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式辞など

令和2年度 学長祝辞

学長式辞

 兵庫県立大学に入学された皆さん、ご入学誠におめでとうございます。私たち教職員一同、心から歓迎いたします。今年は、学部生1,296名、大学院生485名、合わせて1,781名が入学されました。これまでの皆さんの勉学努力に敬意を表しますとともに、皆さんを長年支えてこられたご家族や関係者の方々に衷心よりお慶びを申し上げます。

本年度は、4月6日に「第17回兵庫県立大学入学宣誓式」を神戸国際会館で行う予定でした。しかし、新型コロナウイルス感染症の拡大が続いていますので、残念ながらこのようにネットを介した動画配信での祝辞となりました。感染リスクを極力低減した形式の式典開催も検討してきましたが、現下の情勢から断念せざるを得ませんでした。皆さんの晴れの門出を、例年のようにご家族、関係者や多くのご来賓をお迎えして盛大かつ厳粛に執り行うことができないことを大変残念に思っております。

また、大学生活が未経験の中でいきなりネットによるオリエンテーションやWeb講義という状況に遭遇されて大変戸惑い不安を感じておられることと思います。大学としても十分な準備とテストを重ねて、5月7日から全学生にWeb講義を配信する予定です。しかし、何らかのトラブル等が発生することは不可避と思われます。大学としては皆さんが極力同じ環境で講義を受けられるように努めたいと考えていますので、心配なことがあれば何でも相談するようにして下さい。皆さんが所属する学部、大学院研究科は相談しやすい窓口を設けています。大学本部にも窓口がありますので、相談先を迷うときにはこちらへも遠慮なく相談して下さい。本学は学生ファーストを謳っています。

このCOVID-19パンデミックはまだまだ広がりを見せており、世界の感染者は350万人に近付き、亡くなられた方も25万人を超えています。日本政府も4月7日に発令した緊急事態宣言の延長を決めました。このようなパンデミックは、人類の長い歴史の中で何回も発生しており、紀元前の古代ギリシャ時代から知られています。

初めて世界全体に大流行したのは、いわゆる「スペイン風邪」と言われているインフルエンザです。今からおよそ100年前、第一次世界大戦末期の1918年にアメリカのシカゴで発生したと言われています。参戦したアメリカ軍がヨーロッパに進駐したことでヨーロッパに拡がり、それから2年間にわたって世界中に蔓延しました。感染者が6億人、死者が4千万人から5千万人と言われています。当時、世界の人口は15億人程度でしたから、その圧倒的な規模が理解できます。日本でも39万人の方が亡くなりました。

当時に比べて、現在は生活環境や医療技術は格段に整備されていますが、未だ効果的な治療法が確立されていないため、このパンデミックは収まる気配を見せておりません。我が国も感染拡大を防止するために全国民が一体となって、様々な活動の自粛に努めています。このような大変厳しい状況を一人ひとりが十分理解した上で日常生活において適切な行動をとらなければなりません。新入生の皆さんも、自分自身の感染防止と社会的責任を十分認識して兵庫県立大学の学生に相応しい行動を心がけるようにお願いします。

今回の新型ウイルスは、図らずも人類文明の脆弱さを白日の下にさらしたと言えます。ヒト、モノ、カネが国境を越えて自由に動き回るグローバル経済の進展の中で、世界の工場と言われる中国から発したウイルスが世界中に拡がり、それを抑え込む術を持たない人類が恐怖のパニックに落ち込んでいるという構図ではないでしょうか。経済活動を最優先している人類が、ウイルスに強烈な逆襲を受けていると言えるかもしれません。

私たち人類は地球という小さな惑星の中で肩を寄せ合って生きており、この美しい自然によって命を与えられているということを決して忘れてはいけません。この意味において、私たちは自然環境を守り、世界中の人々が平和で豊かに暮らせる持続可能な社会を創っていかなければなりません。また、一方で、今回のCOVID-19や大震災、大型台風などのように人類社会に脅威をもたらす自然と対峙しなければならない時もあります。

世界の国々が自国ファーストになり過ぎて、国家主義的な孤立の道へ進んでいることを危惧しています。私たちは、狭い地球上でお互いに争うのではなく、人類全体の英知を集め、グローバルに結束してこの難局を乗り越えていくことが強く求められています。これから21世紀の人類が遭遇するであろう、様々な感染症の大流行や未知の危機に打ち勝つためにも、この事態を奇貨として、ウイルスを完全に封じ込めるとともに、世界各国・地域の連帯を大きく前進させなければなりません。皆さんがその旗手となることを願っています。

さて、皆さんは兵庫県立大学の学生として、それぞれの学部/研究科のカリキュラムに沿って学問を修得していきます。学部教育課程は、大きく分けて広く教養を学ぶ共通教育と専門教育から成り立っています。古来,学問には,自分自身を鍛える人徳形成のための「道の学問」と職業に繋がる専門性を磨く「芸の学問」があり,本来,学問の修得とはこの二つを両立させることです。しかし、今の時代、私たちは「芸」に偏りすぎ、人間や人生を追究する「道」、すなわち教養教育をお座なりにする傾向があります。大学が専門学校などと大きく異なる点は、一般的、人間的教養の基盤の上に学問研究と職業人養成を一体化することです。皆さんが、専門分野の研究開発やその知識・技術を社会実装しようとするとき、全体を俯瞰して見る力、即ち教養が重要となります。教養と専門は車の両輪です。どちらもしっかり勉強して下さい。

たまに、「1年生の教養の講義は高校授業の繰り返しみたいで、興味が湧かない。」という声を耳にすることがありますが、決してそのようなことはありません。まじめに取り組んでいれば、きっと皆さんの魂を揺さぶるいくつかの素晴らしい講義に出会います。しっかり関連する書物を読み、レポートを書き、深く考えることを続けておれば、自然と教養が身につき、結果として、高い見識と倫理観をもって事の真贋を見抜く力がつきます。皆さんが教養豊かになり正しい批判力を身に付けることが、近年続く社会正義の劣化に鈍感で無関心な社会の風潮を是正し、日本社会の発展にも繋がっていきます。

本学はそれぞれに伝統と特色のある神戸商科大学、姫路工業大学、兵庫県立看護大学の三大学が統合、発足してから、本年度で17年目を迎えます。一番歴史の古い神戸商科大学の前身旧制神戸高等商業学校の創立から数えて92年目になります。キャンパスは、日本の縮図と言われている兵庫県全域に拡がっており、学生が学ぶキャンパスだけで9カ所、研究機能だけのものまで含めると13カ所になります。まさに、兵庫県全体がキャンパスになっています。

兵庫県に設置されている多くの世界最先端研究施設の隣接地に理学・情報系のキャンパスを置き、大型放射光施設「SPring-8」やX線自由電子レーザ「SACLA」、スーパーコンピュータ「京・富岳」などと連携した最先端の教育研究を展開しています。また、県内各地に大学院研究科を設置し、丹波竜で有名な「人と自然の博物館」や豊岡市の「コウノトリの郷公園」、淡路島の「景観園芸学校」との協同、あるいは、HAT神戸にある防災や各種国際関係機関との連携などにより全県キャンパスの特色を有効に活用した先進的な人材育成に努めています。加えて、本学が独自に保有する大型研究施設である、国内の大学で最大規模の放射光施設「ニュースバル」や西はりま天文台の世界有数の2m赤外線望遠鏡「なゆた」を利用した、他大学では真似のできない教育研究も展開しています。

このように多様で特色豊かな先端的な教育環境が整っていることが、本学の大きな強みです。このような環境の中で、多くの優れたプロジェクト研究を行い、タンパク質の構造解析や先端医療デバイス、グリーンエネルギーなど多くの分野で世界をリードする研究成果や産学連携の共同研究成果を挙げています。また、メインキャンパスを置く国際都市神戸や姫路をはじめ、県下各地の文化・研究施設や地元資源を活用した地域連携教育も積極的に進めており、地元住民や各種団体、自治体等からも大きな信頼と期待を寄せられています。皆さんはこのように、刺激的な環境の中でワクワクするような勉学に励むことができます。

さらに、本学の特色を活かした教育プログラムとして、学部横断的な三つの副専攻、「地域創生人材教育プログラム」、「グローバルリーダー教育プログラム」、「防災リーダー教育プログラム」を用意しています。決められた一定の単位を取得すれば、それぞれ「ひょうご学志」、「グローバルリーダー」、「防災リーダー」の称号を取得することができます。学部専門の枠を超えて学びの幅を拡げ、多様な友人を得ることができます。余裕と興味のある人は是非挑戦してみて下さい。

さて、一般に、大学時代に得た友人は生涯を通しての友になると言われています。教室や図書館などで出会う勉学の友、学部の枠を超え、ひとつの目的に向けて青春を共有する部活やサークル活動、あるいはボランティア活動などで出会う友人、下宿など日常生活の中で助け合う友人、様々な形で多くの学友に出会います。このような友人と、勉学のこと、社会のこと、政治のこと、あるいは、人生や将来のこと、もろもろのことを話し合い、議論して下さい。切磋琢磨することがお互いを成長させ、真の友情を深め、何物にも代え難い皆さんの大きな財産となります。

祝辞を終えるに当たり、皆さんへのお願いがあります。大学は皆さんを一人の大人として扱い、全てを自己責任で実行することを求めます。自己管理や自己規律をきちんと行って、学生生活を持続させなければ、途中で破綻してしまいます。大学は自由であるだけに、余計に皆さんの責任は重大です。加えて、学生としての品位、品格を保つよう努力して下さい。兵庫県立大学の学生として、常に大学の名誉を背負っているということをしっかり念頭において下さい。

最後になりましたが、本学は、学生ファーストを基軸に、多様で特色ある先導的大学を目指しております。新入生の皆さんが、明るく、楽しく、未来を見据えて、活き活きとした学生生活を送り、皆さんの青春が一層その輝きを増すことを心から願っています。早く皆さんが学びのキャンパスで学友と机を並べて楽しく勉強できる日が来ることを願いながら、以上をもって私のお祝いと歓迎の言葉とします。

令和2年5月7日
兵庫県立大学 学長 太田 勲

 

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