~「知」のプロフェッショナルを育成し、豊かで多彩な未来社会の実現を目指す~
兵庫県立大学は、平成16年に伝統ある神戸商科大学、姫路工業大学、兵庫県立看護大学の3県立大学が統合して発足しました。現在では、6学部、9大学院研究科、5附置研究所、附属中学校・附属高等学校を擁し、県内各地に多様性に富んだ9つのキャンパスを持つ、全国屈指の公立総合大学となりました。
将来の予測が困難な、危機の時代のなかで、大学には主に3つの役割があります。まず、次の時代を牽引する学生のみなさんが、厳しい競争を生き抜くための人間力と深い教養、変貌する時代の要請に応えられる専門的知識と技術を身につけ、自立し、新しい世界を切り拓いていく不断の努力を、教育現場から支えることです。また、学生時代に留まらず、人生100年時代を生涯にわたって学び続けるためのリスキリングの機会も提供していきます。
デジタル知性AIなどの発展により、学問のあり方も大きく変わろうとしているなか、飛躍的に進歩する情報通信技術を、功利性に溺れることなく主体的に活用するためには、批判的知性(critical thinking)と創造的知性(creative thinking)を磨くことが必要です。さまざまな文化的背景をもつ学友との大学生活を通じて、人々の間に壁を作るのではなく橋を架けるグローバルで複眼的な思考とアントレプレナー精神を養い、学問を通して自己を成長させ、社会をよりよい方向に導くことができる、「知」のプロフェッショナルを私たちは育成します。
Society5.0社会において、生物多様性の危機、グリーン・トランスフォーメーション、パンデミック、平和構築などの喫緊の地球的課題に対して、異分野を融合する卓越した学際的研究の推進を図ることが、大学に強く求められています。本学は、従来の基礎研究、ものづくりを大切に受け継ぎながら、国内外の学術機関や民間企業との共同研究、産学官連携を世界レベルで推し進め、大学発ベンチャーなどを通して、その成果を広く社会に還元していきます。
学知の空間である大学の3つ目の役割は、豊かで多彩な未来社会のビジョンを示し、希望を生み出すことです。国内外のそれぞれの地域や社会がもつ文化や伝統を守りながら、友愛の精神の下に結びつき、力を合わせることによってのみ、分水嶺にある現代の、来るべき時代の挑戦に対し、大学は先頭に立つことができます。本学はSDGsに謳われている"Well-being"、"For the planet"、"Leave no one behind"の考え方を基底に据え、未来を起点とするMission-orientedな創造的改革を進めていきます。
兵庫県立大学 学長 髙坂 誠
プロフィール
髙坂 誠(こうさか まこと)(昭和27年12月21日生)
略歴
昭和55年3月 | 京都大学文学部史学科現代史専攻卒業 |
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昭和58年3月 | 同志社大学大学院文学研究科新聞学専攻修士課程修了 |
平成元年4月 | 松阪大学政治経済学部専任講師・助教授 |
平成3年9月 | ブランダイス大学(米国・マサチューセッツ州)欧州ユダヤ人研究所客員研究員(平成4年8月まで) |
平成5年4月 | 兵庫県立神戸商科大学助教授 |
平成9年9月 | オックスフォード大学中東研究所及びセント・アントニーズ・コレッジ客員研究員(平成10年8月まで) |
平成15年4月 | 兵庫県立神戸商科大学教授 |
平成15年10月 | オックスフォード大学ウルフソン・コレッジ客員研究員(平成16年2月まで) |
平成16年4月 | 兵庫県立大学経営学部教授 |
平成24年4月 | 兵庫県立大学副学長 |
平成25年4月 | 公立大学法人兵庫県立大学理事兼副学長 |
平成27年4月 | 追手門学院大学国際教養学部教授 |
平成28年4月 | 関西国際大学副学長兼教育学部教授 |
平成29年4月 | 公立大学法人兵庫県立大学理事兼副学長 |
令和3年4月 | 兵庫県公立大学法人理事兼兵庫県立大学副学長 |
令和5年4月 | 兵庫県公立大学法人副理事長兼兵庫県立大学学長(現在に至る) |
学位
文学修士(同志社大学)(昭和58年3月)
専門分野
国際政治学