令和4年6月30日(木曜日)
県立大学生とエム・シーシー食品㈱が期間限定カフェイベントを開催
学生目線で企業の認知度向上に向けた取り組みを行います
兵庫県立大学国際商経学部では、1年後期から2年前期にかけて、企業や社会の現実課題への解決策を提案する産学連携プロジェクトのゼミナールを開講しています。2021年10月より、1923年創業の神戸市の調理食品メーカーであるエム・シーシー食品株式会社とともに「エム・シーシー食品の味をより多くの人に知ってもらうにはどうしたらよいか」という課題に取り組んできました。その取り組みの一つとして、ゼミ受講生22名がエム・シーシー食品の商品をアレンジしたメニューを提供し店舗運営を行う期間限定のカフェイベントを下記のとおり開催します。
令和4年6月27日(月曜日)
病原菌はヘムを解毒して血中で増殖する
-敗血症や髄膜炎の薬剤開発に貢献する膜タンパク質の解析-
要旨
理化学研究所(理研)生命機能科学研究センタータンパク質機能・構造研究チームの中村寛夫特別嘱託研究員、久野玉雄専任研究員、白水美香子チームリーダー、兵庫県立大学大学院理学研究科の城宜嗣特命教授、マフーズ・ラーマン大学院生らの共同研究グループは、病原菌(グラム陽性細菌)にとって有毒となる宿主由来のヘムを排出する膜タンパク質「ABCトランスポーター」の仕組みを解明しました。
本研究成果は、タンパク質立体構造や酵素活性に基づいてヘム排出能を制御する低分子化合物の設計やスクリーニングを可能にし、ヒト血中でのグラム陽性細菌の増殖を阻害する薬剤の開発に貢献すると期待できます。
敗血症や髄膜炎は細菌やウィルスなどの微生物感染によって引き起こされます。これら感染源となる細菌のうち、黄色ブドウ球菌や連鎖球菌は外膜を持たないグラム陽性細菌に属し、宿主血中で増殖する際に生じる「遊離ヘム」に細胞膜がさらされるために、過剰なヘムを細胞外に排出して解毒する機能を持つと考えられています。その機能を担う候補であるABCトランスポーターの遺伝子は発見されたものの、タンパク質レベルでのヘム排出の仕組みは未解明のままでした。
今回、共同研究グループは、膜タンパク質としてのABCトランスポーターの生化学的な解析と、大型放射光施設「SPring-8」を用いた詳細なX線結晶構造解析を行いました。その結果、このABCトランスポーターは、病原菌の細胞膜に侵入した遊離ヘムを捕捉し、続いて起こるATPの結合によって生じる構造変化により、ヘムを押し出す汲み出しポンプであることが分かりました。
本研究は、科学雑誌『Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America(PNAS)』オンライン版に近日中に掲載されます。
内容等
令和4年6月23日(木曜日)
県立大の学生が三田市でのプロジェクト構想案を発表
5学部の学生が地域課題解決のためのプロジェクトの構想発表会を行います
本学では、主専攻以外にも学びの機会を広げており、その一つである副専攻・地域創生人材教育プログラムは県内の各地域と連携して実施しています。
今年度は2年生56名が三田市の兵庫県立人と自然の博物館および兵庫県立有馬富士公園周辺地域を中心に活動し、サービス・ラーニングや地域の方へのインタビューから地域課題を探り、地域課題解決のためのプロジェクトを企画・実施します。
ついては、下記のとおり、プロジェクトの構想発表会を行いますので、お知らせします。
令和4年6月23日(木)
兵庫県立大学と兵庫県立はりま姫路総合医療センターとの包括連携協定の締結について
兵庫県立大学と兵庫県立はりま姫路総合医療センターは、相互の包括的な連携を推進し、お互いの知見と人材の活用を図ることを通じて、地域における医産学連携と地域から世界に向けたイノベーションの発信を目指すため、包括連携協定を締結することとし、下記のとおり協定締結式を行います。
内容等
【参考】 兵庫県立大学 先端医療工学研究所 開所記念フォーラム・見学会の概要
日 時 | 令和4年6月29日(水)13:00~17:00 |
場 所 | 【講演会】アクリエひめじ 中ホール 姫路市神屋町 143-2 【見学会】兵庫県立大学先端医療工学研究所 姫路市神屋町3丁目264 県立はりま姫路総合医療センター教育研修棟3階 |
主 催 | 兵庫県公立大学法人兵庫県立大学先端医療工学研究所 |
参加者 | 約300人(入場無料) |
内 容 | 【講演会】13:00~15:25 開会挨拶:太田 勲 学長 来賓祝辞:兵庫県知事・神戸大学大学院医学研究科長兼医学部長・姫路市長 基調講演:柳田 敏雄 大阪大学情報研究科・生命科学研究科特任教授/情報通信研究機構フェロー 「脳に学ぶおもろいサイバー世界」 木下 芳一 兵庫県立はりま姫路総合医療センター院長 「『はり姫』が兵庫県立大学と一緒にしたい仕事」 研究所紹介:小橋 昌司 所長(先端医療工学研究所の概要・医療ヘルスケア機器分野) 坂下 玲子 副学長(看護介護分野) 伊藤 美紀子 所長補佐 兼 環境人間学部教授(食栄養分野) 【見学会】15:30~17:00 兵庫県立大学がこれまでに取り組んで来た「医療ヘルスケア機器分野」「看護介護分野」「食栄養分野」における医産学連携の研究成果、今後の研究方向及び試験研究機器等の紹介 |
令和4年6月17日(金曜日)
兵庫県立大学自然・環境科学研究所 兵庫県立人と自然の博物館
AI画像認識システムを用いた植物の種名判定システムを開発
~熟練の技術が必要な種の判定のサポートに期待~
白井匡人(島根大学総合理工学部知能情報デザイン学科)、高野温子(兵庫県立大学兼兵庫県立人と自然の博物館)、秋廣高志(島根大学生物資源科学部生命科学科)、井上雅仁(島根県立三瓶自然館サヒメル)、黒沢高秀(福島大学理工学群 共生システム理工学類)、田金秀一郎(鹿児島大学総合研究博物館)、株式会社 TRWorkers 、株式会社アルファ水工コンサルタンツ は、主に日本国内の研究機関が有する 57万点余りの植物標本デジタル画像をAI画像認識システムに学習させ、植物種名を判定するシステムを構築しました。判定可能な分類群数は2100あまり、判定精度は96.4%と極めて高い精度を誇ります。作成した植物種名の判定システムは、島根大学のHP上で公開されています。(http://tayousei.life.shimane-u.ac.jp/ai/index_all.php)
本研究成果は2022年5月16日に、国際科学誌「Scientific Reports」の電子版に掲載されました。
令和4年6月16日(木曜日)
ゲノム編集による高効率遺伝子導入ツメガエル作出法の開発
~両生類の再生能力の謎に迫るための新技術~
今回、兵庫県立大学の餅井真准教授ら、基礎生物学研究所の柴田侑毅特任研究員と鈴木賢一特任准教授らの研究チームは、アフリカツメガエルにおいてより簡便で高効率な遺伝子導入(トランスジェニック)動物作出法の開発に成功しました。まず研究者チームは外来遺伝子の導入に適したゲノム上の位置(セーフハーバー部位)の候補であるtgfbr2l遺伝子座を発見しました。次にセーフハーバー部位に外来遺伝子を導入するため、その場所をゲノム編集するCRISPR/Cas9のgRNAとドナーベクターを最適化した結果、高い効率で外来遺伝子である様々なプロモーターと蛍光レポーター遺伝子をtgfbr2l遺伝子座に“狙って”導入することに成功しました。さらには、次世代子孫でも外来遺伝子のtgfbr2l遺伝子座への導入、そして安定した蛍光レポーター遺伝子の蛍光が確認されました(生殖系列伝播)。これらの結果は、アフリカツメガエルにおけるtgfbr2l遺伝子座が実験動物の筆頭であるマウスのRosa26遺伝子座と同等のセーフハーバー部位であることを示唆しています。研究チームは、この遺伝子導入動物作出技術がアフリカツメガエルのポストゲノム研究における起爆剤となるようにNew and Easy (Efficient) Xenopus Transgenesisを略してNEXTransと名付けました。
ポストゲノム時代においては様々な生物の全遺伝子の情報が直ちに入手可能です。アフリカツメガエルのゲノム情報とNEXTrans法を組み合わせることで、脊椎動物の生命現象に関与している遺伝子の機能に関する研究を一層促進させることが期待できます。本方法によって、両生類の器官再生能力に関与する遺伝子や、疾患に関与する遺伝子を迅速かつ簡便に解析することが可能となりました。今後、両生類が持つ器官再生の仕組みに迫る研究が展開され、再生医療研究を含む多様な分野への貢献が見込まれます。
本研究の成果は、Developmental Biology誌に、出版に先立ちPre-proof版が2022年6月9日にオンライン掲載されました。