深泥池におけるメタン動態の調査
深泥池(天然記念物)@京都市
Introduction
重要な温室効果ガスであるメタンは,湿地等の湛水した還元的な土壌中で生成され,放出される.湿地からのメタン放出は総メタン放出の10〜28%を占めているといわれている(IPCC,1995)が,その放出量の時空間的変動が非常に大きいため,未だその正確な評価がなされているとは言いがたい.
湛水土壌中におけるメタン生成及び酸化は微生物活動によるものであり,それらには生物的・化学的・物理的要因が影響すると考えられている.
本研究は,池の内部に特徴的な浮島を持ち,多様な植生を有する深泥池において植生や水文条件等の環境要因が土壌中のメタン生成機構に及ぼす影響について検討する.
Objective
湿地上の植生の差異が地下水質(with嶋村)やメタン生成機構の違いに及ぼす影響を明らかにする.
Topics
深泥池の浮き島における植生の違いがメタン生成の空間的分布に及ぼす影響の解明
深泥池の中には大きい浮島が広がっていて,その面積は池全体の1/3以上を占めている.この浮島は高層湿原の性質を示す.浮島上の植生はオオミズゴケ,ハリミズゴケ,ミツガシワ,オオイヌノハナヒゲなどが存在し,これらの植生の違いに着目して調査を行っている。
特に,水文・水質条件の時空間的変動がこれらの植生の分布や浮島内の立地条件といかに関わっているかということ念頭におきつつ,主に泥炭から形成される湿地土壌中にけるメタン生成・蓄積量の時空間的変動について検討を行う.
Field observation
京都市北区に位置する深泥池内の浮島y
ハッチョウトンボ