【ため池みらいプロジェクト】
地域課題「草刈り」の解決を通じた農村と都市のつながりづくり!

先輩学生と地域プレイヤーに聞いてみた!
草刈りで農村地域と交流!?
草刈りをもっと身近に、魅力を大発見!!!
私達(環境人間学部1回生4名)は、普段馴染みのない草刈りを通した学生や地域との関わり方に興味を持っています。また、このゼミ活動内でインタビュー記事の作成に取り組んでいるため、今回は学生 Mさんと渞 規士さんにインタビューをさせていただきました(2025年12月実施)。
着目するプロジェクト
【ため池みらいプロジェクト】
草刈りの継続実施に向けた仕組みづくり -「播磨畦師(はりまあぜし)」に着目して-
農業・農村に関連する、最も基礎的な作業として「草刈り」があります。しかし、「草刈り」を担う人が減少しているため、草刈りを継続的に実施していくのが困難になっています。そこで、草刈りを代行できるグループをいくつも作っていこう!という取り組みが「ため池みらい研究所」を中心に実施されています。
「播磨畦師」は、そういった取り組みのなかで生まれたグループの1つです(2021年設立)。
特徴としては、農業や農村に興味を持つ都市住民を中心に結成されており、「地域とつながるための草刈り」をコンセプトに掲げている点にあります。
インタビュー対象者

学生 Mさん 環境デザイン系2回⽣
灘区在住。自然環境や絶滅危惧種の保護に興味を持っており、1年時から播磨畦師に加入。 都会生まれ都会育ちで、三ノ宮でアルバイトをしている。

渞 規士(みなもと のりひと)さん播磨畦師 代表
明石市在住。平日は飲食店のマネージャーの仕事をし、休日などに播磨畦師として活動している。その他、丹波篠山市でコミュニティ農園を管理する活動や「地域再生アドバイザー」としても活躍されている。
草刈りは何のために? どうやってする?
農業をおこなうため、農村を維持していくためには欠かせない作業で、多くは農家・地域住民によっておこなわれています。その目的は、雑草の繁殖防止だけでなく景観維持や防犯対策、害虫・害獣対策による生態系の管理などがあり、様々な効果をもたらします。
また、その方法も様々あり、一般的には「刈払い機」という機械を用いますが(刈払い機にも様々なタイプがある)、近年ではラジコンロボットなどが普及しつつあり、省力化も進んでいます。
Q.播磨畦師の具体的な活動内容を教えてください。
学生Mさん:加古川市周辺で、地域の人から依頼を受け、農地などの草刈り作業を主にしています。その他、草刈りフェスという草刈りを楽しめるイベントもやったりしています。
渞さん:「草刈りをお願いしたい」と頼者から連絡があって一度下見に行くんです。下見をした上で見積もりを作って、メンバーに依頼の共有をします。参加できる人を集めて集まれる日にみんなで草刈り作業をして、その後に請求をしてお金を頂く、というのが基本的な流れです。

大学の悩みにも明るく答えてくれる優しいMさん
Q.草刈りのメンバーに参加しようと思ったきっかけは何ですか。
学生Mさん:「ため池みらいプロジェクト」で播磨畦師の方々に草刈りプロジェクトを教えていただいて、1年生の時期から色々挑戦してみたいと思ったので参加しました。
渞さん:現在は代表をしておりますが、もともとは知り合いに播磨畦師を紹介してもらって参加しました。元々地域づくりや農業に興味があって、仲間作りも兼ねて参加してみようと思いました。

草刈りの様子
Q.体力的に負担が大きい草刈りをどうして継続できるのですか?
学生Mさん:実際はしんどいし、やりたくないことの方が多いです(笑)。それでも草を刈り終わったときにすぐに成果が出るのが魅力で、学校の課題を終わらせたときの達成感に似ていますね。後は、地域の方のお話を聞くことができて楽しいというのも理由の一つです。
渞さん:元々体力のある人が活動しているというのもあるし、慣れてくると段々疲れないやり方が分かっていきます。後は、やはり夏場は炎天下で行う作業でしんどいので「気持ち」かなと思います。
Q.プロジェクトの背景となる社会問題について、どのような点に問題意識を持っていますか?
学生Mさん:草刈りをしない・できない農地があるという点に問題があると思います。田んぼの周りに草が生えていると田んぼに入りにくくなり、それによって人の手が入らなくなると野生動物との距離が近くなって、人的被害にも繋がると思います。
渞さん:農村地域の高齢化が進んでいることですね。人口流出がますます激しくなると担い手不足が深刻化して、農地の維持が難しくなってきています。
Q.草刈りフェスを行う目的は何ですか?
渞さん:名前を知ってもらうというのが一番大きいです。草刈りフェスについて新聞に掲載してもらったりすることでいろんな人に「こんな活動しているんだ」というのを知ってもらうことが大きな目的です。それをきっかけに草刈りに興味を持って参加してくれる人が一人でも多くなればいいなと思っています。
*草刈りフェスとは、地域の農地と人をつなぐ“体験型フェス”。草刈りを通して、農の知恵を学び、食と文化を楽しむ一日です。草刈り競争(チャンピオンシップ)は初心者クラスと経験者クラスがあるので、全員が楽しめるプログラムになっています。体験コーナーやお楽しみ屋台なども盛りだくさんなので、小さなお子様も楽しめます。

2023年草刈りフェスでの集合写真
協力して元気に活動している。
とても参加してみたい!
Q.草刈りフェスでは「草刈りを楽しい活動にする」という目標があり、競争することで楽しんでいましたが、それ以外の活動ではどういった楽しみ方を実践していますか?
渞さん:様々な人との交流を楽しんでいますね。例えば、大学生が参加してくれている時は休憩時間や食事の時に地域の人や播磨畦師のメンバーで交流しています。草刈りフェスの時には、学生たちに売店(肉巻きおにぎりなど)も企画してもらったり、地域の方にも出店(メダカの販売)いただいたりしました。

2025年草刈りフェスの様子
チームを組み、コスモスを刈る速さで競争した。
Q.草刈りフェスでは学生を始めとした若い人や未経験者の方が多く参加すると思うのですが、その後も継続して草刈りに参加してもらうための工夫はしていますか。
渞さん:やはり作業をしてもらうだけだと草刈りから離れて行ってしまうのかなと思います。なので、交流っていうのを大事にしています。また、日常の活動では、広報活動や会計など草刈りの作業以外でも様々な役割をお願いしたりしています。
Q.実際に活動していて楽しいと感じる瞬間や達成感はありますか?
学生Mさん:緑がたくさんある所に行って、草を刈った後の原っぱで休むと綺麗になった芝生を見て達成感を抱きます。他にも草刈りフェスでは、地域の方々と協力して肉巻きおにぎりや焼きそばなどのお店を出しており、皆さん積極的に話しかけてくださってとてもアットホームなので楽しいです。
渞さん:草刈りは個人スポーツのようでチームスポーツなので、綺麗になった爽快感をチームで味わえることが魅力ですね。あと、単純作業で余計なことを考えずに自分と向き合う時間が作れるので、悩み事がある人の気分転換にもおすすめです。
Q.地域と繋がれたと感じた成功体験はありますか。
学生Mさん:ため池プロジェクトを通して知り合った自治会の方々が色々なお話をしてくださるので、心を開いてくださっている感じがして嬉しくなりますし、自分のことを覚えていてくださって、時に仲良くなれている気がして嬉しくなります。
渞さん:草刈りフェスでは地域の方々の助けがあって成り立っているので、活動を通してコミュニティが形成されていると感じますね。他にもお祭りをする時にも仲の良い関係性を作れていると思います。

草刈りフェス開催に向けて、地域住民と播磨畦師のメンバーが打合せしている様子。
地域と一緒に取り組んでいることが伝わる。
Q.このプロジェクトを通してどのような地域を作りたいですか?
学生Mさん:友達のように交流できる草刈り団体でいたいので、地域の方々ともっと関わって、交流が増える地域を作りたいです。
渞さん:田んぼなどの農地は食に繋がる財産なので大事にしていきたいと思いますし、地域の大事な資源なので守っていきたいですね。

草刈り後の様子
地域の人とともに水路整備を行う。
Q.これから先、何かを提案したり行動したりしたいことはありますか?
学生Mさん:播磨畦師のメンバーは40代、50代が多く学生はほとんどいないので、活動や地域の魅力を知ってもらうためにも、SNSなどで自分から発信していきたいと思います。
渞さん:これから新しいメンバーを呼び込むためにも、名前や活動を知ってもらえればいいなと思います。それをきっかけに一人でも参加してくれる人がいればいいなと思っています。
インタビューを終えて
実際に自分たちでインタビューを行い記事にすることで、これまでやったことのなかった草刈りの新たな魅力や地域とつながる面白さを発見することができました。高齢化によって農村部と都市部の交流が少ない中、様々な場所に住む幅広い世代の人々が草刈りを通して交流を深めることは、新しい自分を見つけたり精神的にもリフレッシュしたりできると思いました。
これをきっかけに草刈りを初めとした農村問題に目を向け、積極的に活動やイベントに参加してみたいなと思います。(環境人間学部1回生、4名)。
2026年1月 作成
本記事は1回生向け授業「環境人間学ゼミナール~農業・農村のリアルを学ぼう~(担当:柴崎)」の一環で作成した。
