研究所長あいさつ

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研究所について

社会を読み解き、未来を見据える。
データと科学で課題を解決し、
地域のデータ駆動型研究拠点を目指して。

研究所長木村 真

兵庫県立大学ソーシャルデータサイエンス研究所は、急速に進展する社会の情報化の中で、自治体などが抱える政策課題や社会的要請にデータサイエンスの視点から取り組む研究機関として、2025年4月に新たに設立されました。
兵庫県立大学は、経済学・経営学を基盤とした附置研究所を、前身である神戸商科大学が1950年に設置した「経済研究所」を起点に、2004年の県立大学発足に合わせて「経済経営研究所」へ、さらに2010年からは「政策科学研究所」へと発展させ、時代の要請に柔軟に対応しながら社会や経済の分析を行い、政策提言を積み重ねてきました。
一方、情報化社会の急速な進展は新型コロナウイルス感染拡大によってさらに加速し、AI技術は日進月歩で進化しています。兵庫県立大学では、こうした情報技術の急速な発展に対応できる人材の育成を先駆けて推進してきました。2004年には大学院応用情報科学研究科、2011年にはスーパーコンピュータ「京」の設置に合わせて大学院シミュレーション学研究科を開設。さらに2019年にはデータサイエンス系の学部として社会情報科学部、2021年にはこれらを統合する大学院情報科学研究科を設置し、IT人材の不足が叫ばれる中、有望な人材育成に貢献しています。
インターネットやスマートフォンの普及により、社会の情報伝達速度は飛躍的に高まりました。さらにコンピュータの処理能力向上とAI技術の進展によって、情報処理の効率も著しく向上しています。便利になった一方で、私たちにはそのスピードに対応する力も求められています。コンピュータによる処理を最大限に活用するためには、さまざまな事象をいかにデータ化し、早く処理できるかが重要です。学術研究においても、近年は、個票に代表されるような細かく大量の良質なオリジナルデータを活用した研究が重視されるようになっています。また、これまでより飛躍的に解像度の高い分析が可能となったことで、政策の現場では、データや科学的な根拠に基づく政策立案「EBPM(Evidence-Based Policy Making)」が強く求められています。
ソーシャルデータサイエンス研究所は、こうした時代と社会の要請に応えるため、旧神戸商科大学「経済研究所」からの伝統と最先端の情報科学研究を融合させ、兵庫県内の自治体や経済団体等と連携し、現在直面する政策課題や各機関が保有する情報を共有・活用したデータ駆動型の研究を行います。また、地域経済分析など多様な分野で活用できるデータ基盤の構築に取り組みます。あわせて、研究成果を広く発信し、関係機関の情報化や政策分析を支援するほか、自治体等のDX推進や必要な人材の能力開発も積極的に支援し、大学と自治体の情報交換・交流の拠点となることを目指します。
皆様との情報共有が思わぬ発見や成果につながることもあります。お持ちのデータを分析したい、あるいはどんなデータが分析に必要なのかを知りたいなど、ご相談があればどうぞお気軽に当研究所までご連絡ください。
ソーシャルデータサイエンス研究所の今後の活動展開にご注目いただくとともに、皆様のご支援・ご協力を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。