2026.02.04
プレスリリース 自然・環境科学研究所

兵庫県の武庫川に生息するドジョウから見つかった外来遺伝子

兵庫県立大学大学院環境人間学研究科の木村亮太(研究当時:研究生、現:北海道大学大学院環境科学院博士課程前期課程学)と、兵庫県立大学自然・環境科学研究所の高橋鉄美教授(兼:兵庫県立人と自然の博物館 主任研究員)からなる研究グループは、兵庫県の武庫川で採集したドジョウを対象に遺伝解析を行いました。その結果、大陸由来と考えられる外来系統の遺伝子が、兵庫県内で初めて確認されました。

ドジョウは小型の淡水魚で、アジア東部に広く分布しています。日本には固有の系統(在来系統)が生息しており、主にアジア大陸に分布する系統(外来系統)とは区別されています。しかし近年、大阪府内の屋外環境において、外来系統の遺伝子が発見されました。これを受け、本研究では兵庫県の武庫川に生息するドジョウを遺伝的に調査したところ、わずかではあるものの、外来系統の遺伝子が混在していることが明らかとなりました。

兵庫県では過去に、コウノトリの餌として利用される目的で、円山川水系に国内の別地域由来のドジョウが導入されたことが知られています。しかし、県内に国外由来の外来系統が入り込んでいることを明らかにしたのは、本研究が初めてです。
この研究成果は令和8年1月31日発刊の県立人と自然の博物館研究紀要「人と自然 Humans and Nature」に掲載されています。

研究詳細

核DNAのrag1遺伝子の配列は、ドジョウ在来系統・ドジョウ外来系統・キタドジョウ(在来種)・カラドジョウ(外来種)で異なることが知られています 。このため本研究では、武庫川で採集したドジョウ類64個体について、rag1遺伝子の部分配列を決定しました。

その結果、53個体がドジョウ在来系統アリルのホモ、8個体がドジョウ在来系統アリルと外来系統アリルのヘテロ、3個体がドジョウ外来系統のアリルのホモでありました。キタドジョウとカラドジョウのアリルは、確認できていません。

論文情報

  1. タイトル
    兵庫県武庫川水系のドジョウにおける外来rag1アリルの検出
  2. 著者
    木村亮太・高橋鉄美
  3. 雑誌
    人と自然 Humans and Nature 36巻(2026) p.16-20

問い合わせ先

兵庫県立大学 自然・環境科学研究所 教授
兵庫県立人と自然の博物館 主任研究員
高橋 鉄美
Tel:079-559-2001 E-mail:tetsumi@hitohaku.jp

同時資料提供先

兵庫県教育委員会記者クラブ
三田市政記者クラブ

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