平成30年10月3日
授業は、身体や頭を使った楽しいゲーム・クイズから、考えさせられるディスカッション・ディベート・グループワークまで様々なアクティビティが用意され、県大参加者は飽きることなく英語漬けの日々を過ごしました。
1セッション5日間のうち、1日は学外活動。奈良や京都、有馬温泉、ハーブ園やいぶきの森など、各クラスで案を出し計画を立て、スペシャルなOne Day Tripを楽しみました。
ほんの5日間のキャンプですが、このプログラムに参加することで、視野が広がり、自己の更なる可能性を見出し、ステップアップを図っていく先輩方がたくさんいます。
この度、このキャンプへの参加が3回目となる角田豊さん(日程①8月7日~11日:姫路工学キャンパスで参加)に、ご自身の体験から、今年のキャンプの様子、キャンプの魅力などについて、自由に紹介いただきます。
今回のオックスブリッジプログラムを含めて三度参加しましたので、この素晴らしいプログラムについて学生の視点から感想などをお伝えしたいと思います。
第一に、このプログラムの良いところは、英語をしゃべらざるをえない環境に身を置けることです。座学もおろそかにできないことは事実かもしれませんが、私は座学よりも実際に会話をすることが一番重要であると考えています。
実際に話すことで、仮に拙い英語であっても内容を伝えることはできるということが分かれば、それ以降の姿勢は劇的に変わると思います。
今回の私のクラスのメンバーにも、はじめは英国学生の言葉がほとんどわからないと言っていた人が数名いました。最初の頃に、聞き取れた単語はあったか?と彼らに尋ねたら「パスタ!」と元気よく答えてくれました(笑)。
しかし、彼らは積極的に英語で話しかけ続けることで、4日目に行われた校外学習の移動中や、その後の夕食会などでも何の問題もなくそれぞれ個人で英国学生と会話ができるようになっていました。一部ではありますが、 その会話の内容は専門ではない心理学の話でした。
そんな話を、通訳を介さずに話せるまでに英語に親しんでいました。彼らはこの一週間で劇的に知識を蓄えたというより、失敗を恐れる必要がないこと、文法などを正確に用いる必要のないことを理解したと言っていました。
そういった姿勢を学ぶ、実践することの導入として、このプログラムは非常に有意義なものであると私は思います。
次に、座学では習わなかったような口語表現、あるいは砕けた英語を体験できる点が挙げられます。
耳が英語に慣れてくると、英国学生同士の会話も部分的に聞き取れるようになってくるかと思います。
すると、英国学生同士の会話中では、私たちが口にしたことがないようなフレーズが頻繁に出てくるものです。
大抵それらは難解な意味を持つものではなく、友人同士の会話においてはむしろよく使われる類の言葉であることが多いです。
例えば”Well Done!”というフレーズ。”お見事!”とか”よくできました!”とか、あるいは日本風にいうなら”お疲れさん!”あたりの意味を持つ軽いフレーズです。
よくよく考えてみると不思議な話ですが、日常会話で絶対使うであろうこの表現をほとんどの人は学校で教わっていないはずです。少なくとも私は習いませんでした。
そういった言葉を知ることが、より円滑に英会話を行う上での重要なポイントであると私は思います。実際に私も、二回目以降にそういった表現を会話中に用いることで、それまでよりも距離感を縮めることができたと実感したことが多々ありました。
教わるべき優先度は高いはずのこういったフレーズを学べる場がたくさんあることが、このプログラムの魅力であると私は考えています。 今回のプログラム中では、英国学生と何度も食事に行ったり、カラオケに行ったり、バッティングセンターに行ったりもしました。 先生と生徒という関係のみではなく、一友人として彼らと遊ぶこともこのプログラムの中で最も重要なアクティビティの一つだと思います。
最後に、このプログラムには英会話能力の向上のみではなく、自身の価値観に変化を与えてくれる可能性が溢れています。本プログラムは神戸・姫路の2キャンパスで行われており、どの学部の学生も自由にそのキャンパスを選択することができます。その結果、いずれのキャンパスにおいても多様な学部・学年の学生が一つのクラスに集まるのです。
私自身の経験を考えてみても、姫路キャンパスだから工学部ばかり、神戸キャンパスだから経済・経営学部ばかりということは一度もありませんでした。
また、このプログラムに参加する人は、自身を変えたい、何かを学びたいという意欲的な人が多いです。はじめは自分を表現することが恥ずかしいと感じている人や、単純に苦手な人もいますが、日を重ねるにつれて、そういった人たちも次第にむりなく自分を表現できるようになっていくことが多いです。
こういった経緯から、授業内で行われるディベートなどは非常に興味深い意見が多く見受けられます。
それぞれの意見には、議題を各個人の専攻分野の視点から見られているものや、大学に入ったばかりで専門的ではないが柔軟で斬新な発想、専門分野を深く学ぶことでより現実的である上回生の意見など、様々なものがあります。
今回のオックスブリッジでいえば、「肉を食べることはやめるべきか否か」というテーマのディベートがありました。
このテーマに対し、多くの人は否定の立場に立ち「肉はおいしいから」「肉を食べると幸せな気分になる」などの、感情的な意見が目立ちました。これらも立派な意見であり、各個人で細かいニュアンスが異なることも面白さの一つなのですが、ある理系の人は「狂牛病などの恐れがあるから」といった、専門知識をもとに答えていました。
このように意見が様々な角度、深さから飛び出てくることは非常に面白いと思います。私自身、初参加の時は修士学生の洗練された意見に憧れ、衝撃を受けたり、今回は学部生の柔軟な意見に考えを改めさせられたりしました。
テーマに沿った商品を考えるという授業の際に、当時学部2年生だった私はドラ○もんのような夢物語しか思い浮かばなかったのですが、そのアイデアに大学院生の方は材料のコスト、剛性、性質の観点からリアリティを付け加えてくださりました。当時の自分はそれを聞いていてポカーンという有様でしたが、そういった意見に早いうちから触れておくのは良い経験だと思います。
このように、このプログラムは英会話のみでなく、多様な学部や背景を持った日本人との交流の場としても非常に大きな意味を持っていると思います。なので、英語を話せるようになりたいがいきなりは怖いという人、単純に自分の中の何かを変えたいと思っている人もぜひ積極的に参加してほしいと思います。それだけの価値があるものと私は確信しています。
長々と偉そうに真面目なことを書き連ねましたが、私自身はただ単純に楽しいからという理由で何度もこのプログラムに参加しています。
SNSが盛んなこの時代ですので、一度友人となれば彼らが帰国したのちも連絡を取り合うことは非常に容易なことです。また先ほども書きましたが、海外の学生と、普段私たちが遊んでいる場所、何度も行ったことのある場所に行くということは、それ自体に非常に意味があり、新しい楽しさを発見できることだと私は思います。
そういった経験を通してできた友人関係というのは、たとえ一週間や二週間の間であったとしてもそうそう途切れるものではないと思います。なので、単純に楽しいことをしたい人、海外の方と仲良くなりたい人、いつもの遊びに多少のスパイスがほしい人なども、ぜひ参加してください。