モンゴル・トール川における環境生態系調査
トール川氾濫源を近傍の山頂から望む@ウランバートル
Introduction
モンゴルの首都ウランバートルでは近年急激な人口増加が起こっており、生活排水などにより、近郊を流れるトール川の水質が悪化していることが懸念されている。
市には中央下水処理施設があり、市街地や工場などからの排水を処理しているが、十分に浄化処理がなされていないことが懸念される。そのため、この下水処理場からトール川本流に繋がる小河川を対象に水質調査を行った。
とくに、処理場とトール川本流の間に位置する湿地域を流れる2つの小河川(1つは連続的な水の流れがある河川、もう一つは流路が断続的に途切れている河川)を対象とし、水質と各種安定同位体比を観測する調査を実施した(2006年9月)。
湿地域における水移動経路の同定とともに各種溶存物質、特に溶存無機態窒素や硝酸の酸素・窒素安定同位体比の変動にを調査すべく表流水・湖沼水・地下部伏流水のサンプリングをおこなった。
Objective
現地の水文特性とそれが窒素循環に与える影響に着目し、下水処理場からの排水が下流の湿地域やトール川の水質にどのように影響しているかを知ることを目的とした。仮説として処理場の下流にある湿地が窒素負荷の低減に寄与していることを想定して調査を行った。
関係する論文
Sci. Total Environ. Vol. 409, pp;1932-1940 (doi:10.1016/j.scitotenv.2011.01.019)
48時間連続調査地点@上の写真のゲル近傍
放牧牛による攪乱の危機
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業績