2025.12.22
プレスリリース 理学部・理学研究科

有機ホウ素錯体の蛍光色変化を超高圧下で観測
~分子間距離と分子内相互作用が要因と判明~

発表内容要旨

ピエゾフルオロクロミズム(PFC)とは、外部からの圧力や機械的な刺激により物質の蛍光色が可逆的に変化する現象のことで、圧力センサーやメモリーデバイスなどへの応用が期待されています。
大阪公立大学大学院工学研究科の入井駿大学院生、大垣拓也特任助教、松井康哲准教授、池田浩教授、兵庫県立大学大学院理学研究科の小澤芳樹准教授、阿部正明教授らの共同研究グループは、分子内π-π相互作用がPFCに与える影響を調べるため、二階建て分子構造のシクロファン部位をもつ有機ホウ素錯体pCP-HとpCP-iPrの単結晶をダイヤモンドアンビルセル(DAC)を用いて加圧し、PFC挙動を解析しました。その結果、両者のPFC挙動は似ていましたが、その圧力依存性の発現機構は全く異なることが分かりました。
また、X線結晶構造解析により、蛍光色の変化は、pCP-Hでは分子間距離の変化が主要因であるのに対し、pCP-iPrでは分子間距離の変化だけでなく、シクロファン部位のベンゼン環同士の距離が縮むことによる分子内相互作用も要因であることが判明しました。これにより、シクロファン部位がバネのように伸縮し発光色を制御する新しい機構が明らかになりました。単分子で機能するPFC材料設計への貢献が期待されます。

詳細

別紙のとおり

問い合わせ

兵庫県立大学播磨理学キャンパス経営部  総務課 
TEL:0791-58-0101 FAX:0791-58-0131  
E-mail:soumu_harima@ofc.u-hyogo.ac.jp

同時資料提供先

大阪科学・大学記者クラブ、部科学記者会、科学記者会

(本学より配布)
兵庫県教育委員会記者クラブ、西播磨県民局記者クラブ、中播磨県民センター記者クラブ

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