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9 産業と技術革新の基盤をつくろう

超水滴法に基づく高精度気象モデルの研究開発

情報科学研究科

島 伸一郎・教授

雲を正確にシミュレーションすることは難しく、気象モデルの予測に誤差をもたらす大きな要因となっています。そこで私たちは超水滴法(Super-Droplet Method)という新しい手法を開発しました。これにより、雲のふるまいを従来法よりも高い精度で再現する道が開けました。このモデルは、例えば集中豪雨のメカニズムの解明に役立ちます。また、この技術を火山噴煙やエンジン、惑星形成のシミュレーション等にも応用しようと考えています。


企業の国際事業活動

国際商経学部

山口 隆英・教授

2025年度のゼミから、日本の音楽がどんな形で世界に広がっているか、”Japanese Music Go Abroad”を研究しています。この研究は、現地の文化と、日本の文化がどうしたら共存できるのかというのが隠れたテーマです。言語、文化、価値観など、様々な違いがある人たちが、違いと認め、お互いに尊重しあえる社会を実現する上での手がかりが提供できればと思っています。日本の音楽の国際化というテーマに向けて、参加学生は、海外でのフィールワーク等を頑張ってくれています。


「放射光×顕微鏡」で社会課題解決に挑む

高度産業科学技術研究所

大河内 拓雄・教授

みなさんが普段目にする光学顕微鏡は、モノの形と色を拡大して観察することができますが、光源としてX線を用いると、原子中に存在する電子のツボを上手に突くことで、元素の種類や結合状態、電荷秩序や磁石の性質など様々な情報をナノメートルスケールで可視化できます。ニュースバル放射光施設にあるX線顕微鏡を用いて、電子デバイスから環境科学、産業製品まで、幅広い研究分野における課題に挑んでいます。


Wearable Deviceを活用した健康指標の予測に向けた取り組み

地域ケア開発研究所

本田 順子・教授

Apple WatchやFitbitなど、身体に身に付けることで健康状態(睡眠時間、心拍数、脈拍数等)のデータを得ることができるデバイスがあります。そのデバイスから得た多くのデータを使って、AIに学習させ、人々の日常生活の活動量や認知機能を予測することができるモデルを企業とともに開発しています。また、Wearable Deviceを用いてタクシードライバーの健康状態と危険運転の関係を分析し、事故防止の方策を検討しています。


組織におけるイノベーションの創造

国際商経学部

中村 友哉・准教授

組織が長期間にわたって成長・存続していくためには、新しいモノやコトを社会に創り出す活動であるイノベーションが欠かせません。世の中を大きく変えることのあるイノベーション活動には、いまだにわかっていないことが数多くあります。私は組織がイノベーション活動を行う際に重要となる要因や、その発生のメカニズムについて調査、研究を行っています。


ニュースバル放射光施設でしかできない最先端科学

高度産業科学技術研究所

橋本 智・教授

ほぼ光速で運動する電子の軌道を磁場で曲げると、X線領域の非常に明るい光(放射光)が放出されます。電子を加速するには巨大な加速器が必要で、私の研究室では国内大学最大の「ニュースバル電子加速器」を運用しています。加速器の安定運用と高度化により、放射光による最先端研究や産業応用を推進するとともに、相対論的電子ビームを用いた新光源やLCSガンマ線の生成など、加速器科学の研究を進めています。


多元的検索要求に対応する情報検索

情報科学研究科

大島 裕明・准教授

情報を取得することは、現在の社会において重要性が高いものと言えます。本研究室では、ユーザの多様な検索意図に応じた情報検索技術を研究しています。例えば、博物館の電子ガイドでは、来館者の関心や行動履歴に基づいて展示物を個別に推薦し、学びを深める支援を行います。検索クエリに対して、多様な視点での情報提示を行い、情報アクセスの格差を縮小し、誰もが自分に合った情報にたどり着ける環境を実現します。


エキゾチックな特性を示す電子の探求

理学研究科

水戸 毅・教授

物質の示す多くの性質は、その物質が持つ電子の状態によって決まります。私たちが最近集中的に研究しているテーマの一つは、質量がゼロとみなされ、将来の低消費デバイスや量子コンピューターへの応用が期待されるディラック電子です。私たちの研究グループでは、リンの同素体である黒リンを加圧するとディラック電子が生じることを、超伝導マグネットを用いた核磁気共鳴(NMR)実験によって世界で初めて明らかにしました。


資源供給リスクフリー二次電池の開発

工学研究科

稲本 純一・准教授

再生可能エネルギーを利用した発電には、電力平準化のため定置用蓄電池を利用する必要があります。その蓄電池として広く利用されているリチウムイオン電池にはリチウム、コバルト、ニッケル、銅などの資源が使用されているため、将来的に原料価格の高騰や供給ストップにより電池が作れなくなるリスクがあります。そこで我々は安価で資源供給リスクのない原料を利用した二次電池を実現するため、その研究開発に取り組んでいます。


理論計算に基づく新しい高温超伝導物質の設計

理学研究科

北谷 基治・助教

超伝導は低温で電気抵抗がゼロになる現象で、ロスのない蓄電等への応用が期待されているとともに、近年では量子コンピュータの素子としても使われ、様々な分野での活用が期待されています。このような実社会への応用を発展させる上での最大の難点は、超伝導になる温度の低さにあり、この問題を解決するため、理論計算に基づく超伝導メカニズムの解明やより高温の超伝導物質の設計を目指しています。


その他のゴールの取り組みは、研究取り組み一覧でもご覧頂けます