所長からのご挨拶
Message
予知ができない災害に対する
地域や個人の対処能力の重要性
本研究所は、「社会のニーズに応え、地域の特性にあわせた看護ケアシステム等の構築・開発の研究を進め、その成果を広く社会に提案し、人々の命と暮らしをサポートすること」を目的に、平成16年12月わが国初の看護学の実践研究拠点として開所いたしました。研究所の創設には、県内外のさまざまな方々からご寄付とご支援をいただきました。また、十余年の活動に対しても看護職や地域の方々から多くのご協力とご支援をいただいて参りました。このことは、少子高齢化の時代、人々の健康を守り地域での生活を支えるケアやケア提供のための仕組みづくりに対して看護学の研究に大きな期待が寄せられているからだと思います。
本研究所は、地域ケア実践研究部門と広域ケア開発研究部門の2部門体制でスタートし、平成27年からは新たに周産期ケア研究部門が追加されました。地域ケア実践研究部門は、地域で暮らす人々が抱えるさまざまな健康問題に対して「まちの保健室」などの実践的活動を通した研究に取り組んでいます。広域ケア実践研究部門は、災害看護と国際地域看護を中心に世界規模での健康課題に関連する研究を推進しています。周産期ケア研究部門は、兵庫県立尼崎医療センター内に本研究所の一部門として設置した周産期ケア研究センターを活動拠点として、質の高いケア提供にむけた助産・看護ケア方法の開発と周産期ケアに関わる看護職等の育成に取り組んでいます。これら各部門の研究活動は、研究所の教職員に加え兵庫県立大学看護学部・看護学研究科の教員や学生等、さらには地域の看護職等と連携しながら行っています。
グローバル化や少子高齢化といった社会環境の変化、地球規模の気候変動や環境変化により、人々の生活や健康課題は多様化しヘルスケアのパラダイムも大きく変化しています。本研究所は、看護学の研究所として、人々の健康を守り暮らしを支えるケアを探究し、安心・安全な社会の形成に向けた具体的方略を発信していきたいと考えています。これからも皆様のご協力、ご支援をよろしくお願いいたします。

地域ケア開発研究所研究部門 組織図
Organization

研究体制
運営体制
運営組織
看護学研究科教員等を加えた地域ケア開発研究所運営会議を設け研究科と連携した運営を行います。
研究員
常勤研究員(任期制)を配置し、看護学研究科専任教員や外部研究者と共同して研究を推進します。
非常勤研究員
朝熊 裕美 | 災害看護(DNGL、WHO共同研究プロジェクト)担当 |
運営・研究参画看護学部教員
教授 | 森 菊子 | 成人看護学 |
講師 | 片岡 千明 | |
助教 | 西尾 聡子 | |
助教 | 木村 ちぐさ | |
教授 | 高見 美保 | 老人看護学 |
講師 | 中筋 美子 | |
助教 | 德田 幸代 | |
重信 有紀 | ||
教授 | 工藤 美子 | 母性看護学 |
准教授 | 能町 しのぶ | |
川村 麻由香 | ||
助教 | 遠藤 佑子 | |
講師 | 岡邑 和子 | 助産師養成課程 |
講師 | 相澤 千絵 | |
助教 | 沼田 富久美 | |
教授 | 丸 光惠 | 小児看護学 |
助教 | 中原 彩 |
客員研究員
竹村 和子 | 兵庫県立大学大学院看護学研究科 |
藤田 さやか |
沿革
History
地域ケア開発研究所「災害看護」に関するこれまでの歩み
2021年6月 | WHO協力センターに再認証される。(認証期間:2021年6月14日~2025年6月14日) |
2017年6月 | WHO協力センターに再認証される。名称がWHO Collaborating Centre for Disaster Risk Management for Health(災害健康危機管理WHO協力センター)に変更となる。(認証期間:2017年6月14日~2021年6月14日) |
2016年7月 | G7神戸保健大臣会合開催50日前リレーフォーラム「災害看護フォーラム」開催 |
2015年6月 | WHO看護協力センターに再認証される。 (認証期間:2015年6月14日~2017年6月14日) |
2012年6月 | WHO看護協力センターグローバルネットワーク会議とそれに伴う学会を主催する。 |
2011年6月 | 災害と健康危機管理に関するWHO看護協力センターに再認証される。 (認証期間:2011年6月14日~2015年6月14日) |
2011年3月 | 東日本大震災が起こり、継続的な支援を実施している。 |
2009年9月 | 世界看護科学学会第1回学術集会を開催する。 |
2008年1月 | 世界災害看護学会を日本災害看護学会と共に設立する。 |
2007年5月 | 災害と健康危機管理に関するWHO看護協力センターに認証される。 |
2006年8月 | 第3回アジア災害看護フォーラム |
2006年4月 | 災害看護教育において世界で初めての大学院修士課程を開始する。 |
2005年6月 | 第2回International Nursing Conference 2005 “Caring in Disaster and Emergency Situation”が開催される。 |
2004年12月 | 第2回アジア災害看護フォーラム |
2004年12月 | 地域ケア開発研究所が開所される。 |
2004年4月 | 大学統合により兵庫県立看護大学から兵庫県立大学看護学部へ変更 |
2004年4月 | 災害看護教育において世界で初めての大学院博士課程を開始する。 |
2003年 | 平成15年度文部科学省21世紀COEプログラムにテーマ 「ユビキタス社会における災害看護拠点の形成」が採択される。 |
2002年 | 第1回アジア災害看護フォーラム |
2001年 | 兵庫県立看護学部に附置研究所推進センターが設置され「災害看護」分野が設置される。 |
1999年 | 兵庫県立大学看護学部が初めての「災害看護カンファレンス」を開催する。 |
1998年 | 日本災害看護学会が設立され、兵庫県立看護大学 学長 南裕子が初代会長となる。 |
1997年 | 兵庫県立看護大学で、高い看護実践能力者育成を主とした大学院修士課程の教育が 開始される。 |
1996年 | 兵庫県立看護大学第3回国際セミナーのテーマに 「リスクマネージメント-看護における災害への備え」が開催される |
1995年 | 日本看護科学学会第2回国際学術集会が兵庫県立看護大学 学長 南裕子を学術集会長として開催される。 メインテーマに大震災の体験を全世界の看護系大学に発信すべく「神戸からのメッセージ」という言葉を加えた。 |
1995年 | 1月17日5時46分阪神淡路大震災発生。 兵庫県立看護大学は、兵庫県看護協会や 日本看護協会と連携し看護ボランティアセンターとして機能した。 |
1993年 | 兵庫県立看護大学が公立大学初の看護学部として設立される。 |
活動報告
Activity report
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研究活動報告集
兵庫県立大学地域ケア開発研究所研究活動報告集 ISSN 2434-6519(Online)Vol.4(2019.3).pdf
Vol.5(2020.3).pdf
Vol.6(2021.3).pdf
Vol.7(2022.3).pdf
Vol.8(2023.3).pdf
災害看護コアコンピテンシー2.0版
「CORE COMPETENCIES IN DISASTER NURSING VERSION 2.0」日本語版ICN_disaster-Comp2.0_JP.pdf
過去に取り組んだ研究(アーカイブ)
〇災害時の看護支援・ケアガイド
文部科学省21世紀COEプログラムとして採択された『ユビキタス社会における災害看護拠点の形成』(2007~2012年)による研究活動を通して、災害時の看護支援・ケアガイドを作成しました。災害時要支援者である高齢者等の災害への備えをすすめるための支援、災害発生時には健康被害をできるだけ小さくするように避難所や仮設住宅等で行う支援・ケアのポイントをまとめています。また、災害時にボランティアで看護支援にあたる際の要点も『知恵袋』として整理しています。
<看護ボランティア活動>
・災害時の看護ボランティア活動の知恵袋(直後から中期:避難時期の支援活動) .pdf
・Tips on Health Care Volunteer Activities by Nurses in the Event of Disaster.pdf
・被災地域外に開設された避難所における看護ボランティア活動の知恵袋.pdf
<高齢者への支援>
・災害時に避難所で高齢者の看護にあたられる皆様へ.pdf
・災害時に避難所で高齢者の看護にあたられる皆様へ(ポケット版) .pdf
・災害後に仮設住宅で高齢者の看護にあたられる皆様へ.pdf
・高齢者に必要な災害への備えと対処.pdf
・災害からの復興に向けて‐避難所での健康と生活‐.pdf
・災害からの復興に向けて-仮設住宅での健康と生活-.pdf
このほか、<こどもへの支援><妊産婦への支援><がんの方への支援><慢性病の方への支援><こころのケア>についてのパンフレット等も作成しています。詳細をお知りになりたい方は、当研究所までお問合せください。