平成30年12月4日
この夏、本学理学部部1回生の学生が国立台湾大学の+N1 Biotechnologyに参加してきました。
本学からは2016年に理学部の学生が1人参加して以来、2人目の参加者です。
本来は3回生以上におすすめのプログラムなのですが、英語力と志望理由によっては1回生からの参加も可です。
実際、今回チャレンジした学生は、1回生ながらも熱意と英語力が認められて参加することができました。
実際行ってみると、やはりとてもハードだったようですが、頑張りぬいてとても良い経験をしてきました。
このプログラムは国立台湾大学と筑波大学との関係からできた長い歴史のあるプログラムです。
プログラムの概要は、二週間で配属された研究室でのプロジェクト結果を最終日にプレゼンとして発表するというものです。
国立台湾大学は、大学というよりも公共施設感が強い印象を受けました。散歩している人、ベンチで休憩している人、外の食堂らしき場所でご飯を食べている人、正直敷地内はただの公園とあまり変わりません。
寮は大学構内、構外にいくつかあり、自分が入寮したものは大学から徒歩15分くらいの場所にあるものでした。
洗濯は乾燥機もあるので便利ですが、洗剤は自分で用意する必要があります。
干す場所も、各階の端にあるのでこまらないと思います。ハンガーを忘れないようにしてください。
自分が泊まっていた寮の部屋には玄関がありませんでした。
TAから、多くの人は靴を部屋の扉の前に置いて、室内ではスリッパで生活しているといわれたので注意が必要です。
室内にはベッドの骨組みだけがあります。部屋にはLANが使える穴がありましたが、結局インターネットはそこから使えませんでした。よくわかりません。
また、何かを買うとき、大学構内に存在するセブンイレブンでは学生証を見せるだけでディスカウントしてくれるので覚えていておいたほうがいいと思います。
まず、もともと僕はこのプログラムの参加条件が大学3回生以上、研究をすでにしている人が行くものだということを知りませんでした。
また、これを知ったのは申し込みがほぼ終わったときでした。
ですので3回生以上の人たちにはあまり参考にならないレポートになっていると思います。
終えてみて、このプログラムはとても難しいものだったと思います。
それは学んだ内容が難しいのはもちろん、一回生、兵庫県立大学から一人で参加ということ、英語が日常会話レベルだったということもあります。
また今回は、ほぼ全員M1で、いろいろな面でのレベルの差を思い知らされました。
授業内容は、当たり前ですが、少しもわからず、ラボの先生が僕に課したプロジェクトの大事な説明も4割くらいしかわかりませんでした。
速いスピードの英語、生物英単語に理解が追いつきませんでした。
また、初めて研究室という空間に入り、出されたプロジェクトをこなすために必要な知識を資料から英語で読み取るという作業は全く慣れませんでした。
大学ではちょうど細胞生物学が終わったばっかりで、分子生物学もまだやっていなかったですし、 そもそも僕は高校で生物選択者ではなかったので、わからないことさえもわからなく、また質問を言いたくても英語でなければいけないので、とても頭を働かせました。
そこで、会話ではジェスチャー、図、強調したい単語を強く発音するなど、初歩的なことですが挑戦してみました。
そして毎日新しい情報が山のように入って来て、自分には整理すら追いつきませんでした。
そんなこんなで最終日、人生初のプレゼンを30人近い人たちの前で行うことができました。
それはとても短い7分間というものでしたが僕にとっては非常に怖いものでした。
発表内容は、基本的に研究成果を発表するのですが、僕は2週間で実験まで行くことができなかったので、2週間勉強したことについてまとめ、プレゼンしました。
もちろんこのほかにも楽しいことがたくさんありました。
ですが、一回生にとってこのプログラムはいろいろな面で難しすぎると思うので、自分はあまりオススメはできません。
自分は去年受験失敗しました。
だれもがですが、合格のためにやっていたので落ちてしまっては全く意味がないと受験勉強前は思っていました。
ですが、自分は落ちたことによる恩恵が多くあるなと今になって思います。
甘かった計画や勉強方法など落ちたという失敗の結果がなければ反省することもできなかったですし、なにより落ちたことによる悔しさは、今は何かに没頭するための僕の原動力となっています。
そしてこの経験から学んだ一番大きなことは、失敗はそんなに悪いものではないということです。
いままでの18年間は、失敗に対して漠然とネガティブな考えをしていました。
ですが、受験の失敗から、失敗は、単に一つ以上のエラーがあるということを知らせてくれるだけであるとも考えられることに気が付きました。
受験失敗後、浪人より大学入学のほうがメリットが大きいと判断し、兵庫県立大学に入学しました。
大学入学し、なにから始めようと考えたときに、英語をしゃべられるようになれば基本的にどんなところにも行け、文字通りいろいろな人と会話することができ、自分では気が付けない自分の欠点や、新しい世界に気づくチャンスが増えるのではないかと考えました。
結局数あるプログラムの中で、自分はこのプログラムを選びました。
簡単に言うと、ほかのプログラムに比べて英語を学べる以外のプラスアルファの部分が、自分にとって非常に多くあったからです。
しかし、残念ながら自分自身このプログラムの参加条件に満たしていなかったので、参加することができないと思っていました。
ここまでが僕が考え、実行した計画です。
費用は2週間で、飛行機代も含めて、30万弱したので安くはありませんでした。
ただ自分は、19歳でこのプログラムに参加することができて本当に良かったと思います。
英語に慣れる以外に、社会人となるために必要なこと、人間として必要なものなどそういったお金を払ってもなかなか手に入らないような情報を19歳で手に入れられたことはとても価値のあることだと思います。
そしてもう一つ思うようになったことは、留学というものは目的意識をはっきり持てないのならば行くべきではないということです。
台湾で印象的だったのは、人がフレンドリーで優しいことだったそうです。
ハードな研修でしたが、香港の友達ができたり、毎日行くセブンイレブンの店員さんと仲良くなったり人との繋がりが楽しかったとのこと。
また、海外の学生のプレゼン能力(英語もプレゼンの仕方も)の高さに驚いたとのこと。
現在、国立台湾大学では、春の短期プログラムNTU Spring+ プログラムの参加者を募集しています。
今回は中国語コース(英語で学ぶ文化体験付き)もありますので、チェックしてみてください。