2026.10.05
プレスリリース
環境人間学部・環境人間学研究科
溶岩は表面が固まっても変形する
~流紋岩溶岩の表面しわが示す「冷却しながら動く溶岩」
流紋岩は粘性(粘り気)が高く、噴火時には厚く大規模な溶岩体を形成するため、流出が始まると周辺地域に深刻な影響を及ぼす可能性があります。しかし、その流動の実態は十分に解明されていません。最大の理由は、流紋岩溶岩の流動が直接観察された事例が極めて少ないことにあります。流紋岩溶岩の科学的な観測事例は、南米チリで2000年代以降に記録された2例のみであり、現象の普遍性を読み解く上で大きな制約となっています。
兵庫県立大学環境人間学部の宇野康司教授、愛知大学経営学部の古川邦之教授、日本大学文理学部の金丸龍夫准教授、関西学院大学生命環境学部の壷井基裕教授らの研究グループは、地質学と物理学に基礎を置いた古地磁気学とよばれる手法からのアプローチで、伊豆半島に分布する約3100年前に噴出したカワゴ平流紋岩溶岩流を対象に詳細な解析を行いました。その結果、溶岩表層に発達する褶曲構造(しわ状の変形構造)が、溶岩表面の固結後も冷えていくプロセスの中で段階的に成長・発達していたことを解明しました。
本研究成果は、流紋岩溶岩の冷却・変形過程に対する理解を深め、火山学における溶岩流動機構の解明に貢献するものです。この研究成果は、9月30日に科学雑誌 Earth, Planets and Space に掲載されました。
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同時資料提供先
愛知大学、日本大学、関西学院大学
