学生の声

【対談】
自分たちで1から考え実行し、地域のすごい大人と出会えるのが学生団体の大きな魅力。/環境人間学部 2回生

参加プロジェクト
農楽部 畑っこ / Change
所属
環境人間学部 2回生

 EHCでは、同じ目的や志を持つ学生が主体的に運営している様々な「学生団体」が活動しています。
部活やサークルとの違いは、地域や社会との関わりを特に重視しているところ。
今回は「農楽部 畑っこ」と「change」の代表に、学生団体ならではの魅力や日々の活動に向ける思い、そして2023年1月19日(木)に開催された「EHC交流会」について、ワイワイ語ってもらいました。

- まず、学生団体に入ったきっかけを教えてください。

M.M:私は3つの学生団体に所属しています。今日は、代表を務めている「農楽部 畑っこ」について、お話ししたいと思います。
「畑っこ」に入ったきっかけは、1回生の冬に行われたEHCの発表会のようなイベントで「畑っこのメンバーは4回生しかいないので、自分たちが卒業したら、だれもいなくなってしまう」と先輩たちが話していて、廃部になりそうな雰囲気だったから。それはぜひ入りたい!と思って、友だちと2人で入ったのが始まりです。

実は入学当初から、育てた野菜を持って帰れたり、地域の人と交流できると聞いて「畑っこ」には興味があったんです。子どもに関わる活動をしている「Change」もいいし、海外に行くような取り組みにも関心があったので「CHISE(チーズ)」もいいな…と色んな団体に惹かれていて。先に「Change」と「CHISE」に入ったので、3つはさすがに多いかなと思って「畑っこ」には入らずにいたんですよね。


M.Mさん/「農楽部 畑っこ」代表、環境デザイン系 2回生

Y.T:「Change」代表のTです。1回生の前期の授業の中で学生団体を紹介する時間があって、そこで「Change」を知りました。その時は入学したてで忙しく、バイトなんかもあったので、すぐには入らなかったんです。

1回生の後期になって落ち着いてきたころ、やりたいことを思い描く中で、そういえば「Change」っていう学生団体があったなと思い出したんです。でも、「Change」にはなぜか女子しかいなかった。だから友だちを誘って見学に行ったんですけど、彼は入りたくないって(苦笑)。それでも僕の気持ちは揺るがなかったので、ミーティングの日にもう一度行って、そのまま入りました。


Y.Tさん/「Change」代表、人間形成系2回生

もともと、子どもとふれあうことが好きだったんです。いとこが15人くらいいて、僕は年齢が上から2番目なので、年下の子ばかりだった。その子たちと遊んだりするうちに、子どもが好きになったんですよね。プラス、高校まではできなかったことをやりたいっていう漠然とした思いがあったので、男子は僕1人だったけど、いいやんっと思って飛び込みました。


M.Mさんは「Change」でも活動中。気心の知れた仲間同士、トークは盛り上がる。

- 何をしている団体なのか、端的に説明すると?

Y.T:「Change」は、地域の子どもたちを対象に、様々なイベントを自分たちで企画・実行したり、スタッフとして参画している団体です。

M.M:「畑っこ」は、この土地で昔から作られてきた野菜(在来種)を、地域の人と一緒に守っていく団体です。農作業も、調理もします。

- 主な活動と、特に力を入れていること、これから挑戦したいことを聞かせてください。

Y.T:1つめは、「コープ神戸」さんと連携してイベントを企画し、実行するプロジェクト。

2つめは、「イーグレひめじ」のしろみエールというスペースでイベントを実施している方たちのイベントに参加させてもらうことです。

「コープ神戸」さんとは、色んなイベントを企画・運営を担当している部署の方と連携させてもらって。色んなイベントにボランティアスタッフとして参加させてもらいながらイベントの企画や運営について学び、最終的には12月に開催する地域の子どもたちを対象としたイベントを自分たちで企画して、広報もして、実践するっていう取り組みです。自分たちで1から全部考えるのはすごく大変だし、僕らの1つ上の先輩の代から始まった取り組みなので、まだ分からないことだらけ。探り探り、やってます。


キャンドルづくりワークショップの企画・実施@イーグレひめじ

M.M:「畑っこ」の活動には、大きく分けると農作業と調理の2つがあります。

農作業では、土を盛り上げる畝(うね)の作り方を農家さんに教わったり、水やりの仕方を教えてもらったり。とにかく私たちは無知なので、色々教えていただいてます。畝は、自分たちで作れるようになったんですよ。

調理なら、餅つきなどのイベントの他に、たくさん収穫できるナスやキュウリなどの夏野菜を使って、地域の方にアドバイスをいただきながら、みんなでごはんを作って食べたりしています。


レモンの木を植えてみました。ちゃんと実るといいなあ。

在来種保存会の農家のみなさんや、料理教室をされている地域の方とか、色々教えてくださる大人がみんなすごい人たちなんです。そのつながりで、淡路島の農園さんからいただいたレモンの木を植えたり。コンニャクを作るのが得意な方に教わって、みんなでコンニャク作りをしたり。とにかく知識も経験もすごいんです。1人暮らしの学生にとっては、生活していくうえでの実践的な学びにもなります。生きる力が自然と身についていくようなイメージです。

今はちょうど、畑に肉じゃがゾーンを作ろうとしています(笑)。玉ねぎ、にんじん、大豆を育てて、大豆は大豆ミートにして、収穫したもので肉じゃがを作ろうって。コンニャク作りの名人に教わってコンニャクも作って、入れたいです。


あ〜でもない,こ〜でもないと言いながら企画を話し合っています。

- 日々の活動の中で、現在、最も興味があることは?

Y.T:色んなイベント企画、イベントの内容自体にも興味があるんですけど。一番おもしろいなと感じたのは、姫路にはイベントを企画・実行している団体がいっぱいあるんだ!と知ることができた点です。

「Change」で活動していなかったら、一生出会えなかったであろう方々とご一緒できることが、僕には一番おもしろい。特に「イーグレひめじ」や「ピオレ姫路」で活動している方たち、そして子ども食堂についても「Change」に入ってから知りました。

M.M:私たちの場合は…まず、農作業をする機会って、ふだんはほとんどないですよね。畝を作ったり、水や肥料をやったり、種をまいたり、苗を植えたり、土や野菜に触れるのはもちろん、農家さんをはじめとする専門家が入れ替わり立ち替わり来てくださって、かんぴょうを薄く剥く機械を使わせてもらったり、ごまをすったり。育てた野菜を収穫して、調理もします。自分たちの力で全部やるっていうすべての体験が貴重で、すっごく楽しいです。


自分たちで育てたお米でついた餅は美味しかった!

- 実際の活動日や、どんなことをしているのかを教えてください。

Y.T:毎週木曜日の昼休みに、ミーティングをしています。1ヵ月に1つ以上は何かしらのイベントがあるので、準備をするために不定期で集まることもあります。コロナ禍ではほとんど活動できなかったのですが、今年(2023年)はもっと活動頻度を増やしていきたい。大変そうに思われるかもしれませんが、やりとりにはSNSを駆使するなど、無理なく活動しています。メンバー全員がすべてのイベントに関わらないといけないのではなく、例えば「この日この時間に準備を手伝ってくれる人、どこそこの教室に集まってください!」と呼びかけたりして。

M.M:活動日は、毎週水曜日の13時半〜15時くらいまで。水やりとか大変そうとよく言われるのですが、農家さんによると、野菜のうまみを引き出すためには、水やりはけっこう控えめでよいそうです。農作業をする日もあるし、キャンパス内にある調理室で料理をする日もあります。先輩たちが卒業したてのころはメンバーが友だちと私の2人だけだったのですが、今では20名以上に。ワイワイ楽しく活動しています。

- それぞれの団体を、どんな人におすすめしたい?どんな人と一緒に活動したいですか?

Y.T:「Change」としては、子どもと関わりたい人、子どもが好きな人がいいですね。あと、僕もそうだったんですけど、学生生活を有意義に過ごしたいと思っている人。何かやりたいと思っている人には、学生団体がおすすめです。地域とのつながりを持ちたいっていう人も。
僕、工学部キャンパスのバトミントン部に所属しているんです。学生生活を有意義に過ごすっていう意味では、もちろん部活もいいんですけど。地域とつながって、どんなことをしようかと自分たちで考え、実践するのが学生団体。なので、良さが全く違うなと思います。

M.M:農作業をしたことがある人はもちろん、未経験の人にもぜひ入ってもらいたいです。地域の方からもすごく言われるんですが、生きていく力がそなわると思うので。学生のうちから農作業ができれば、将来、自分の家に畑を作って、野菜を育てて食べられるよって。料理もできるようになりますし。

- 地域連携活動に取り組む学生や教員の交流を深め、いつからでも活動を始められることを伝えるために、1月19日に開催された「EHC交流会」。当日は、どんな気持ちで参加しましたか?どんな人に、どんなことを伝えたかった?

Y.T:「畑っこ」としては、メンバーを募るというよりも、まず活動内容を知ってほしいなと思っていました。4月にはこんな野菜を育てて、収穫したらこんな風に調理して…という実際の姿を伝えるために、写真をたくさんご紹介しました。


「畑っこ」のプレゼンテーション。分かりやすいよう、写真を多めに構成。

M.M:学生団体に入っていない人も出席すると聞いていたので、「Change」だけでなく、学生団体そのものに興味を持ってもらえたらと思っていました。

「Change」については、活動理念とか、どういう活動をしているのかを知ってほしかった。スライドには写真を多めに使って具体的に話すことで、魅力が伝わればいいなって。発表したのは僕ではないんですけどね(笑)。

- 「EHC交流会」に参加して、新たに発見したり、気づいたことは?

Y.T:学生団体の名前は全部知ってたんですけど、実際に何をしているのかはほとんど知らなかった。例えば「畑っこ」だと、野菜を作っているだけなのかと思っていたんです。料理もするなんて、すごく楽しそうだなとか、色々知ることができたのが良かったです。

さらに、交流会を通じて、色んな学生団体とのつながりができました。僕たちと同じように、自分たちで色々考えて企画して活動している人たちがめっちゃいることもあらためて分かって、自分もがんばろうって。反省点としては、自分から、もっと色んな人と話したらよかったなと思います。


「Change」の活動を、熱いトークとパネルでPR。

M.M:私も、よその学生団体がどういう活動をしているかを詳しく知らなかったので刺激になったし、私ももっとがんばろうって思えました。

自分が所属している学生団体への愛情や熱量だけでなく、大学生活全体のことまで力説されていた先輩の話しぶりも印象に残っています。


「EHC交流会」には、学生と教員あわせて60名以上が参加。

Y.T:交流会に参加していたのは、すでに学生団体に所属している人が多かった。これからは、ああいう交流会が、まだ何も始めていない人のアクションにつながるきっかけになったらいいですよね。

最後に、個人的なことで言うと「Change」に男子があと1人は来てくれるとうれしい。メンバーは全員すごく優しいから、安心して来てほしい(笑)。もちろん、多ければ何人でも大歓迎。人数が増えれば、今よりもっとたくさんのチャレンジができるし、手分けしてイベントに参加できるので、ぜひたくさんの人に入ってほしいです。



>> EHC交流会 レポート/かんなび

>> 学生国際協力団体 CHISE

(交流会:2023年1月19日、写真/西松史純)
(取材日:3月14日、写真/柴崎浩平、聞き手/二階堂薫)
※写真撮影時のみ、マスクを外しております。

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