兵庫県立大学社会科学研究科経営学専攻は、この度の経済・経営大学院の改革を経て、令和3年4月に設立されました。その源流は古く、昭和40年に設置された神戸商科大学経営学研究科にまで遡ります。設置当初より少数の学生への懇切丁寧な指導を旨とし、これまでに多くの学位取得者を世に送り出してきました。卒業生は学界、実業界はもとより、官界や教育界でも大いに活躍しています。
本専攻は、博士前期・後期の両課程を備え、研究者の養成、そして、実業界で活躍できる高度な研究能力を備えた人材の育成を目的としています。また、近年では経営学研究において求められる研究方法の厳密さは高まる一方です。そこで本専攻では、「量的研究方法論」「質的研究方法論」「フィールドワーク方法論」といった研究をおこなうための方法論科目を充実させています。説得力の高い研究成果の発表を目指す研究者が、そのキャリアの初期段階から研究方法の議論に触れることには大きな意味があります。
またもう一つの特徴は、学生が地域や企業の課題の解決にチームで取り組む「コンサルティングプロジェクト」です。研究者教員と実務家教員が共同で指導するこの科目を通して、学生は地域や企業の実際的な課題を肌で感じるとともに、経営学の知識を一般社会に還元する機会を得ます。本専攻では、学術的な研究にとどまることなく、地域や企業との関わりも重視し、広い視野をもった人材を育成します。
新型コロナウイルスのパンデミック、AI技術の急速な発展、世界各地で勃発する戦争等、社会ではこの数年間で様々な変化が起こっており、不確実性が益々高まっています。こうした不確実性の高まりは今後もより大きくなっていくことが予測されます。過去にもこのような変化を幾度となく経てきたわけですが、そこには先人達の経営学の叡智が生かされていることは間違いありません。経営学の叡智があったからこそ、社会はこれらの変化に対応し、新たな価値を創造し、更なる発展へと繋がっているのです。
本学大学院社会科学研究科経営学専攻は、神戸商科大学大学院経営学研究科の歴史を引き継ぐ形で2021年に設立され、新たなステップに進んでいます。本経営学専攻は、博士前期課程、博士後期課程を備え、研究者の養成はもちろん高度な専門知識を備え社会において活躍できる人材の育成を目的としています。そのために求められる多種多様な科目、そして教員がおり、専門知識と幅広い教養の獲得が可能になっています。加えて、本経営学専攻では研究について院生と教員、院生同士が綿密にコミュニケーションを取りながら進めて行く「少数精鋭主義」があることも大きな特色です。
不確実性が高まる時代、その時代を生きるための必須の知識としての「経営学」を、この緑溢れる閑静な神戸商科キャンパスで一緒に学んでいきましょう。
経営学専攻長 伊藤克広
養成する人材像は、経営学とその関連分野における研究能力又は高度の専門性が求められる職業を担うための卓越した能力を有する人材です。また、教育研究上の目的は、経営学とその関連分野の専門知識と技能を修得した上で、学術的に意義のある課題を発見し、理論的枠組みを用いて論理的に分析する能力を有し、修得した専門知識と技能を社会に還元できる人材を養成することです。
要請する人材像は、経営学について研究者として自立して研究活動を行うことができる、又はその他の高度に専門的な業務に従事するために必要な研究能力を有する人材です。また、教育研究上の目的は、経営学の体系的な専門知識と高度な技能を修得した上で、学術的に意義があり、かつ新規性のある課題を発見し、新しい理論的枠組みを用いて論理的に分析する能力を有し、修得した専門知識と技能を社会に還元できる人材を養成することです。