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式辞など

平成31年度入学宣誓式 学長式辞

学長式辞

桜の花が咲き誇る春爛漫の本日、兵庫県立大学に入学された皆さん、ご入学誠におめでとうございます。私たち教職員一同、心から歓迎いたします。今年は、学部生1,342名、大学院生466名、合わせて1,808名の入学が許可されました。これまでの皆さんの努力に敬意を表しますとともに、皆さんを長年支えてこられたご家族や関係者の方々に衷心よりお慶びを申し上げます。

本日は大変お忙しい中、皆さんをお祝いするために、兵庫県知事井戸敏三様をはじめ多数のご来賓の方々にご臨席を賜っております。ご来賓の皆様方には厚く御礼を申し上げます。

また、本学公立大学法人理事長の五百頭旗真先生にもご臨席を賜り、後ほどご祝辞を頂戴致します。

さて、皆さんは、平成最後の入学生として兵庫県立大学に入学され、新しく5月から始まる令和の時代を切り拓いていく学生となります。折しも、本学はこの4月に、神戸商科大学、姫路工業大学、兵庫県立看護大学の旧三県立大学が統合、発足してから創立15周年、前身の旧制神戸高等商業学校の開校から数えて90年を迎えました。この節目の年に、本学は次の時代を視座に据えて様々な斬新な取り組みを進め、各界の耳目を集めております。それだけに、皆さんにはこれまで以上の大きな期待を寄せております。

現在、我が国にはおよそ780の大学があり、そのうち国立大学が86校、公立大学が92校で、残りが私立大学です。本学は、現在、6学部、14大学院研究科、4附置研究所、附属中学、高等学校を擁する全国屈指の公立総合大学となっております。キャンパスは日本の縮図と言われる兵庫県の全域に広がっており、学生のいるキャンパスだけで9カ所あります。この特色を活かして、多様性に富む先進的な教育研究を展開しております。

理学部は大型放射光施設SPring-8と連携する学術機関として、平成2年、当時の姫路工業大学に設置されました。サイエンスの学際的分野の教育研究を重視した物質科学科と生命科学科の2学科体制が大きな特徴です。化学反応の本質は物理現象ですし、生命の根源に迫るには化学や物理の知識も必要です。経験や五感では理解できない極微の世界を支配する量子現象は数式の上でしか理解できません。このような意味から、伝統的な数学、物理、化学などの枠組みにとらわれない大学科制にして、サイエンスを幅広く理解できる人材の育成を目指しております。大学院では、新しくピコバイオロジーの学問分野を確立するなど、SPring-8やX線自由電子レーザSACLAと連携して世界最先端の教育研究を展開しております。

太田学長

工学部は、75年の歴史がある前身の姫路工業大学の中核を担ってきた学部です。工学部も電気系、機械系、化学系の3大学科制になっております。これは今日の技術が明日は古くなるというように目まぐるしく進歩する工学技術に柔軟に対応するためには、徒に先端技術を追いかけるのではなく工学全般の基礎知識と各分野に必須の専門基礎をしっかり身につける必要があるという考えに基づいております。今後は、電気・機械・化学の枠も超えた学際領域が一層重要になってきます。最先端の研究は、卒業研究や大学院研究でグリーンエネルギー、新材料、先進情報技術など様々な分野で世界的な研究成果を上げている先生方の指導で心ゆくまで取り組むことができます。また、その研究成果は産業界からも注目されており、多くの産学連携共同研究も実施しております。

環境人間学部は、当時の姫路短期大学と姫路工業大学の一般教育部が統合して、平成10年に発足した文理融合型の学部です。キャンパスは旧制姫路高等学校の跡地にあり、今も残る当時の校舎は登録有形文化財に指定され、学問の府としての雰囲気が漂っております。人間学を基軸として、環境に関わる技術や方策などに関する専門知識を学ぶ多彩な教育プログラムが用意されており、少人数の専門ゼミでは、教員と非常に近い距離で学び、指導して貰うことができます。特別コースの食環境栄養課程は、卒業後の栄養士免許と管理栄養士国家試験受験資格が取得可能で、栄養教諭への道も開かれております。

看護学部は、国公立大学としては全国初の看護系単科大学として平成5年に開設された兵庫県立看護大学を母体とした学部です。ケアをもってケアの専門家を育てるという理念の下、勉学や学生生活についての丁寧なアドバイスや、不安を抱える学生への親身な相談など、学生の皆さんへのケアを第一に努めております。その結果、生命の尊厳を理解し,人間の喜びと苦しみを分かち合い,人権を尊重できる人間性豊かな看護師が育っております。また、看護師,保健師,助産師の国家試験受験資格や養護教諭一種免許取得が可能なカリキュラムとなっており、これは全国で本看護学部のみです。同じキャンパスにある地域ケア開発研究所は、世界保健機関から「災害健康危機管理WHO協力センター」に認証されております。

学長式辞

今年新しく発足した「国際商経学部」と「社会情報科学部」は、90年の歴史を持つ神戸商科大学の伝統を引き継ぐ学部です。
国際商経学部には3つのコースがあり、経済学コースと経営学コースの学生は2年次に希望等によりいずれかのコースを選択します。経済学コースには経済理論・政策と金融ファイナンス、経営学コースにはマネジメントと社会イノベーションの四つの教育プログラムが用意されております。経済学、経営学のオーソドックスな学問分野と両者の学際的、融合的な分野を学ぶことができます。グローバルビジネスコースは、日本の学生と外国人留学生併せて80名で構成する特別コースで、講義はすべて英語で行います。取得できる学位は学士(経済学)です。日本の学生は4月入学、留学生は9月入学と変則になっており、4月入学生は6月から5週間の海外語学研修が義務づけられております。現在神戸商科キャンパスに国際学生寮を建設中ですが、1年生は全員入寮することが義務づけられており、キャンパスに居ながら、異文化理解、多文化共生の生活空間を体験することができます。この学部は、神戸商科大学の進取の気象に富む伝統を色濃く引き継いでおり、国際都市神戸に相応しい学部としてそのプレゼンスを高めていくものと大きな期待を寄せております。

社会情報科学部は、高度なIT専門人材の育成を目指し、データサイエンスを基軸として社会科学から先端情報技術、計算科学まで幅広い教育を行います。企業や自治体など様々な機関から提供される実データを用いて、その分析・解析手法などを学び、経済活動や社会活動などの最適化や未来予測などに繋げる実践的分析能力と社会実装力の育成を図ります。いま世界は、IoTですべての人とモノを繋ぎ新たな価値を生み出す、いわゆるソサイエティ5.0という新たなフェーズに突入しようとしております。このような社会を切り拓き、先導する人材の輩出を期待しております。

これら6学部にはそれぞれ直接繋がった大学院がありますが、本学には、それとは別に学部を持たない4つの独立系大学院と3つの専門職大学院があります。
神戸ポートアイランドの情報科学キャンパスにある応用情報科学研究科は、情報科学技術を様々な社会システムに応用展開する教育研究を行っております。特に情報セキュリティについては、この分野で世界をリードする米国のカーネギーメロン大学とのダブルディグリー制度があり、修士2年間を1年ずつ両大学で学ぶことにより、本学とカーネギーメロン大学の修士号を同時に取得できる制度です。

太田学長

同じキャンパスにあるシミュレーション学研究科は、スーパーコンピュータ「京」との連携を積極的に進め、最先端の計算科学を基盤とした教育研究を展開しており、ポスト「京」との連携も視野に入っております。
豊岡市にある「地域資源マネジメント研究科」は、コウノトリや山陰海岸ジオパークの海岸地形・地質、社会・文化資産などを対象として、地域資源マネジメントの統合的理論の構築と実践スキルの向上に取り組んでおります。
HAT神戸にキャンパスを置く「減災復興政策研究科」は、阪神・淡路大震災の経験と教訓を生かして減災、復興に関する新しい知見の発見や高度な専門人材の育成を目指しており、4月に博士後期課程が設置されました。
緑環境景観マネジメント研究科は、緑環境や景観の分野における日本初の専門職大学院で、淡路島の美しい広大なキャンパスがそのまま演習フィールドになるという恵まれた環境の中で、都市緑化や景観園芸に係わる緑の高度専門職業人を育成しております。

また、会計研究科は公認会計士や税理士など多くの会計専門職業人を輩出し、高度な人材育成で社会に貢献しております。経営研究科(MBA)では地域を世界に繋げる経営のプロフェッショナルを養成し、多くの社会イノベーションの担い手を輩出しております。リカレント教育として多数の社会人の方が入学しております。

皆さんが、学部で4年間勉学した後で、さらに高度な学問や研究を目指して大学院進学を考える時、独立系大学院や専門職大学院への進学も重要な選択肢となります。学部で学んだ専門知識を異分野に展開することは、自分の可能性を拡げるばかりでなく、将来に向けて大きな展望が開けていきます。

本学は、このように多様な教育研究を展開しており、学生の皆さんに多くの選択肢を提供しております。また、国際学生寮の建設に加えて社会情報科学部の教育研究棟の建設も始まっており、姫路工学キャンパスでは大改修の真最中で、先端研究を推進するに相応しい校舎が順次完成しております。全キャンパスの情報システム・環境も抜本的に整備します。このように教育研究のソフト、ハードの両面で環境整備が大きく進んでいるのは、井戸知事による兵庫県政の高等教育に対する高い見識と深いご理解によるところ大です。学生の皆さんが、この期待に応えて勉学に励むことを強く願っております。

学長式辞

昨年、同窓会組織である姫路工業倶楽部の手によって、新装なった工学キャンパスの正門近くの学生の目に触れやすい場所に「志高遠」、「志、高い、遠い」と書かれた石碑が移設されました。これは前身の兵庫県立工業専門学校の閉校にあたってその同窓会が贈呈したもので、三国志に登場する諸葛孔明の「志はまさに高遠を存し、即ち、志、目標というものは高く遠くに置きなさい」に由来するものです。傍らに置いた由来文の一節に、ご来賓としてご臨席頂いている寺林史朗理事長と連名で「学生諸君が先達の心に思いを馳せ、この地を学問の道場として、世界の頂を目指し学業に励むことを期待する。その道標として、・・・」と、加筆させていただきました。入学生の皆さん、この心意気で兵庫から世界を目指して勉学に勤しんで下さい。

いまの社会は、科学技術、産業、経済、社会システム、国際関係等々が、過去に経験したことがないスピードで変化しており、中々先を読むことが困難な状況です。しかし、この時代の激流に翻弄されないように、自分の立ち位置をしっかり固めなければなりません。そのためには、流れから距離を置いて、真に重要なことは何かをしっかり見極めることが大切です。皆さんは、これから本学で取り組む学問を通して、自分の置かれている場所と向かうべき方向を冷静に考えるための視点を養うことができます。変化の時代こそ、皆さんが活躍できる大きなチャンスがあります。真摯に情熱をもって取り組めば、きっと明るい展望を見つけることができます。

式辞を終えるに当たり、皆さんへのお願いを少し述べます。大学は皆さんを一人の大人として扱い、全を自己責任で実行することを求めます。自己管理や自己規律をきちんと行い、学生生活を持続させなければ、途中で破綻してしまいます。大学は自由であるだけに、余計に皆さんの責任は重大です。加えて、学生としての品位、品格を保つよう努力して下さい。兵庫県立大学の学生として、常に大学の名誉を背負っているということをしっかり念頭において下さい。
最後になりましたが、本学は、学生ファーストを基軸に、特色ある先導的公立大学を目指しております。新入生の皆さんが、明るく、楽しく、未来を見据えて、活き活きとした学生生活を送り、皆さんの青春が一層その輝きを増すことを心から祈念して、私のお祝いと歓迎の言葉とします。

平成31年4月4日
兵庫県立大学 学長 太田 勲

   
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