亜熱帯湖のメタン動態の解明
台湾・翡翠水庫
Introduction
熱帯や亜熱帯域での湖沼における生成消費の動態については、その重要さにも関わらず、観測の困難さから研究例が殆ど無く、全球規模のメタン濃度動態を解明する上での大きな障害になっている。
本研究は、亜熱帯に位置する台湾の人造ダム湖を対象として、湖内のメタン生成酸化の動態を濃度情報や安定同位体情報など用いて明らかにすると同時に、メタン酸化細菌の活動により有機炭素として固定されたメタンが湖内の食物網にどの程度寄与するのかを分子生物学的手法、生物地球化学的手法、生態学的手法を用いて明らかにすることを目的とする。これによりこれまで情報が欠落していた亜熱帯湖沼におけるメタン循環機構が明らかになり、更には、湖からのメタン放出量の推定の精緻化に繋げることが可能になる。
Objective
亜熱帯湖沼におけるメタンの動態を明らかにする。湖底からのメタン生成速度の把握と湖水におけるメタン酸化などについて、安定同位体比の解析を用いながら検討する。
共同研究者により、メタン酸化細菌の時空間分布やメタン由来の炭素が食物連鎖にどのように取り込まれていくかなどについても考察する。
底泥サンプリング風景
冬季（気温15度程度）の観測
Field observation
台湾台北近郊の翡翠水庫
関係する論文
Sci. Rep. 4. 5728 (doi:10.1038/srep05728 )
Itoh, M., Kobayashi, Y., Chen, T.-Y., Tokida, T., Fukui, M., Kojima, H., Miki, T., Tayasu, I., Shiah, F.-K., Okuda, N (2015)
J. Geophys. Res. Biogeosciences 120, 1246-1261, doi:10.1002/2015JG002972.
Ho, P.-C., Okuda, N., Miki, T., Itoh, M., Shiah, F.-K., Chang, C.-W., Hsiao, S. S.-Y., Kao, S.-J., Fujibayashi, M., Hsieh, C.-H. (2016)
Freshwater Biol. 61, 1694-1706. doi: 10.1111/fwb.12809
Kobayashi, Y., Kojima, H., Itoh, M., Okuda, N., Fukui, M., Shiah, F.-K. (2016)
Plankton and Benthos Research 11, 114-116.
Itoh, M., Kojima, H., Ho, P.-C., Chang, C.-W., Chen, T.-Y., Hsiao, S. S.-Y., Kobayashi, Y., Fujibayashi, M., Kao, S.-J., Hsieh, C.-H. Fukui, M., Okuda, N., Miki, T., Shiah, F.-K. (2017)
Ecol. Res. in press,
Theme1へ
Theme2へ
Theme3へ
Theme4へ
Theme5へ
業績
