヒマワリ油、コーンオイルなどに含まれている。
・赤身の肉ではなく、低脂肪の白身の肉(例えば家禽)と魚を選ぶ。
・加工肉は脂肪や塩分が多いため避ける。
・牛乳や乳製品については、なるべく低脂肪タイプを選択する。
・工業的に生産されたトランス脂肪を避ける。トランス脂肪は、加工食品、ファーストフード、菓子、フライ、冷凍ピザ、パイ、クッキー、マーガリン、スプレッド(パンなどに塗るもの)などに多い。

・料理の際、塩および高ナトリウム調味料(例えば醤油、魚醤)を使いすぎない。
1日の塩分摂取量を5g(小さじ約1杯)未満とする。塩分と砂糖が多い食品(菓子など)は避ける。
・ソフトドリンクやソーダ、およびその他の砂糖を多く含んでいる飲料(フルーツジュース、濃縮果汁、シロップ、フレーバーミルク、ヨーグルトドリンクなど)の摂取を制限する。
・間食をとるなら、クッキー、ケーキ、チョコレートなどの甘いもののかわりに、新鮮な果物を選択する。

・家で食事をすることで、他人と接触する確率を抑制でき、COVID-19に曝される可能性が低下する。咳やくしゃみをしている人の間には1メートル以上の距離を保つべきだが、レストランやカフェのような混雑した環境では、それが可能とは限らない。
・感染している人からの飛沫は、店舗スタッフや他の来店客の手、ものの表面に付着する可能性がある。多くの人々が行き来している混雑した環境においては、そこにいる人々の手やものの表面が十分に洗浄・消毒されているとは限らない。

 

運動について

Q:自粛生活やリモートでの仕事となり、外に出る機会が減りました。家でやることも多く、運動をする時間をなかなか作ることが出来ません。新型コロナウイルス感染症のことを考えると、ジムに通うことや外に出る不安があります。どうしたらよいでしょうか。

A:外出自粛要請を受けて、運動不足になり、 体重が増え気味の妊婦さんもいらっしゃると思います。 妊娠中の過度な体重増加は、お母さんとお子さんの合併症の原因になりこともあります。 家にいる時でも、家事をしながらできるエクササイズや、簡単な運動を紹介している動画も多くありますので、無理をしないで、できることから楽しく行いましょう。

おうち時間でできるお産直前までの体づくり【東京都助産師会】
妊娠中の運動はしていいの?
助産師が「今から見直せる夫婦関係・体づくり・育児」について話してみた
妊娠中の運動:お家でもできる簡単な運動やってみた

 

Q:妊娠中に運動をすることによるメリットと注意点を教えてください。ちょうどよい運動量とはどれくらいですか。

A:一般的には、妊娠中に少なくとも週に23回の有酸素運動(エアロビック・エクササイズ)を行っている妊婦では、早産率を増加させずに身体機能を増進・維持させるために、定期的な有酸素運動を推奨しています。特別な合併症がなければ1日に30分以上の運動を週に数回行うことができます。

運動は大きく以下の3つのことに役立ちます。
① 体力維持
② 心肺機能向上
③ 体重コントロール
妊娠中の適正な体重コントロールは、巨大児(4kg以上の赤ちゃん)の出産によるトラブルを回避したり、帝王切開を減らせたりといったメリットがあると考えられています。体重コントロールを指導された際、食事を減らす方も多くいらっしゃいますが、「食べるものを減らすのではなく、定期的な運動で体重コントロールする」ことがより理想的です。運動により出産時や産後に必要や体力をつけることもできます。

自粛生活や外出を控えていることにより、今までよりも体を動かす量は減っているかもしれません。妊娠中に運動するメリットと注意点をふまえて、自分に合った運動をすることをお勧めします。日常的に運動をされている方や、リモートワークの方、妊娠の時期(初期のつわりや妊娠中期・後期)などに応じた運動ができると良いでしょう。

妊娠経過が順調であれば、妊婦でも毎日の生活に運動は取り入れたほうがいいといわれています。気分転換もかねて、3蜜(密閉・密集・密接)を避け、マスクの着用や手指消毒を行い、熱中症に注意しながら、人手の少ない時に買い物や散歩をすると良いですよ。

 

Q:自粛生活により運動量が減ったからか便秘がひどいです。便秘に良い運動はありますか。

A:妊娠中は自粛生活に限らず、ホルモンの影響や、お腹が大きくなることで腸を圧迫し腸の動きが悪くなるため便秘に悩まされがちです。食事による解消法もあると思いますが、便秘を解消するための運動なども紹介されていますので、お家で実践してみましょう。

運動は一回に長時間やるのではなく、少しの隙間時間や子どもと一緒にできる運動を取り入れると毎日続きやすいと思います。自粛生活の中、妊娠や育児をされているだけですでに頑張り度は100点満点です。それ以上頑張りすぎてストレスになるのではなく、自分に合った運動を取り入れることで、気分転換になるような方法を見つけられると楽しいですよ。毎日少しずつ続けることは、出産や産後の体力をつけ、さらに自信につながると思います。

 

睡眠・休息・娯楽について

Q:新型コロナウイルス感染症の流行から、よく眠れなくなってしまいました。妊娠中なので心配です。

A:National Sleep Foundationから「新型コロナウイルス流行時の睡眠ガイドライン」、「妊婦さんのための睡眠のヒント」、「妊娠があなたの夢に与える影響」が紹介されています。

たとえば、「新型コロナウイルス流行時の睡眠ガイドライン」では、

などが挙げられています。

また、「妊婦さんのための睡眠のヒント」には、

などが挙げられています。詳しく知りたい方は、リンクをご参照ください。

 

Q:妊娠中ですが仕事は休めません。感染しないかとても不安です。

A:厚生労働省では、働きながら妊娠・出産を迎える方への制度や、新型コロナウイルス感染症対策が講じられています。また、お母さんや赤ちゃんへの影響について不安を抱えられている妊娠中や産後の方は、通勤緩和や勤務時間短縮等の措置として「母健連絡カード」の利用ができます。妊婦健診等の際に、主治医等に相談してみましょう。

 

Q:自粛生活の中でおすすめの妊娠中の過ごし方はありますか。

A:妊娠期間は、お腹の中の赤ちゃんと過ごせる特別な時間ですが、あっという間に過ぎてしまいます。以下からご自分にあったものを選択してみてください。

 はじめは週に1回くらいから、ポジティブなことを含めた内容で妊娠中の日記をつけることは、妊娠中の記録になるだけでなく、自分の生活を振り返り、妊娠期の情報源や生活の楽しみになる(中村, 2009)と言われています。自粛生活で変化のないような些細なことでも、記録することで変化が見えるかもしれません。

 マタニティフォトを撮影することは、胎児との絆を結び、妊娠への満足を出産へ臨む力とする(岸本, 池内, 2017)と言われています。日々変化しているお腹の写真を同じアングルで撮影すると大きさの変化がわかります。胎動がはじまったら、動画で胎動の様子やお腹に話しかけてる様子を撮影すると、成長したお子さんと振り返るのが楽しくなるかもしれません。

 お腹の中の赤ちゃんは音刺激を感知し、両親や兄弟の声等の身近な安心できる音によく反応する(丸茂 他, 2017)と言われています。静かな中で、目に見えたものや感じたものについて赤ちゃんに話しかけ、その反応を感じてみてください。また、妊娠中の絵本の読み聞かせは、胎教に良い効果がある(伊藤, 2011)と言われています。感じ方や受け取り方は様々ですので、ご自分が心地よいと感じそうな絵本を選んでみてください。

 妊娠後期から出産までの時期に自宅でリラックスできる音楽を聴くことは、気分や感情の改善に加え、睡眠状態の改善や分娩所要時間の短縮が得られる可能性がある(辻, 福田, 横山, 2014)と言われています。ネット上にもたくさんのリラックス音楽が特集されています。

 出産や育児にまつわる本や漫画、映画は、妊娠前とは違った感じ方ができるかもしれません。眼を長時間使った時には、遠くを見る、ホットパックする等、眼のケアをしてあげましょう。

 出産すると赤ちゃんのお世話で忙しくなります。必要なものをいつ揃えるのか書き出してみましょう。また、近隣の子育てサービスや保育園等の出産後に向けた情報収集をしておきましょう。

 

母親学級について

Q:新型コロナウイルス感染症の流行で母親学級が中止となってしまいました。どのように情報を得れば良いでしょうか。

A: 東京都助産師会では、様々なコンテンツの母親学級を配信しています。また、不明な点はかかりつけの病院のスタッフに質問してみるとよいでしょう。

 

参考文献

・中村康香. (2009). マタニティダイアリーを妊娠初期から妊娠末期に継続的に使用した効果について. 母性衛生, 50(1), 42-48.
・丸茂元三, 庄子巳菜美, 斎藤花梨, 阿部一也, 大橋浩文, 石田友彦. (2017). 聴覚と胎児行動の検討. 産婦人科の実際, 66(5), 649-656.
・伊藤由美. (2011). 母親による胎教の動機づけとしての絵本の読み聞かせにおける育児不安への影響. 母性衛生, 52(2), 337-344.
・岸本優妃, 池内和代. (2017). 妊婦がマタニティフォトを撮ることの意味 妊婦の自己像に焦点を当てて. 母性衛生, 58(3), 185.
・辻理恵, 福田早苗, 横山美江. (2014). 妊娠後期の妊婦におけるリラックス音楽聴取の睡眠及びポジティブ感情効果. 日本疲労学会誌, 9(2), 30-41.

 

作成 地域ケア開発研究所
   協力研究員(谷本美保子、鈴木聡子、佐藤真奈美、周東美奈子、坂東早紀子)