お知らせ

サイエンスカフェRRMを7月28日に開催します

私たちは誰しも、私たちをとりまくさまざまな事物に、さまざまな想いを照射して生きています。風景もまた例外ではありません。懐かしさを覚える風景、あるいは見たくない風景、時に正負さまざまであったとしても、私たちは何らかの想いをもって風景に相対しているのです。であるからこそ、私たちは風景が急激に変化を遂げてしまうことに、とまどいや寂しさを覚えるのかもしれません。
地域の社会において育まれ、そこに住まう人々のさまざまな想いが照射されてきた風景=景観を、私たちはどのように受け継いでいけばいいのでしょうか。今回は文化的景観をめぐる事例を手掛かりに、みなさまと考えていきたいと思います。

日時:2019年7月28日 (日) 14:00-16:30
場所:豊岡稽古堂交流室3-1(豊岡市役所敷地内、大開通り正面:豊岡市中央町2-4)
定員:40名(先着順)
参加費:無料(飲み物は各自でご持参ください。稽古堂にも自動販売機はあります)

1.話題提供(14:00-15:15)
京都造形芸術大学 歴史遺産学科教授 杉本 宏氏「地域の個性と文化的景観」
2004年5月に文化財保護法が改正され「文化的景観」が文化財の六つ目のジャンルとなりました。世界ではこれより十数年前から、環境の文化的価値に関する視点としてカルチャル・ランドスケープが議論され、1994年に世界遺産の価値評価として取り入れられました。日本の文化的景観制度はこの流れにあるものですが、世界遺産より広がりのある価値体系として設定されています。現在、全国で64件の重要文化的景観地区が選定されています。文化的景観は、他の文化財類型と少し違い、地域の個性的な景観を評価し文化財選定するだけではなく、その地域景観の保全と継承についての取り組みを強く求めます。すなわち、地域づくりとの親和性が極めて高い文化財類型といえるものです。今回は、文化的景観制度の概要を踏まえながら、私がかかわった宇治の文化的景観の選定経緯と選定後の取り組みについて紹介し、景観という切り口で地域の個性をどのように継承してゆくのかを紹介したいと思います。

★杉本先生は1956年愛知県生まれ。1981年龍谷大学文学部史学科卒業。1983年に宇治市役所に入庁し市内遺跡の文化財保護担当職員として、1989〜2002年には史跡名勝平等院庭園の発掘・復元、2009年には重要文化的景観「宇治の文化的景観」選定に携わる。2018年より現職。専門は考古学、文化的景観学、遺跡学。著書に『日本の遺跡6 宇治遺跡群』(同学社)などがある。

2.ディスカッション(15:15-16:30)
ファシリテーター:小原嘉文・今津 瞬(兵庫県立大学大学院地域資源マネジメント研究科博士前期課程)

申込先:兵庫県立大学 豊岡ジオ・コウノトリキャンパス
E-mail:rrm@ofc.u-hyogo.ac.jp(@を半角に)、Tel:0796-34-6079
(氏名、所属、住所、メールアドレス、電話番号をお知らせください)
主催:兵庫県立大学地域資源マネジメント研究科 
共催:兵庫県立コウノトリの郷公園