記者発表詳細 2020年8月
令和2年8月25日(火曜日)
お花畑の保全は、植物多様性の保全につながるのか
―文化的サービスと生物多様性の保全を両輪で推進するための計画―
内容等
- 発表内容要旨
- 中濵直之 兵庫県立大学自然・環境科学研究所講師 兼 兵庫県立人と自然の博物館研究員、内田圭 東京大学大学院農学生命科学研究科附属生態調和農学機構 助教、小山明日香 国立研究開発法人森林研究・整備機構森林総合研究所主任研究員、岩崎貴也 神奈川大学理学部生物科学科特別助教、尾関雅章 長野県環境保全研究所主任研究員、須賀丈 長野県環境保全研究所自然環境部長らの研究グループは、ニッコウキスゲ(別名ゼンテイカ)を保全するために設置された大規模な防鹿柵による、植物多様性の保全効果を検証しました。
- 長野県霧ヶ峰高原では、シカの食害を起因としてニッコウキスゲなどの植物が急激に減少しており、お花畑(文化的な生態系サービス)と生物多様性の両面を同時に保全することの出来る計画検討が急務となっています。研究の結果、柵の設置により開花植物は維持されており、大きな保全効果を確認しました。つまり、観光資源として有用なお花畑(文化的な生態系サービス)を保全することが、植物の多様性を維持することに貢献していました。ただし、花色や開花季節を加味した植物の機能的多様性は現在の施策で十分とはいえず、今後さらなる保全計画の検討が必要であろうことが明らかとなりました。防鹿柵の設置個所を検討する場合、本研究のように目的となる対象の視点を変えることが、今後の保全計画に必要であろうことを提案しました。
- 本研究成果は2020年8月25日に、国際科学誌「Biological Conservation」の電子版に掲載されました。
- 詳細
- 別紙のとおり
- 論文情報
- 【タイトル】
- Does the local conservation practice of cultural ecosystem services maintain plant diversity in semi-natural grasslands in Kirigamine Plateau, Japan?
- 【著者】
- Kei Uchida(責任著者), Asuka Koyama, Masaaki Ozeki, Takaya Iwasaki, Naoyuki Nakahama, Takeshi Suka
- 【掲載雑誌・号・doi】
- Biological Conservation
- 号: 電子出版のため未定
- doi: https://doi.org/10.1016/j.biocon.2020.108737
- 問い合わせ先
- 兵庫県立大学自然・環境科学研究所 講師
- 兵庫県立人と自然の博物館 研究員
- 中濵直之
- 電話 079-559-2002 E-mail:nakahama@hitohaku.jp
- 同時資料
提供先
- 兵庫県政記者クラブ
- (東京大学より)〈メールによる配信〉大学記者会
(一般紙)朝日、毎日、読売、日経、産経、東京、北海道
(専門紙)日刊工業
(通信社)共同通信、時事通信
(テレビ)NHK、日本テレビ、TBS、フジテレビ、テレビ朝日、テレビ東京
文部科学記者会、科学記者会加盟社、東京大学新聞、日経BP
- (森林総合研究所より)筑波研究学園都市記者会
- (神奈川大学より) 神奈川新聞、テレビ神奈川
- (長野県より)信濃毎日新聞社(長野本社)、読売新聞社(長野支局)、
朝日新聞社(長野総局)、中日新聞社(長野支局)、
日本経済新聞社(長野支局)、毎日新聞社(長野支局)、
産経新聞社(長野支局)、市民タイムス(本社)、
長野日報社(長野支社)、日刊工業新聞社(長野支局)、
共同通信社(長野支局)、時事通信社(長野支局)、
日本放送協会(NHK、長野放送局)、信越放送(SBC、本社)、
長野放送(NBS、本社)、テレビ信州(TSB、本社)、
長野朝日放送(abn、本社)
令和2年8月19日(水曜日)
- 「データサイエンス系大学教育組織連絡会」の設立 -
趣旨
データ革命を担い、経済社会の発展に寄与するデータサイエンティスト育成の重要性の認識が高まり、いろいろな大学でデータサイエンス系の学部、学科、研究科、専攻の設立が続いている。また政府においては、AI戦略2019などに基づき、数理・データサイエンス・AI教育の強化を進めている。
しかし現状の政府の政策はリテラシー教育に重点があり、世界的なデータサイエンスの高度化とその社会実装を推進する専門人材育成のためのデータサイエンス専門教育に対する資源配分が十分ではない。また、大学における専門教員自体の不足も深刻であり、リテラシー教育を大幅に進めようとすると、現状の専門教員への負担が大きくなる一方である。このためオンラインコンテンツの利用が進められているが、専門的な人材の育成にはオンラインコンテンツだけでは十分ではなく、質の高い多くの専門教員の養成も緊急の課題である。
このような状況の中で、国公私立を問わず、また設立準備段階のものを含め、データサイエンス系の専門の学部、学科、研究科、専攻組織が集まり、この分野の専門教育及び専門教員の養成について協力することは極めて重要である。
以上の理由から、下記の連絡会発起人によりデータサイエンス系大学教育組織連絡会を設立する。
連絡会設立発起人
滋賀大学データサイエンス学部長 竹村 彰通
総合研究大学院大学複合科学研究科統計科学専攻長 藤澤 洋徳
長崎大学情報データ科学部長 西井 龍映
一橋大学ソーシャル・データサイエンス研究・教育担当学長補佐 渡部 敏明
兵庫県立大学社会情報科学部長 加藤 直樹
立正大学データサイエンス学部設立担当学長補佐 北村 行伸
内容等
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