クマは柿の渋が抜けるのを待って、採食する?
― 甘柿と渋柿で異なる利用性を4年間の野外調査で実証―
人里に放置されたカキは、ツキノワグマを集落へ誘引する主要な餌資源の一つとなっています。しかし、カキには甘柿や渋柿などの異なるタイプがあり、これらがクマにどの程度利用されるのか、また、いつ頃から食べられ始めるのかについては、十分に分かっていませんでした。
兵庫県立大学自然・環境科学研究所の藤木大介准教授は、兵庫県豊岡市但東町において、2022年から2025年までの4年間、152本のカキを対象に野外調査を実施しました。カキを完全甘柿、不完全甘柿、不完全渋柿、完全渋柿の4タイプに分類し、クマによる採食の痕跡である「クマ棚」の形成状況を継続的に調査しました。
さらに、果実の渋み成分の指標となる可溶性フェノール含量、糖度、果実重量の季節変化を測定しました。その結果、完全甘柿では7月下旬、不完全甘柿では9月初旬の未熟果から利用が始まる一方、不完全渋柿では9月下旬以降、完全渋柿では11月下旬以降と、利用開始時期に大きな違いがみられました。
クマ棚の形成確率もタイプ間で異なり、渋み成分が早く低下するタイプほど形成確率が高い傾向が認められました。タイプ間の採食時期の違いは果実の成熟時期や糖度では十分説明できず、渋み成分の低下時期の違いが重要な要因であることが示唆されました。森林内の餌資源が乏しい年にはカキの利用が増え、利用開始時期も早まる傾向が示唆されました。
本研究成果は、日本哺乳類学会の国際学術誌『Mammal Study』に2026年11月6日付で掲載されました。
研究詳細
論文情報
- タイトル
Tannin phenology is associated with the timing of Asiatic black bear foraging among persimmon fruit types - 著者名
Daisuke Fujiki - 雑誌
掲載誌:Mammal Study
URL: https://doi.org/10.3106/ms2026-0024(2026年11月6日公開)
問い合わせ先
<研究について>
兵庫県立大学 自然・環境科学研究所 藤木大介 准教授
電話:0795-80-5500
E-mail: fujiki@wmi-hyogo.jp
<報道担当>
兵庫県立大学 社会貢献部 地域貢献課
電話:078-794-6653
E-mail: chiikikouken@ofc.u-hyogo.ac.jp
同時資料提供先
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