2024.07.25
プレスリリース 工学部・工学研究科

兵庫県立大学 奇跡の水素貯蔵物質・アンモニア固体を常温で安定化

 兵庫県立大学は、低温のマイナス78℃以下の凍結によって生成するアンモニアの固体を世界で初めて常温においても安定に存在させることに成功しました。二酸化炭素を排出削減するため、太陽光や風力発電などの自然エネルギーの利用が進められています。しかしながら、これらの自然エネルギーは天候に依存するため、需要に釣り合った供給が困難です。自然エネルギーによる電力を必要なときに使用できるよう、蓄電技術を開発する必要があります。有力な蓄電技術として水電解による水素をアンモニアとして貯蔵する方法があります、しかしながら、アンモニアは常温では劇物の気体です。兵庫県立大学は、ホウ酸ガラスマトリックスに閉じ込めることによって、アンモニアを固体の結晶として、常温で安定に存在させることに成功しました。この蒸気圧が低く無臭のアンモニア固体は安全な奇跡の水素貯蔵物質に成り得ると期待されます。

研究詳細

別添資料のとおり

論文情報

  1. タイトル
    Stabilization of solid-state cubic ammonia confined in a glass substance at ambient temperature under atmospheric pressure
  2. 著者名
    Morishita,M., Miyoshi,H., Kawasaki,H., and Yanagita, H.
  3. 雑誌・号・doi
    RSC Advances, 14巻 (2024年) 16128-16137 頁.  
    DOI: https://doi.org/10.1039/d4ra00229f

問い合わせ先

兵庫県立大学大学院工学研究科 名誉教授・森下政夫 
 (現国立研究開発法人物質・材料研究機構 特別研究員) 
 TEL:029-859-2000      E-mail: MORISHITA.Masao@nims.go.jp

同時資料提供先

中播磨県民センター記者クラブ、筑波研究学園都市記者会、文部科学記者会

一覧へもどる