理事長からのメッセージ Message from president

五百旗頭理事長

わが兵庫県立大学のキャンパスは広い県内に散在している。学部のあるキャンパスだけでも五つ、大学院のみのキャンパス四つを加えると計九つもある。理事長の内示を受け、私はこれら全部を訪ねるのに丸一年を要した。わが大学は、「やまたのおろち」みたいなものだとため息が出た。

その統合は容易でない。だが統合にばかり力んでいると、各キャンパスの個性が薄れないか、個性豊かな単科大学であった神戸商大、姫路工大、明石の看護大を懐かしむ声が今も先輩たちを中心に少なくない。今さら元に戻すべきではないが、各学部・各大学院がそれぞれに輝きを増すことこそ肝要ではないか。そう思い定めて、私は各キャンパスを順次訪ねてシンポジウムを開催したいと思った。

各キャンパスを取り巻くコミュニティの人々に集っていただき、私が第一講演として「激動の世界と日本」を語りたい。全国各地から招かれて話して回っている私の専門テーマだ。ぜひ、わが県立大学の各キャンパスの皆様にも聞いていただきたい。第二講演は、各キャンパスを引っ張っている先生方に特色ある専門のお話をお願いしたい。地域の人々も意外にすごい先生を知らずにいることもある。こんな素晴らしい先生がわがまちにいるのだと改めて誇りを持っていただきたい。そして三番目に、学生の元気な活動を発表していただきたい。このお祭りめいた要素もあるシンポジウムを、順に各キャンパスで開催したいと思う。
本年は、まず姫路の環境人間キャンパスで第一回を10月30日(水)に予定している。あのテレビや映画のロケにも使われる旧制高校の講堂が舞台である。ぜひお誘い合わせのうえ、御参集を乞う。第二回はまだ決まっていないが、手を挙げて下さるキャンパスに参りたいと思う。

さて、もう一つ私のやりたいシンポジウムがある。今、世界は大破綻を招きかねないほど乱れている。世界No.1とNo.2の米中両大国が対決して、世界の経済と平和を乱しかねない。そうなれば我々の平和な日常生活すら失われるかもしれない。日本と世界の英知を集めて、この世界の危機を乗り越え、秩序を再編する方途を見出したい。そこで、今年11月18日(月)に、大阪梅田のホテル阪急インターナショナルに、福田康夫元首相とE・ヴォーゲル・ハーバード大学名誉教授を基調講演者に招き、大シンポジウムを開催することにした。二人の講演の後、私がコーディネーターを務め、パネルディスカッションで『超大国対立の行方』を議論する。わが大学と日本経済新聞社とが共催し、報告とともに議論内容の詳報を日本経済新聞社が全国に発信することになっている。世界と日本の運命にわが大学もかかわって行きたいと思う。

12月12日(木)にもう一つのシンポジウムが兵庫県公館で行われる。わが大学の三本柱の一つである看護学部と、新設の大学院・減災復興政策研究科が連携して開催する「人を守る減災の科学」シンポジウムである。阪神・淡路大震災から25年を迎え、同じほどの期間に南海トラフ地震津波の襲来が危惧されている。この地の大学にふさわしく、災害に屈しない生存と健康について、広く県民のみなさまとともに考えたいと思う。

公立大学法人兵庫県立大学理事長 五百旗頭 真

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