近年、がん医療における重点課題として、がんゲノム医療、小児がん及び希少がん、AYA世代や高齢者のがん患者への対応が求められています。がん看護学では、①がんの予防や健康教育、②診断・治療に伴う意思決定支援、③がん患者の症状緩和、④医学的管理能力と生活調整能力の統合化、⑤組織の中でがん看護の質改善等を行う能力を養います。また、がん看護に関する研究能力の基盤を形成することを目指します。
がん看護実践の課題が見えてきた時こそ、大学院へ進学するチャンスです。本講座ではすでに70名を超える修了生が全国で活躍し、教育支援をしてくれています。また、がんプロ連携大学の大学院生(専門医、がん専門薬剤師、医学物理士、細胞検査士)と合同研修を行う機会もあります。がん看護に携わることをライフワークにしたい方、お待ちしております。
看護生体機能学領域では,睡眠,ストレス,看護技術,生活習慣病などをテーマとした量的研究や,看護介入が生体に及ぼす影響を心理生理的指標を用いて評価する研究などに取り組みながら,看護の発展について探求します。
研究の対象は,小児~高齢者まで,健康な人~治療や再発・発症予防が必要な人まで,と幅広く設定していますので,量的研究で明らかにしたいことがある人なら,どのような看護の専門分野の人でもチャレンジ可能な領域です。また,当領域では,2年次の専門科目(看護生体機能学領域が提供する科目)については,履修者の勤務状況に合わせて夕方や休日に実施するなど,履修スケジュールについて柔軟に対応可能です。
現在の健康問題の多くは生活に起因しています。つまり、生活の中に予防も療法もリハビリテーションもありますが、それを変える鍵は当事者が握っています。本領域では、理論やモデルを活用しながら、慢性疾患をもつ当事者自らが生活を変容し、健康を回復・増進することを支援する看護介入モデルの開発研究に取り組んでいます。過去のテーマ例は口腔ケアや食事支援等があります。実践・研究・理論の循環の中で、いっしょに看護を探求しましょう。
日頃、看護を考える時、患者、看護師のみに焦点を当ててしまいがちですが、このコースでは患者さんを取り巻く環境の視点から俯瞰的に看護の現象をみる力をつけていきます。
看護学において「環境にはたらきかけること」は、ナイチンゲールの時代から大切にされてきています。在院日数が短くなり、患者さんの療養する環境、看護師がケアする環境、看護師が育っていく環境はどのように変化しているのでしょうか。「看護師の実践がいきいきできる環境を考えたい」「患者さんの生活をもっと考えられるようになりたい」などの疑問を持っている人、ともに考えてみませんか。
看護教育学領域では、看護基礎教育や現任教育等での学習支援実践の質を向上することを目的として、看護職の人材育成を支える能力の修得や知の創造を目指しています。臨床で教育担当者、教育担当師長、教育担当副部長を担っている方、看護教員をされている方々が直面している課題の解決に繋がる「知」の開発や構築を目指した研究コースです。基礎教育において看護実践能力は如何に培われるのか、部署でのOJTを機能させるためにどうしたらよいのか、看護専門職として主体的に学び続けられる人材を如何に育てられるのか等の問いを、「対象の学びを支える」ことを視座に探求していきましょう。
母性看護学領域は、親になろうとしている女性や家族がもつ力を見極め、必要な医療や看護を提供できるよう臨床現場の変革や教育・研究に取り組む能力をもつ人を育成しています。修了生は、母性看護専門看護師として、身体的ハイリスクや心理社会的ハイリスクの状態にある妊婦や母親を支援し、大学の母性看護学の教員として、後輩(看護師や助産師)の育成に邁進しています。本学修了の母性看護専門看護師は現在30名程度となっています。。修了生のネットワークづくりを兼ねて、臨床で悩んだ事例を検討したり、活動を報告しあったりする会を年3回行い、修了生をエンパワーしています。助産師のキャリアパスの一つとして、母性看護専門看護師を目指しませんか。
医療機関や地域の小児看護の実践において、問題にぶつかりその解決に悩むことはないでしょうか。大学院の博士前期(修士)課程では、高度実践看護コースと研究コースがあります。前者では、小児看護の場として広い視野を身につけ、また、自らの実践をあらためて振り返る機会が用意されています。学習した理論等を用いて、看護の基盤を見直し、意味付けを積み重ねることにより、意図性のある高度な実践を行なっていく自信に繋がります。
研究コースでは、研究者や教育者として、子どもや家族のしあわせに通じる研究の基礎を身につけることができます。また、養護教諭の1種免許を持っている方は、専修免許を取得することができ、看護職基盤の養護教諭として学校保健を発展させる能力を培う機会となります。
本学では、卓越した精神看護実践ができる人や、研究を通して精神看護学の発展に貢献できる人の育成を目指しています。高度実践、研究のいずれのコースにおいても、学生の皆さん個々の背景や希望、探求したいテーマに応じて、講義・演習・実習を組み合わせながら、学びや成長をサポートしています。活躍中の先輩や外部の先生方の力もかりながら、実践で役立つ最新の知識や支援技術・技法を、より豊かに、体験的に学べる環境づくりにも尽力しています。「ケアの力を高めたい!」「自分の実践を改めて振り返りたい!」「チームの中でより力を発揮したい!」「現場での実践を科学的に検証したい!」「現場で直面した問題や課題の解決に向けて研究的に取り組みたい!」と思っている方々に、ぜひ来て頂きたいです。
成人看護学領域では、成人の健康増進、疾病予防や、慢性病の療養を支援するための高度な看護実践能力の修得を目指します。また、より良い看護ケア方法等について探索的に取り組む能力の修得を目指します。病いとともに生きることに関連する理論や概念を学ぶことで、これまで悩んでいた現象や看護を説明できる体験をするでしょう。また、高度実践看護コースでは、専門看護師の卓越した実践を見ることで看護のすばらしさを体験するでしょう。
講義、演習、実習だけでなく、専門まちの保健室活動をとおして地域住民の健康支援を考えたり、地域の看護職との事例検討会をとおして看護を考えたり、幅広く学べる環境があります。是非一緒に学びましょう。
「老人看護の専門性とは何か?」を徹底的に探究します!
生涯健康看護分野・老人看護学では「“老いを生きる人”としての高齢者を看護する専門性とは何か?」という問いを掲げ、研究コースと高度実践看護コースを開講しています。
「加齢による心身諸機能の低下」を問題視すると、高齢者は脆弱な存在となり、看護は危険防止や安全管理に軸が置かれます。しかし、高齢者を「人生を重ね“老いを生きる人”」と捉えれば、高齢者は加齢変化への対応力を持つ存在となり、看護は高齢者の脆弱性と健やかさに焦点を当てた、重層的なものになります。そこで、私達は“老いを生きる人”としての高齢者理解を医学的・社会的・心理学的そして看護学的に追及した上で、老人看護の専門性を研究的視点、実践的視点で探求し、その確立を目指しています。
「高齢者の意思を反映した看護ができている?」「看護は高齢者の尊厳を守れている?」「高齢者の健康回復のカギは何?」「認知症高齢者の生活支援はどうあるべき?」「高齢者と家族を支援するために必要なことは何?」など、日頃の看護実践や看護研究のテーマを掘り下げ、「老人看護の専門性」についてここで討議しませんか?
スクールヘルスプロモーションに携わるみなさんの学びと研究を支援します!
・土曜や長期休業中に開講するので、働きながら学べます
・長期履修制度が活用できます
・E-learningを活用し、遠隔での指導が受けられます
・養護教諭、保健師、看護管理者など、多職種での学びを深められます
・養護教諭専修免許状が取得できます(一種免許取得者)
日常から離れた大学院での学びで新しい可能性をみつけましょう!
組織看護学では研究コースと実践リーダーコースを設けています。研究コースでは、看護管理に関する幅広い知識を得て、組織の課題を探索的に取り組むことができる能力の修得を目指します。実践リーダーコースでは、実践の場で率先してリーダーシップを発揮することができる能力の修得を目指します。授業は、看護組織学の諸理論と院生の課題に応じたフィールドワークを計画・実施するなど、実践的な教育を展開しています。組織看護学は管理者だけが学ぶものではなく、スタッフも看護実践活動をより効果的、効率的、創造的に行うために必要な能力です。看護管理者からスタッフの方まで、組織的な課題に取り組みたい大学院生の学びを支援しています。
地域看護学領域では、行政機関、産業・学校保健、そのほか多様な場において、地域や集団に焦点をあてた看護実践を探求します。次世代看護リーダーコースでは、健康な地域づくりやヘルスケアシステムの改革・創造・発展のため、現場でリーダーシップを発揮する能力を修得します。研究コースでは、地域・集団に焦点をあてた看護実践の課題の探求と解明に研究的に取り組む能力を修得します。いずれのコースでも、地域看護・公衆衛生看護の実践的課題に根ざし、自身の看護観や実践を見つめなおす学びを支援します。根拠をもって活動したい、現状を変えたい、自らをもっと高めたいと考える方、大学院での学びを通し、地域看護・公衆衛生看護のぶれない軸を手に入れませんか。
在宅看護学領域には、高度実践看護コースと研究コースがあります。
高度実践看護コースは、在宅看護の利用者・家族に関連する高度な専門知識・理論、技術を学び、倫理的判断・医学的判断に基づく的確なニーズの把握、看護計画の立案、サービスの組み立て・提供および地域ネットワークの構築と社会資源の開発ができる高度な在宅看護実践能力の修得を支援しています。
研究コースは、在宅看護領域における高度な専門知識・理論・技術を広く学び、基礎的な研究手法および、在宅看護学領域で探索が必要な課題について取り組む能力の修得を支援しています。
修了生は訪問看護師だけでなく、退院調整看護師や大学の教員として活躍しています。
地域包括ケアを担う高度な実践者・研究者となって、ともに医療・在宅ケアの発展に向けて活動しましょう。
近年、国際保健の分野では、研究的なエビデンスを蓄積するための国際共同研究や研究結果の統合、研究成果を社会に還元するための政策提言や実装研究が求められています。看護が大切にしている価値観や倫理観から生み出すエビデンスとは、どのようなものでしょうか?本領域では、グローバルな研究・実践ネットワークの中でエビデンスを生み出していく研究力、研究成果をグローバル・コミュニティに還元するための実践力や情報発信力を養うことを目指します。研究には、社会的な健康決定要因に働きかけ、新しいグローバルスタンダードを作る力があります。一緒に、新しい世界へ踏み出しませんか?
災害は、自然現象や人的な要因などによって引き起こされますが、社会はこれまで、災害によって受ける影響をできる限り小さくし、影響を受けてもできるだけ早く回復できるように叡智を注ぎ、努力を重ねてきました。看護学は、いかなる時も人々がその人らしく健康に生活していくことを支える学問です。そして災害看護学は、他の学問領域や専門職、減災復興に関わるさまざまなセクターと連携協力しながら、災害による人々の健康と生活への影響を小さくするとともに、人々が災害の影響からその人らしい生活を取り戻し健康に暮らしてくために必要な支援や支援のしくみを探究する看護学の新たな領域です。災害への対応は、世界的にも重要な課題であり、国際的な連携協働が重要です。国内の課題のみならず、グローバルな視点から災害看護学を探究し発展させていく人を求めています。
情報科学技術の高性能化と多機能化は、私たちの生活だけでなく、看護を取り巻く環境にも大きな変化をもたらしています。看護情報学では、看護における情報科学技術の活用、情報の円滑な流通と交流に基づいた情報の共有と活用によって、効果的・効率的な看護の提供を目指した仕掛けを探求しています。 本領域では長期履修制度を活用し、科目は主に土曜や夕方に開講するので、働きながら学べます。
クリティカルケア看護学領域は研究コースと高度実践看護コースがあります。
研究コースは、クリティカルケア看護の質改善のために生命危機にある患者と家族や環境について研究的視点から現象を分析・評価できる基礎的な研究能力を育成します。
高度実践看護コースは、生命危機にある患者やがん周術期患者とその家族に対して理論と倫理とエビデンスに基づく臨床判断から救命と苦痛緩和や擁護のためにケアとキュアを融合した高度な看護実践能力を育成します。
より良き看護のために急性・重症患者看護専門看護師である教員とともに学びませんか。長期履修制度を活用して実践しながら学ぶことも応援します。
看護は、人々の健康回復を直接的に支援する様々な機能があります。治療看護学では、ケアリングをコア概念としてそのような看護の機能を具現化し、様々なシーンで実用できるプログラムとして開発する研究を通し、学生が看護の知を生み出すことを支援しています。
生活機能に関する健康課題に探索的に取り組み、必要があれば新しい研究法を開発しながら、生活機能を高める看護のアプローチを探求します。食支援、ポジショニング、リハビリテーションなど幅広いテーマを扱っています。
環境看護学は令和5年度より新たに開設する領域です。人間の生活と環境に関する諸問題について、看護学の視点から理論的な分析や構造化に挑みます。疾病や障害により生活の立て直しを余儀なくされている人々、それらを取り巻く環境(ケアする人々も含む)を対象とし、人々の生活を見通し自立にむけた環境作りを探究していきます。
母性看護学は、女性の健康や子どもを産み育てることに関わる現象や看護ケアを探究します。コースワークや個別指導に加え、母性看護学領域の博士前期・後期課程の学生参加によるゼミを年4回開催し、教員や学生間のディスカッションにより研究的な思考の活性化を図っています。
広くこどもに関連する課題を探求する上で必要となる理論や研究法を学び、独立して小児看護学の研究者として、また、教育職や実践家として今後の小児看護学の発展に寄与できるよう追究していきます。
成人看護学領域では、慢性期の健康問題に関する課題や看護ケアを探求するために必要な理論や研究法を学び、独立して研究を進める能力の修得を目指します。
様々な文献を読みながら現場の課題を研究課題に導くプロセス、また、研究課題を解決するための方法論を検討するプロセスなど、論文作成の道のりは様々ありますが、これらのプロセスをサポートする教育体制が整っています。是非一緒に看護学を追究していきましょう。
ここでは、“老人看護の専門性を表現できる、看護モデルや理論の構築”を目指し、より発展的な研究に取り組んでいきます。多様なフィールドで、あなたの看護実践やケアプログラムを、老人看護学の基盤に立つ看護モデルへと発展させましょう。
急速に変化する保健・医療・福祉の環境をふまえ、組織の看護サービス管理や人材育成などに関する問題を多角的に分析します。さらに、組織がもつ様々な問題や課題を解決するための理論や概念、方法論について、広範な学問分野と研究論文から探究します。ぜひ、一緒に組織看護学研究を発展させましょう。
在宅看護学では、複雑な社会情勢の中で保健医療福祉制度の健全な持続を目指した在宅チーム医療および在宅看護の方法論を研究、開発できる能力を習得します。また、在宅看護の学問的体系化に貢献できる人材を育成します。
研究を通して、学際的な視点からグローバルヘルスの課題に取り組む力を養います。健康の社会的決定要因やグローバルメンタルヘルスなど、看護が力を発揮できるフロンティアが待っています。様々な研究手法を学びながら、ぜひ果敢に挑戦しましょう!
グローバルな視点から災害看護の課題を探究し、災害看護学の知の体系化に貢献できる人を求めています。災害看護学領域では、博士前期・後期と継続して学修を積み重ねるプログラムを準備しています。博士前期課程の領域紹介も参照ください。